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「はねるの100人凸待ち」で推し続けるリターンを見た話 ~他では真似できない異例の凄さとは

つい先日、VTuberである因幡はねるのチャンネル登録数20万人記念配信が行われた。

7時間半にも及ぶ長丁場であったが、大きな問題もなく無事終了した。

しかし、今回の「リスナー100人凸待ち」は昨今の事例を照らし合わせるとかなりリスキーな企画であった。この企画を無事に終えることが出来たのは、偏に因幡はねるの実力の賜物だろう。

この配信から、因幡はねるの実力等を語っていきたいと思う。

■「100人凸待ち」の異例さとは

そもそも、「凸待ち(とつまち)」とは、相手からの突撃を待つこと。もっとかみ砕いて言えば、相手からの突然の連絡待ちである。

だから、企業勢のVTuberではリスナーからの凸待ちは到底無理であろう。
そう、この「100人凸待ち」の企画は異例なことなのだ。

確かに凸待ち自体は珍しくはない。だが、それらはVTuber同士であることがほとんどだ。これは「リスナー」からの凸待ちである。

リスナーにとって夢のような企画であっても、企業とっては何を発言して、何が起こるか分からない発言の機会を設けるのはリスクとなる。

一応、補足的に説明しておくが、因幡はねるは現在、VTuberの二大巨頭である「にじさんじ」でも、「ホロライブ」に所属しているわけではない。「774 inc.」が運営する「有閑喫茶あにまーれ」に属するVTuberである。
その規模は二大巨頭には及ばないが、その次に来るといっても過言ではない運営会社である。
それもあって、所属するタレントの管理は他にないぐらい徹底している。

確かに個人なら、そのリスクは個人で背負えばいい。そもそも、個人ならリスナーからの凸待ちに対してリスクは薄い。
だが、企業にはコンプライアンスなど守るべき要素は多い。配信時にリスクがないことに越したことはない。

だから、リスク、いや前例的に大炎上に発展した企画を運営が許可するのは異例なのである。

前例とは直近でVTuber同士による凸待ちで炎上したケースがあった。ネットニュースでも多く取り上げられたからご存じの方も多いだろう。
一応、今となっては当人の間でも禊ぎも済んで、笑い話としているため、名前を挙げるが、夢追翔の件である。
コンプライアンスを守るべきVTuberですら、場に流されては口を滑らすことにもある。

それがリスナーともなれば、そのリスクは倍増する。
皆が皆、節度を守るリスナーなら問題はないが、それでも人気者である彼、彼女らには反面としてアンチもいる。配信のコメント欄であっても、そういった存在は何処でも確認が出来るほどに。
また、好きであるがゆえに、他に対して敵対する場合もある。配信外のVTuberの名前も出すのも、基本駄目とされる。

そして、これらの問題はTwitter上でも、起こることがしばしば。軽く燃えることなど日常茶飯事である。
なら、なぜ「リスナー100人凸待ち」が無事に始め、終えられたのか。

■なぜ「100人凸待ち」が可能だったのか

まず、因幡はねるには実績があったことだ。今回のような凸待ちは今回が初めてではなく、少し前でも4月に凸待ち企画を行っていた。こちらも無事に終えている。

そして、次にこれは因幡はねるのもはや能力と呼ぶべき点である。リスナーをほぼ把握している所だ。日常的に来るリスナーなら、名前だけでなく行動もほぼ把握していると言っていた気がする。

現にこれは配信内でも見て取れることで、リスナーの状況を知っているからこそ、それらの話題を因幡はねる自ら振って語りかけていた。
また、通話用アプリであるDiscordに表示される名前、アイコンから問題ないリスナーを選んでいたようだ。実際、この点も選択時点でリスナーの素性を当てていた。

ただ、これでは一見さんお断りとなるので、不公平感もあるだろう。だが、初見で凸待ちをする、勇気ある者などまずいない。いたとしてもイタズラ目的と考えてもいいだろう。
【2020/10/04追記】因幡はねる様より直接の訂正を頂きました。凸待ちに関しては、知らない人にもバランスを見て選択していたとの事でした。

現にボイスチェンジャーを使用していた人には容赦なく、通話を切っていた。これはリスクを考えれば当然の措置である。

この因幡はねるによるリスナー把握能力はエゴサを超えた、監視社会だから可能なこと。これも本人自ら公言されていることで、Twitter上の“いいね”からも確認が出来る。“いいね”のしすぎで制限がかかるほどに。

それゆえ、凸待ちとはあるが本当のところは素性の分かったリスナーとの楽しいおしゃべり会ではあったともいえる。
これらの点からも、運営も彼女なら「100人凸待ち」は問題無しと判断したのだろう。それゆえ、サポートにも力が入っていた。使い走り、殴られ役を買ってでるほどに…

■因幡はねるとリスナーとの距離感

ただ、こうして書いている私自身、当然把握されている事だろう。

過去のnoteでの記事も恐らく目を通されているのではないかとも思っている。それは私の思い込みではない、リスナー全体での話だからそう思えてしまうのである。

他のVTuberなら、このように一目を置かれるリスナーはそれだけで名誉ある事だが、こと彼女に至っては少し意味が違う話である。

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(画像は私のTwitterの通知より あくまでこれでも一例である)

当然、この記事によってケジメを取らされたとしても悔いはない。

私自身が厄介オタクという意識はあるモノの、こういった近い意識は他のリスナーにもあると思う。監視されているのもあるが、大前提として彼女が嫌がることは、ダメと言うことはしないという不文律が。

「100人凸待ち」が可能としたのは、因幡はねるの実力もあるが、こういったリスナー側の気持ちであったり、連帯感も同様に要因だったと思う。

配信内でもリスナーから無茶ぶりが発生するのではなく、逆に因幡はねるがリスナーに対してセクハラ、パワハラをするほどであった。これもやり過ぎれば問題になりかねない。
しかし、これが彼女のキャラクターと理解しているからこそ、その点を問題視する者はリスナーに限ってはそういないだろう。

そして、一部では接する場面が少ない所を増やして欲しいと苦言して、そのまま一歩引くリスナーもいた。それを因幡はねるはすぐさま反映していった。配信者、リスナー、双方が場を良くしたいという話である。

また、お悩み相談でもリスナー自らのカミングアウトを相談する場面もあった。当人からすれば失礼を承知で書くが、こういった話題も配信上ではリスキーである。
それでも、リスナーの切実な悩みに対しても逃げることなく、真摯で身近になって答えられたのも、また彼女の実力なのである。

だが、それ以上の魅力として、そんな内面をさらけ出せる空気感を作っていた。実際、その時のコメント上のリスナーもそんな彼女に習ったモノでもあった。

他のVTuberがリスナーと話をする企画をしたして、事前に募集をかけて、厳選した上で話す内容もあらかじめ決めて、更に誓約書も書かせないと今の時代、成立しないだろう。

別に良い悪いの話は抜きにしても、コンプライアンスや炎上のリスク等を考えれば、こうなるのもしょうがない話である。

ただ、今回の凸待ちにそんな条件はない。バランスを見ていたにせよだ。
偏に因幡はねる、彼女の実力、彼女が作り上げた絆のお陰である。

リスナーもそんな彼女を理解しているから、丁度良い距離感もあって問題無く配信が終わったのだと思う。

だから、これほどの偉業はギネスに申請しても、いいレベルである。そもそも100人以上の凸待ち希望者を集めること自体、簡単な話ではないし。


一応、補足的に強く言っておくが、この事で他のVTuberに対してマウントを取りたくて書いているわけではない。
この企画が「異例中の異例」と語りたいだけだ。

現実においても握手会で凄惨な事件が起きている。炎上だって何処であっても日常茶飯事だ。
そういった点だけでもリスナーとの身近な場は企業的視点では正解と言いがたい。また、身近になりすぎて癒着といった関係にもなりかねない。

こんな現実の中では、理想とすべき姿は異例、異質となったと語りたいだけである。

■推し続けるリターンを見た瞬間

配信の最後にも語っている事だが、チャンネル登録数20万人に対しての記念であり、当の因幡はねるだけがそのご褒美を貰っても誰も文句は言わない話である。(まあ、実際はそうも言ってはいられないが)

それを因幡はねるはリスナーのためになるモノにしたいと、企画されたのが今回の「リスナー100人凸待ち」であったと言っていた。

また、今回は3D配信で行っている。従来の配信と違ってスタジオのレンタル料、技術的なサポートなどに対して費用が発生している。
ここも冒頭でも少し触れられているように、タダで配信を見られるだけでは大赤字である。

実際、今回の配信でいくらかかったか分からないが、3D配信を行えるスタジオに関しては下記の所だと費用は20万円~とある。
3D配信、3D配信と言われているが決して安くないのだ。

【2020/10/05追記】上記のサイトで先日まで料金プランの紹介があったのですが、サイトが更新されたためか、ページが無くなっておりました。

別のスタジオで、料金が明記されているところがありましたので、そちらを合わせて紹介しておきます。
こちらでは「サポートスタッフ付き 45,000円(税別)/時間」となる為、参考までに8時間とした場合、36万円となります。

この配信のスパチャ総額は幾らかは計算してないので分からない。それに今回のスパチャでペイできたとしても振り込みは先の話。

今までのスパチャ(世界10位)を含めた収益が無ければ、3D配信など到底無理な話である。当然、前段階の3Dモデル作成も同様だ。
今回の配信はそういった点からも、ファンとして推し続けるリターン、還元とも言えるのである。

だから、今回の3D配信が赤字にならないように記念グッズも買おう。
まあ、これは冗談ではある。それに第三者である私が軽々しく言える台詞でもない。

この企画は炎上リスクもさることながら、赤字のリスクも潜んでいた。グッズ販売にしろ同様なリスクがある。
だからこそ、先にも言った通り、この配信は推し続ける事に対してのリスナーへのリターンでもあったのだ。

■20年先の因幡はねる

今回はチャンネル登録数20万人の記念だったが、これでも他の人気が爆発しているVTuberから比べれば、この登録者数は緩やかな増加である。
他と比べてリスナーが少ないからこそ「100人凸待ち」が可能だったという面もある。

それでもスパチャは世界10位である。

しかし、因幡はねる自身、「VTuberを最低20年は続ける」と語っている。
だから、これは20万人といえど、20年というスパーンの中ではまだ一歩が過ぎたところだろう。

それに爆発な人気によって一部のVTuberでは弊害となっている点もある。別に他を貶める発言ではなく、昨今のVTuber関連のニュースというのはネガティブなものが目立っている事を考えて頂けば、ご理解頂ける点だと思っている。

そういった事例の中では下手に急ぐよりも強固な基盤作りが、20年先に大きな差になるとも感じた。

スパチャは世界10位にしても、チャンネル登録数で額を割って考えれば、違った面が見えてくる。ただ、必ずしもスパチャを投げる人はチャンネル登録数をしている人でも無いから、こう考えて尺度とするのは危険ではあるが。

今後、30万、40万、50万とチャンネル登録数が増えていく中で如何なる進化をリスナーとともに見せていくかは、今回の配信以上に楽しみな話である。

■最後に、自身の話でケジメを

何度か補足的に注意書きみたいなモノを書いているが、これも私自身がリスクを想定した対応ではある。本来は載せない方が素直である。そもそも分かっているなら、そんな内容を書くなという話ではある。

それでも、今回の配信を昨今のセンシティブであったり、見ていた視聴者側にも踏み込んでいる所からこのように書いている。
合わせて堅めにも、きっちりと明記しておこう。

当然、文章には注意して書いたつもりではあります。
それでも今回の記事にてご指摘、ご意見等があれば、すぐさま対応をしていきたい思っています。

また前回の記事も配信内に何度も出てきているとは言え、因幡はねるの魂の実母について触れており、内心では因幡はねるというVTuberを語るには行き過ぎた内容だったとも思っていた。

このように私自身も、こういった配慮などを想定して記事を書いている。
始めにも語っているように、私は個人である以上、そのリスクは自身が背負っている。何かあれば、自身がケジメを取らなければならない。

これが私よりも多くの人を集め、連日発信するVTuberであれば、その苦労などは何倍、いや何十倍であっても少ないかも知れない。でも、その上での成果も何十倍と存在するのだろう。

そして、その成果はファンが推し続けた結果であり、その成果がファンに還元された時は推し続けた成果でもあるのだろう。
循環なくして何事も続けるのは辛いことである。ゆえに巡る。

そんな循環をこの配信で見たという話である。


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