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ツカモト シュンのサブカル一人語り

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ツカモト シュンが勝手気ままに一人で語るコラム、雑記。 基本一つの作品をテキストにして、サブカルチャーに関して語っていくスタイル。
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#漫画

矛盾するライトノベル商業構図2 ~漫画好きに編集されたコミカライズ

今回は視聴傾向を探るために過去の記事を元にしています。また先日、語った「矛盾するライトノベル商業構図」ともリンクしていく部分ではありますので、そこへの補足も入れています。 さて、少し前にTwitterでとあるコミカライズ作品の画像が流れてきた。 これを見た時、なろう系追放もここまで来たかと思った。追放理由がコントのノリから始まるのだから。 馬鹿にされがちななろう系ではあるが、書いている方は必死で真剣であり真面目な作品へとしようとしている。だが、これほど冒頭でこんな頭が悪

【漫画レビュー】追放されたチート付与魔術師は気ままなセカンドライフを謳歌する。 ~漫画好きに認められた漫画作品(コミカライズ)

以前、Twitterでとあるコミカライズ作品の画像が流れてきた。 これを見た時、なろう系追放もここまで来たかと思った。追放理由がコントのノリから始まるのだから。 馬鹿にされがちななろう系ではあるが、書いている方は必死であり、真剣である。そして、真面目な作品へとしようとしている。だが、これほど冒頭でこれほど頭が悪く、かつ、面白い流れのなろう系追放を描いた作品に、私は俄然興味が湧いてきた。 そして、この1ページだけでなく、1話を、そして、コミックを買って1巻も読んだ。 た

【漫画レビュー】俺だけ選び放題、S級レアアイテムも壊れスキルも覚醒した【シュレディンガーの猫】で思うがまま! ~『王ドロボウJING』の技法で描くコミカライズ

以前より、なろう系コミカライズのレビューをしたいと思っていた。一応は前からそういった作品は扱っているのだが、他の人がしているレビューと違い自分の場合は解説という側面がどうしても大きい気がしていた。 自分も動画などでなろう系コミカライズのレビューを見ていると、共感できる面、共感できない面もある。それ以上に上手いレビューをしている人には対抗心が湧いてきていた。 それだけにこっちもやってみたいというのが、一番の理由であった。 しかし、有名所のなろう系コミカライズは大半はし尽く

【漫画レビュー】紙山さんの紙袋の中には ~原作を食ったコミカライズ

『紙山さんの紙袋の中には』(漫画:江戸屋ぽち 原作:江ノ島アビス )のコミカライズが自分の好みが色々と入っていたので買って読んでみました。 冒頭から好み自体は満たしてくれたけど、読んでいる内に何かモヤモヤとした感情が湧き上がって、1巻後半は楽しく読めなかった。 ひとまず、作品の内容、あらすじに関しては、間違いがあっても仕方が無いので漫画が連載しているページから引用させてもらいます。 また、この作品は同タイトルのライトノベルが原作となっています。 高校生・小湊波人は、入学初

『ケモ夫人』、その人気の源流とは

『ケモ夫人』登場からの謎の人気はある意味、沈静化することなく今も作品の人気は伸び続けている。 『ケモ夫人』が開始早々からバズった理由は分からない。確かにケモノを擬人化させたジャンル、ケモナーは強い。それでもケモナー自体が多くの派閥を持つだけに、ケモナー好きであってもすべてを満足させるのは難しい。また、安易に取り入れると派閥争いになってしまう。 その上、続く漫画の展開もナンセンスとでもいう感じ。このセンスまでも広く受け入れられるのは難しいのではないかと感じていた。 でも、そ

なろう系は基本無料のコンテンツ? 無料層と購入層のずれ

■なろう系は基本無料のコンテンツ?小説投稿サイトから商業化した作家のTwitterでの発言は、自分に取って賛同しかねる部分が多々あった。ただ、その多くが商業デビュー前のweb上での身内ノリであれば、理解は出来る。 それでも商業化、お金を払って作品を買って貰っているのに、それを無視したような言動も多く、この思いは私だけでなく、一部では炎上に至るケースも度々起きていた。 ただ、この点を冷静に考えると、なろう系作品というのはその原作、更にはコミカライズ、そして、アニメを含め基本無

『ゾンビのあふれた世界で俺だけが襲われない』から見えてくるモノ ~出版社がリンクしない作品

「抱かせろ」 昨今であれば、このワードだけで何の作品か分かってしまうほどの言葉である。日常では使う機会というのはイレギュラーな場面ではあるが、エロい作品では割とありふれた言葉である。それなのに、今この言葉を聞いて思い付くのは、確実にあのコマ割りである。 ただ、それは来年といわず、数ヶ月後には薄れていくのも必然であろう。だからこそ、未来のためにもソースは残す必要があるかもしれない。 (TwitterでのPRが無くなったので、画像を引用) インターネットミーム化しているこの

「搾精病棟」の面白さ、売れる理由とは

皆さんは「搾精病棟」という、成人向けCG集をご存じだろうか? 少し前に「成人向け」だけど違う方面でも色々と話題になっていた。また最近では作者が原作をしている作品がWeb上ではあるが連載になって、新作がアップされる度になぜか、別の作品名でトレンド入りするなど、一般の方でも耳にしているかも知れない。 また、本来の「成人向け」の方面でも(エロ)アニメ、(アダルト)ゲーム化、(AV)実写化などと多方面にメディア展開をしている。 それほどまでに「成人向け」でありながら、ビックコンテ

漫画家不在の時代に出てきた、正真正銘の漫画「シシファック」

■第1回トーチ漫画賞「山田参助賞」受賞作品 「シシファック」。 この評価に関しては、審査員がほとんど語っているので、そちらを参考して頂くのが一番である。 ただ、自分もこの作品を読んで語りたいので、こうして書き出している。 この作品に関してまず語らなければいけないのは、つまらないがその点がほぼ気にならない点だ。 これは馬鹿にしているわけではない。 どんな作品でも、作り物である以上、何かしらのアラがある。そこを見てしまうとしらけてしまう。ただ、初めて読む分にはこういった部分は