トリニチュア

Trinitureは、自然と生態系の保護を目的としたアートプロジェクトです。 各コレ…

トリニチュア

Trinitureは、自然と生態系の保護を目的としたアートプロジェクトです。 各コレクションは、自然、文化、未来のテクノロジーを融合し、地球とすべての生命を守るというミッションを反映しています。

最近の記事

甦った翼

1980年代に4000万羽いたとされるインドハゲワシの個体数は、1990年代に97%以上も減少しました。この原因は、家畜の牛に投与された抗炎症薬 「ジクロフェナク」が、牛の死骸を食べたインドハゲワシの体内に摂取されて起きた中毒死だ。 その後、インドハゲワシがいなくなったことで、インドでは腐った牛の死骸を食べる野犬が増えて狂犬病が蔓延。インドにおける狂犬病の死亡者は5万人以上となり、ハゲワシがいなくなったことに起因する経済的損失はおよそ4兆円にもなりました。 現在、インドで

    • 海の健康

      シロナガスクジラは体長30メートル、体重は200トンにもなる地球上で最大の哺乳類である。近年、世界中の海で痩せ細ったシロナガスクジラが多数目撃されている。 シロナガスクジラの餌は小さな甲殻類のオキアミだが、気候変動による海水温の上昇で餌となるオキアミが減っていることが原因と考えられている。 シロナガスクジラの寿命はおよそ90年前後で、長生きすれば100歳を超えることもある。しかし気候変動がこのまま進行すれば、シロナガスクジラが寿命をまっとうできずに餓死し、最悪の場合は絶滅

      • 旅する掃除屋

        黄色い肌と白い羽が特徴的なエジプトハゲワシの多くは、アフリカ、ヨーロッパ、中東、中央アジアの広範囲を移動する渡り鳥です。しかし、滞在する土地ごとに人間の影響を受けて個体数を50%以上も減らし、現在は絶滅危惧種となっています。 エジプトハゲワシを減少させた原因には、滞在できる土地や食糧が減っていることなどが挙げられるが、主な要因は毒による中毒死だ。毒餌で駆除された動物の死骸を食べてしまったエジプトハゲワシも毒で死んでしまうケースが後を絶たない。 また、かつては送電線による感電

        • 海のアマゾン

          海の巨大生物ヒゲクジラ類は、森林と同等の炭素除去に貢献していたことが研究結果としてわかった。彼らの排泄物には鉄分などの栄養素が豊富に含まれており、海面に供給されると植物プランクトンの大増殖が発生する。この植物プランクトンブルームが多くの炭素を吸収するのだ。プランクトンブルームの発生規模はクジラの個体数と比例している。 20世紀の商業捕鯨によって激減する以前、クジラに起因する炭素除去の規模は陸上の森林に匹敵していたと考えられている。クジラの個体数が大きく回復すれば超大量の炭素

          動物の死骸を食べるハゲワシは、その生態ゆえにネガティブなイメージをもたれがちだが、自然界を清潔に保つという重要な役割を担っている。ハゲワシがいなければ死骸が浄化されず、伝染病などが蔓延してしまう。 近年、アフリカでハゲワシが大量に毒殺される事件が相次いでいる。これは、密猟者がハゲワシが集まる密猟場所の発覚を避けるために、動物の死骸に毒を塗るためです。また、ハゲワシの体の一部を伝統医療に利用する目的で、大量のハゲワシが毒殺されるケースもある。 さらにハゲワシの大量殺戮が彼ら