見出し画像

DWUの運営がやりたかった事とは ~深層Webは浅瀬の夢を見るのか?

先日のDWUに関する記事が多くの人に見られていて、びっくりした。

そもそも、その後の配信内容(5/30配信 今は非公開)から考えれば、バーチャルYouTuber、DeepWebUndergroundが話題にならないはずがない。

一応、5/23配信の内容で記事を上げた建前、その続きを書かないわけにもいかないと思い、今回の記事となる。
ただ、DWUの運営の真意を聞き出したわけでも、その正体を判明した訳でもない。あくまで私の考えを形にするだけ。

それでもあの配信内容を冷静に見ていくと彼らがやりたかったこと、方向性が見えてきた。そして、自分が推論した結果と今のV界隈の問題点と照らし合わせていくと、自分に納得できる考えとなったので、それを文字に起こしていこうと思う。
ただ、この件を調べるに当たって、自分と似た考えを持つ人もいるため、それらの内容が似た部分が出てくるかもしれない。その点はご容赦いただきたい。

■運営は本当にサイコパスなのか?

DWUの5/23配信、5/30配信配信を見ていた、ほとんどの人がこの運営は頭がおかしいと感じていただろう。実際、自分も同じである。

ただ、ここで安易に頭がおかしい、サイコパスなどと決めつけてはいけない。それは差別、ヘイストスピーチにあたる側面もあるモノの、この程度でサイコパスと決めつけてしまうと業界全体でサイコパスで運営されている事実となりかねないというか、認めないといけなくなる。

弊社所属タレント「夜空メル」の発表と弊社の今後の対応につきまして

これはVTuber業界で起きた事件だが、身近な人物しか知らない情報を元に脅迫まがいをされていたVTuberの顛末ではある。そして、犯人は状況証拠からも身近な人物と分かっているのに会社から長々と放置までされ、VTuber本人が自ら動いてようやく解決に到った話である。

DWUの運営が仮にサイコパスとすれば、この脅迫まがいをした人間は当然単なる犯罪者であり、その事実をある種、黙認していた企業はサイコパスと認めないといけない。
そもそも黙認ついでいえば、こちらもある。

弊社における無許諾配信の不手際のお詫びと今後の対応につきまして

こちらは『黙認ベース』というパワーワードで話題になった話。
社会人として裏で話した話を表に出さない上で行うにはまだ分かるが、公の場で発言して、各方面から同意を求めるようなことは異常と言わないまでも、ただおかしい。ネットだから多少の無許可も仕方がないよねと、個人が発言するのではなく、権利を色々と主張する側が語っているのだから。

だからこそ、DWUの運営を安易なサイコパス認定して考えてしまうと業界のサイコパスぶりがより際立ち、全体に波及しかねない。むしろ、既に起きている事件から考えてもDWUの運営はまだマシなレベルに見える。だからといって、あの配信での異質さを否定できるモノではないが。

また、この運営自体も犯罪まがいな行動が蔓延する業界に対して思っていた事があるのは、あの配信内でも見て取れる。
ひとまず、これに関しては後で語るが、運営の言論や奇怪な行動もどうであれ、突発的な行動ではなく仕込んでいたのも明白。
突如、謎の文書画像を出したり、暗転からの突然の行動も唐突には出来ない。配信という動画演出的にも台本は少なくともあったのは間違いない。

また、感情的になって話すDWUに対して、のらりくらりと、または淡々と話を進めることは普通の人間でもなかなか出来ない。
感情的になっている相手にはなだめるか、より感情的になって相手を萎縮させるなどしないと収拾は付かないだろう。そんな場面で淡々と勧めるには客観的な立場でないと難しい。そこからも理性的であったと考える事もできる。

確かに運営をサイコパスと決めつければ、あの配信内容は容易に納得できる。それで結論を出すことはダメではない。あの内容ではそう結論付けた方が精神的にも楽である。

ただ、頭がおかしいと決めつけても自分には腑に落ちない点もあった。だから、そこを考えながら運営の真意とは何か考えてみた。

■健全な業界とは? ~内部文書の謎 

そもそも、DWUは「漫画村燃やします」という台詞から始まったVTube。
その後もDeepWeb、深層Webに関わるゲストを呼んでの配信を行っていった。この点は運営が目指した点であるのは間違いないだろう。

また、配信でも少し触れられている、エロゲーを語る配信でも運営にとって青春であった事が語られている。

そして、DWUの妹である、VTuberなまほしちゃんもネタの方針は生活保護や貧困などと深層Webに部類する。ただ、この運営がどの程度関わっているかはよく分からないのだが。

ともあれ、運営はこれらから世代的にも古き良きインターネットのアングラの住人であると感じられる。またDWUで扱ったネタからも再び、深層Webをムーブメントとしたかっただと思う。
それはあの配信の会話を見ていても感じることが出来る。

実際、分かりやすい場面は別会社の内部文書の提示である。
これに関しては突然の事で配信内でみんな呆気にとられていただろう。

ただ、これは運営は狙って行ったのは確かである。何しろ、思いつきで用意もしてない画像をすぐさま切り替えることなど出来もしないから。
それに前後の会話からは矛盾しない行動である。やぶれかぶれの行動ではない。

ただ、余所の内部文書を出すというのは褒められたモノではない。
しかし、DWUというコンテンツが元々は「漫画村燃やします」といって出てきたVTuberだ。その点から考えれば、この運営は最後までぶれてはいなかった。

つまり、VTuber界隈に対して燃やしたのだ。

実際、その後の会話でもVTuber業界に対する皮肉を語っている。
先にも語った通り、健全なVTuber業界が金儲けのために犯罪まがいすら黙認してVTuberの中の人をすりつぶすして、視聴者からも金を搾り取ることが正しいのかといった意図を運営は演者であるDWUに対して問いただしていた。

それから比べれば、自分達の方がただ楽しい事をしているだけの無害な存在と発言していても、それは開き直りではなく正常な考えと見る事はできる。

ただ、あの内部文書の入手経路やそもそも本物なのかは気になる所。
しかし、真相も入手経路は分からないが、ここも推測というよりも敢えて視聴者に対しても疑心暗鬼にさせる意味では嘘でも本当でも良かった。

実際、文書自体の真相よりも内容に関してはすでに別件からも企業側も声明を出している。

所属ライバー及び当社事業へ言及した動画について

だから、VTuber業界をよく知る視聴者にはこの内部文書は衝撃であり、また事を知らない視聴者であってもググれば、この文書内容が全くのデタラメではないことは分かる構図をしている。
そして、このことによって視聴者に健全なVTuber業界を考えさせる切っ掛けにもなるのではないだろうか。

そこまで運営が計算していたかは分からないが、「VTuber界隈を燃やす」という意図をしていたのであれば、こう考えるのは無理がない話である。
そもそも、今まで社会のタブーに触れてきた運営にとって、自分の業界自体がタブーに染まっていく様子をネタと考えないはずはない。

今のVTuber界隈のいびつさに示した内部文書の提示は、この業界に対して問題提起したと考えると運営を評価できる面がある。
仮に痛い所突かれて飛び火先が黙り込んでいるとしたら、この行動は痛快だろう。実際に今日に到るまで、この配信に対しての声明はない。

ただ、あの配信での言動を含めて、趣旨がどうであれ褒められたモノではない。

しかし、自分自身もあの配信以降でVTuber界隈のいびつさを改めて考える切っ掛けにはなった。だったら、この運営の思惑に嵌まった事になるのかもしれない。

ただ、自分に取ってはそれも良しだが、何の汚れを知らずVTuber界隈を見ている側からすると刺激の強い話ではあっただろう。
しかし、深層Webを掲げているVTuberを覗きに来ている人間にとって、そこは気にならない話ではあるだろう。ただ、別会社の件で飛び火して、多くの切り抜きが拡散されたことを考えると、やはり汚れを知らず子供達に有害なコンテンツとは言えるかもしれない。

【あの内部文書に関しては、私の推論だが本物と考えている。
理由は簡単である。あそこまでの長文の内容を最もらしく作ることは本物以上に手間がかかること。労力を考えても本物を引用するのが手っ取り早い。
そして、今まで活動や公開した理由が「VTuber界隈を燃やす」なら、偽物では意味がない。また、深層Webの住人をゲストで呼ぶだけのコネクションもあるのだから、この程度の内部文書の入手も難しい話ではないだろう。当然、私の推論ではあるが。】

■遊びでやるという事、お金を稼ぐという事

あの配信でも実質、演者と運営の方向性に対する口論である。キャラクターとして売るVTuberでは御法度な構図である。
ただ、こういった演者と運営の軋轢、騒動は裏ではよくあることなのだが…
それでも視聴者には見えてない裏話でしかない。

そう考えると、あの配信自体が「漫画村燃やします」で始まったDWUがそこにいた。本来、こういった企業方針の口論など見せてはいけないアンダーグラウンドな話だ。

だから、あの配信を冷静に見るとそもそもVTuberというコンテンツは何処にもなかったが、DWUというコンテンツでは大正解だ。

さて、5/30配信内容を一語一語、分析してもキリがないし、今は非公開となっているため、その内容を簡単にまとめて言えば、DWUの演者は仕事、お金を貰う以上は真摯になるべきとの考えだが、DWUの運営は遊びで活動しているのだから、お金を含めた、煩わしい責任など無視したいといった趣旨の平行線だった。
こう見ると明らかにDWUの演者が正しいのだが、ただ少し考え方を変えてみると違ってくる。

「鳥人間コンテスト」という番組では真剣に飛距離を競う番組として定着しているが、初期の段階や世界的にも仮装大賞的なただ仮装して飛び降りる様を演じ、見る娯楽であった。

もし、今の「鳥人間コンテスト」、真剣に距離を競う中でそんなノリで参加すれば、馬鹿にしているだけと疎まれるだろう。また、某映画のように「大人になれ」といって説教をする人もいるだろう。
ただ、そんな馬鹿げた事に命を賭けている人は少なくない。大人になってゲームをすること自体、今では当たり前だ。

そう、本来は楽しませるコンテンツであったモノがいつの間にか儲けの道具、優位性、数だけを競ったりと形を変えていくことはある。今の「鳥人間コンテスト」にしても娯楽性もあるが、感動も描かれている。ただ、馬鹿な姿を楽しむ娯楽性はもう無いが…
その中で初心を貫き、馬鹿げた事を突き抜くこともまた正しい姿である。

また、今のVTuber界隈は不健全と考えている人間達がいくら金のためとはいえ、そこへ行くことも大きな抵抗はあるだろう。

つまり、ただ金のためにやりたくもない仕事をすることは正しいと言えるのだろうか。それも犯罪まがいであれば尚更、反論はするだろう。

こうなってしまうと話は、正しい者同士でお互い趣旨を譲らないので結論など出ず平行線でしかない。

だからこそ、あの配信を見ているとお金の臭いに釣られた企業案件に対して、真摯に接することは正しいことなのか。それに対して面倒、むしろ、厄介事と思う気持ちは分かる。
ただ、素直に提供されたVTuberを見ている視聴者には異常な光景ではあるが。

しかし、運営も演者に対してそういった意図を正確に伝えていれば、演者もお金を貰ってやっている以上、理解してくれたとは思う。
ただ、明らかにそこは怠っているのはあの配信を見ていれば明白だ。そこだけ怒られて然るべきなのだが。

それに運営としてはそもそもVTuberで儲けるつもりはなかったのだろう。仕事、生活のためにお金を稼ぐこと前提でVTuber運営をしていないことは更新ペースからも明らかである。
だからこそ、ある程度人気が出て他のVTuberと同じ路線に行く事もなく、運営を方針を変える必要もなかったのだろう。
それに扱うネタからも一発屋で終える気であったのかもしれない。

そこに相手からお金をチラつかせていても、なびいてこなかったことはある種、運営の矜持だったのかもしれない。そして、そんな資本主義の犬同様な他のVTuber達を見ていて、DWUの運営に呆れたというか飽きたのかもしれない。
だが、VTuberを演じていたDWUの演者はそんな華やかな光景に今のムーブメントに乗りたい考えていたのはあの配信では容易に分かる。
完全に活動する中でお互いはVTuberへの方向性がズレていった。

実際、アングラ、深層Webに関して取り扱うVTuberは今、多く出てきている。
893の世界、塀の中を経験したリアルな裏世界を語っている懲役太郎などはその経験もさることながら、今勢いのある桐生ココの初コラボ相手を務めたりと、人気、マイナー問わず他のVTuberとも普通にコラボして勢いのあるVTuberの一人でもある。
また最近では金美館通りの藤村さんは特殊なお風呂屋さんの経歴を語るだけでなく、積極的にVTuberとVRとの融合を示した点も評価されている。
初めはDWUだけが持っていた深層Webにプラスして、VTuber業界としても一目を置かれる存在が出てきた今ではDWUの意味合いは薄くなっている。

ある種、DWUが投じた意思を継いでくれた人がいると分かれば、遊びでやっていた運営にとっては自らが真面目にやる必要もない。

そんな中であの配信はタブーである公開口論をまじまじと見せられた。最後までDWUらしさを演出していた。

それに5/30配信内の最後の拍手にしてもあれは、エヴァンゲリオンの真似、パクリなのは多分間違いないだろう。あの演出だって、思いつきでは出来ない。もしかすると、最終回はこう締めよう始めから決まっていたのかもしれない。

■浅瀬と化したDWUの価値は?

運営と決別したDWUにとって、「漫画村燃やします」といって出てきた姿はもういないのは間違いないだろう。
DWUが新たな活動をしても、今までも揶揄された“浅瀬”になってしまうだろう。
ディープが好きであのコンテンツを見ていた人には価値は無いし、逆に他のVTuberと同じで中の人が強い個性に惹かれた人にはこれで良かった。
ただ、それが良かったのか悪かったのかはまだ判断する段階ではない。

そういった意味ではDWUの真の意味で新たな魂となった彼女の動向は今まで以上に困難な道となるのは間違いない。
実際、運営から離れて中の人だけでやっている配信は文字通り新人バーチャルYouTuberそのもの。まっさらな状態である。

ただ、そのことはDWUの中の人も思っているのか。実際、運営がしていた部分を捨てきれずにいる節も感じることが出来る。

今のVTuber業界は実力だけでなく、生まれ持ったセンスもないと生き残りは難しい。チャンネル登録者数1万人程度を維持するだけならまだ何とかなるかもしれない。
ただ、DWUはすでにチャンネル登録者数10万人を抱えている中では、ただ悲劇のヒロインだけでやっていくには難しい。中の人だけでやっていくと宣言した以上は今まで以上のモノを見せないといけない。今、明確な武器はチャンネル登録者数だけ。
しかし、その数もVTuber群雄割拠の中では10万人程度では珍しい話ではなく、生き抜くのは難しい話だろう。

DWUが他のVTuberの例に及ばず消えていくのは高いだろう。それは元の運営とて予測できる事態であろう。そして、今後その様子を見てどう思うだろうか。
それもまたトゥルーマン・ショー的な展開と思っているのかもしれない。

■あの配信での一番の謎?

ただ、内部文書で飛び火した企業がいまだ声明がないのが今一番の謎である。そもそも、この件がなければ、ここまで話題になることはなかっただろう。

炎上商法にしては画期的だが、他社を陥れての炎上だ。相手先から反応がないのはどう考えても腑に落ちない。

自分としてはDWUの運営はVTuberで生計を立ててない点からも大きな母体のコンテンツ事業部か、子会社ではないかと思ってみた。そうすれば、相手が黙り込んでいる理由には十分である。
また、DWUは月ノ美兎とコラボをしており、会社間でも繋がりはあるため、いわば顔がばれているのに、こんな行動をとるのはリスクは大きすぎる。
確かにバカッターのノリでやっていれば、そのリスクを考えてない場合もあるだろう。しかし、この運営は業界のいびつさで演者に諭す程度には思考が回っている。他の点でもリスクは見えている気がする。
だからこそ、こちらが上手だからリスクにならないと予想できたと考えても、納得できる説である。

ただ、既に痛い所を触れられた後で、さらに触れられても大ごとにしたくないだけとも見る事ができる。

ともあれ、この件の一番の謎であり、大ごとになった部分だが、真相から一番遠いため理解に苦しむ部分である。

追記(2020/11/14)
金魚坂めいろ引退騒動でのリークとDWU騒動での内部文書公開は似ていないかと思い、別の記事で考えをまとめてみました。ご興味があれば、こちらもどうぞ。

また、この記事後に演者視点の疑問点をまとめたモノになります。宜しければ、こちらの記事もどうぞ。


読んで頂き、もし気に入って、サポートを頂ければ大変励みになります。 サポートして頂けると、晩ご飯に一品増えます。そして、私の血と肉となって記事に反映される。結果、新たなサポートを得る。そんな還元を目指しております。