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ツカモト シュンのサブカル一人語り

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ツカモト シュンが勝手気ままに一人で語るコラム、雑記。 基本一つの作品をテキストにして、サブカルチャーに関して語っていくスタイル。
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#ラノベ

「アーリャさん仕事のできない雪ノ下雪乃」との批判は、ラノベ読者からも劣化ラノベと認識されたか?

ロシデレを散々語ってきた身としては、アニメ版をどう語るべきかと考えていた。ただ、アニメになったことで多くの人間に作品を認知してもらう機会が多くなった一方で、一般層とのズレが目立っていた。 これは特にライトノベルではありがちな問題ではある。 ただ、『時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん』に関してはさらに違った。この点というのは、自分が今まで仮説として考えてきた部分の答えになるような話であった。このような考え方は、さすがに盲点であった。 今回はこの盲点と言える、ライ

『くまクマ熊ベアー』TVアニメ2期で見えてきたモノ ~部数アップが切っ掛け?

■目に見えた、アニメ化効果 『くまクマ熊ベアー』という作品がTVアニメ2期の放送日が決定されたようで、少しびっくりとした。 この作品のアニメは原作から改変した1話を放送したことから、悪い意味で話題となっていた。まあ、自分はその話題だけを聞いていただけで、見てはいなかったが。 ともあれ、そんな悪評だけが先行してしまった作品のアニメが2期を作られる要因とは何かは思っていたが、その答えは先の記事、出版社が冒頭から出してきた情報にある。 そして、振り返ってアニメ1期の際での記

矛盾するライトノベル商業構図2 ~漫画好きに編集されたコミカライズ

今回は視聴傾向を探るために過去の記事を元にしています。また先日、語った「矛盾するライトノベル商業構図」ともリンクしていく部分ではありますので、そこへの補足も入れています。 さて、少し前にTwitterでとあるコミカライズ作品の画像が流れてきた。 これを見た時、なろう系追放もここまで来たかと思った。追放理由がコントのノリから始まるのだから。 馬鹿にされがちななろう系ではあるが、書いている方は必死で真剣であり真面目な作品へとしようとしている。だが、これほど冒頭でこんな頭が悪

【漫画レビュー】追放されたチート付与魔術師は気ままなセカンドライフを謳歌する。 ~漫画好きに認められた漫画作品(コミカライズ)

以前、Twitterでとあるコミカライズ作品の画像が流れてきた。 これを見た時、なろう系追放もここまで来たかと思った。追放理由がコントのノリから始まるのだから。 馬鹿にされがちななろう系ではあるが、書いている方は必死であり、真剣である。そして、真面目な作品へとしようとしている。だが、これほど冒頭でこれほど頭が悪く、かつ、面白い流れのなろう系追放を描いた作品に、私は俄然興味が湧いてきた。 そして、この1ページだけでなく、1話を、そして、コミックを買って1巻も読んだ。 た

矛盾するライトノベル商業構図 ~ラノベ10冊分のワンパッケージ作品の台頭

2022年春アニメである『乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です』を見ていて、自分としては面白くないながらも考えさせられる点が多かった。 正直、この作品で何が面白く、何がダメかと考えていると、別の点で大きな問題を抱えているのが見えてくる。それだけに自分は本当の意味で楽しんで見ていた作品と言えるかは疑問ではあった。 その点はひとまず置いておくにせよ、この作品で見えてきた問題とは商業展開で求めるモノが売り手、買い手でズレて認識しているのではないか?である。 そもそも、転生モノの

作品に関わるクリエイター同士が皆win-winとなるには

つい先日もラノベとイラストレーターの件で話題になっていた。まあ、話題といってもラノベ読者間といった限定的なコミニティでの話といった所だっただろう。しかし、その後には編集者のアカウントも参戦するほどに少し大事にはなっていた。 この内容を追ってはいなかったが、過去に私が何度が述べていたこと様であった。それはラノベ作家とイラストレーターとの知名度の格差といったモノである。 これに関しては上記の記事だけでなく、私は何度と語ってきていたことだ。しかし、改めて考えてみると、これは作品

異世界シンドローム ~洗礼なき祝福

今、異世界転生に限らず、異世界モノがブームである。ただ、このブームは本質を理解されぬまま、商業展開し続けている印象がある。 先のTweetの様に編集が漫画原作者に聞き出している。要は編集というプロであっても、自分で見つけられていないと語っているのだ。それが数年前の現状、今はどうなっているか、ハッキリとは分からない。 だが、現在発刊されている異世界モノを読む限りは分かっているのと、分かっていないのが、両立して世に出ている印象がある。中には編集の手が関わっていないことが読み取

ラノベの公募で受賞したら、アイドル(Vtuber)のプロデュースを任されれてしまった件。

自分のTwitterに置いては、情報の収集という側面もあり色んな作品の紹介、宣伝がタイムライン時用に入ってくる。そんな中、目に触れたのが『海鳥東月の『でたらめ』な事情』(著者:両生類かえる イラスト:甘城なつき)である。 表紙に描かれているキャラクターは何処かで見た感じだが、ライトノベルであればイラストレーターが同じ事はよくあるので、まずは気にする必要性はない。 ただ、そんなラノベの表紙というと割と定型的なフォーマットで描かれていることが多いが、この作品は表紙から外してき

ライトノベルとSNS格差 ~コンテンツの上位か下位か

■一個人の感想と同じ編集者のビジネスつい先日、とある個人のTweetがラノベ界隈にわりと大きな反響を与えていた。 確かにラノベを下にした言い方ではあるが、続く根拠は現状と照らし合わせれば賛成も反対も両極端に分かれる内容である。 だが、その少し前にはラノベの編集者として名が知れている人がこのような投稿をしている。 一個人が語る「ライトノベルはコミックの劣化コンテンツ」と有名編集者の語る「ラノベ(ライト文芸)作家がウェブトゥーン原作者になって確実に勝つ方法」はタイトルだけ見て

なろう系は基本無料のコンテンツ? 無料層と購入層のずれ

■なろう系は基本無料のコンテンツ?小説投稿サイトから商業化した作家のTwitterでの発言は、自分に取って賛同しかねる部分が多々あった。ただ、その多くが商業デビュー前のweb上での身内ノリであれば、理解は出来る。 それでも商業化、お金を払って作品を買って貰っているのに、それを無視したような言動も多く、この思いは私だけでなく、一部では炎上に至るケースも度々起きていた。 ただ、この点を冷静に考えると、なろう系作品というのはその原作、更にはコミカライズ、そして、アニメを含め基本無

ナーロッパの議論はSNSの数字? ~育てるべきは作者か、読者か

ここ最近、なろう系ヨーロッパ感、ナーロッパに対しての議論がまたTwitter上のTLで見受けられるようになった。これに対して自分もまとめて、何か語ろうかと思っていた。 しかし、その考えをまとめていく中でこの議論の根底は、中身よりも結局はSNSの数字に惑わされた口論ではないかと思えてきた。 そう考えていくと、なろう系に関係する議論というか話題は結局の所、数字でしかない。そして、それは作者側だけでなく、受け手である読者もそこに惑わされている。 だから、今回の議論にしても、数が

『このライトノベルがすごい!2022』がヤバイ!! ~偽マフティー、Vtuber湊あくあに投票できる本年

今年のインターネットミームに置いて、偽マフティーは外せないだろう。 劇場アニメ『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』が公開というか、冒頭の15分53秒が無料で公開されたこともあり、一躍有名になって、ネタにされて拡散された。 また、偽マフティーと同様にマフティー構文と呼ばれるインターネットミームも存在する。この双方の関係性は同じ作品がネタでありながら、発生元が大きく違っているので、源流を見るとややこしい部分がある。 どちらにしろ、マフティー構文、偽マフティーはインターネット

『時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん』が売れている理由を考察してみた

『時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん』(著者:燦々SUN  イラスト:ももこ)が今、売れている。 タイトルが長いため、公式のハッシュタグにも使われている「ろしでれ」で以下書いていきます。 また、あらすじに関しても、タイトルが全てを物語っているので、説明は一旦省いておいておきます。 さて、ここまで売れているというコトで読んでみて、その面白さを探ろうとしたが、読んでみて思ったのは普通のラブコメといった感じ。これだけでも売れる要素は分かるが、強みがない気がした。 しか

『探偵はもう、死んでいる。』EDテーマを唄うカグラナナの違和感と起用の理由とは

さて、私の記事でも何度か題材、ネタにしている『探偵はもう、死んでいる。』ではあるが、そのEDテーマがVTuber(作品アカウトでの紹介はVアーティスト)カグラナナ氏が担当される事に、私はびっくりした。 ただ、私がこの事実にびっくりしているのはVTuberがアニメで起用された点ではない。作品アカウトでの紹介でも、ななかぐらとしてイラストレーターをされていることが明記されている、この点である。 ななかぐら名義でもライトノベルの挿絵を描かれている。そんな同業者である氏に別のライ