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【真】黒服物語〜金と女と欲望の世界〜17

壮絶な1日が終わり家に帰り昼の仕事までの1時間半だけ眠りにつく勘太郎。

いつもなら家に着きシャワーを浴び髪など乾かさずにそのまま自慢のベットに飛び込みそのまま意識を失うのだが今日だけは少し違った気がする。

今日起きた事は現実であり空想ではない事に何故か胸がドキドキしている

家に帰りすぐにシャワーを浴びる勘太郎。

お気に入りのシャンプーとこだわりのないボディウォッシュで前身を洗う。
新品のシャワーヘッドから出るシャワーの水圧は強すぎるくらいが丁度いい。

シャワーを浴び終わり冷蔵庫を開けキンキンに冷えている350mlの缶ビールを手にし一気に裸のまま喉を通らせていく。

数秒で飲み干した缶ビールを少し眺めいつものように潰しゴミ箱へ捨てる。


その後は歯を磨く事を忘れすぐにベットに潜り込み全身の力が抜けていく

今日あった出来事が眠りかけの脳みそを駆け巡る

前もこんな事があったようななかったような不思議な感覚になりながら意識が少しずつ遠のいていく

あぁ、このまま数秒経てば今日が終わり明日になる

もしこれが夢ならきっとこの後に目覚めて本当の現実世界に導かれるのか、、

でもそんなことはない、今は現実であり夢でもなんでもない今から眠りにつくのだから

そして今からもし見るとしたらそれがどんな事があろうとも起き上がるまでは夢であることも間違いない。


自分自身何を考えているんだろうと鼻で笑ったとこで目の前がゆっくりと暗くなっていく

今までの日常と今までにない非日常が交差する日々が続いている

夜とは恐ろしい

太陽がどれだけ素晴らしいものなのかはこの時に少しだけわかった気がした。
今までの僕にとって太陽とは遠すぎるけど近すぎる存在であり、ありがたみなどは微塵も感じていない。
遠すぎる物とは漠然としたビジョンでしか見れず何事においてもこの事が当てはまるのではないか。

そんな事を思っているのか思っていないのか

気がつくといつものように眠りについた勘太郎であった。












ジリリリリリリ、、ジリリリリリリ、、ジリリリ









僕「やらかした!!!!寝坊だーーーーーーーーーー!!!!!」

どんな日々を過ごそうともこのアホさはすぐに変わるものではないみたいだ、、、、。







僕「やらかしたぁーーーーーーーーーー!!!!!!!先輩に怒られるーーー!!!」

すぐにどのように何があって何故そうなったのかの言い訳を探す勘太郎。

時はすでに遅し、昼の仕事につき2ヶ月目で4回の遅刻。

こんな自分死んだほうがマシだとその時だけは思う様にしてる。


先輩からの5件の不在着信は気づきながらも折り返す勇気はなくとにかく急いで職場へ向かうのであった。

僕「大変申し訳ございませんでした!!!!!」

先輩「馬鹿野郎!!!現場押してんだぞこらおい!!社会人なめてると後から後悔することなるぞ勘太郎!!!」

僕「本当すいません、このポンコツの僕に値段をつけれるなら今すぐにオークションかけてきます。先輩僕はいくらですか!!」

先輩「1円にもならんゴミ屑の事誰が買うんだよアホ!!!!」

僕「海外の貴族の椅子にでもなります!!ひたすら僕の上に座ってください先輩!!!」

先輩「もう呆れるよお前のお調子者ぶりには、、、。ほら、早く用意して仕事すんぞアホ!!」


勘太郎のお調子者作戦は大成功だ。


その日1日の半分の仕事を終え休憩してる勘太郎と先輩。

僕「あーーーーーかったりいよ、かったるすぎるまじでやってられん眠すぎ」

先輩「お前最近それしか言ってなくない?だるいとか眠いとかやってられないとかうるさ過ぎな?」

僕「だって〜実際そうなんですもん、、。昼も夜も働いて僕は眠いんです特にこの時間が〜。」

先輩「馬鹿野郎、昼も夜も働いてんのはおめぇだろうがなに自分だけ頑張ってますよアピールしてんだよ!」

僕「アピールも何も実際そうなんすもん先輩〜、先輩だけなんですからこれわかってくれるの〜愚痴の一つでも聞いてくださいよぉ」

先輩「なんだ、早速夜の仕事の愚痴か?この私がなんでも聞いてあげよう!!」

僕「や。昼の仕事の愚痴です。そして目の前にいるあなたに対しての愚痴ですよ??」

先輩「はい、ぶっ殺す。冗談通じないってわかりながらその言葉吐ける口にだけは尊敬の気持ちを少しだけ持ってやろう。勘太郎ぶっ殺す!!!!!」

僕「冗談冗談!!!やめて!こっちこないで〜!!!」

そんな平凡なやりとりに勘太郎は少しだけ居心地の良さを感じている傍ら一生こんな人生過ごしていいのかに疑問を感じ始める勘太郎。

人の温もりと優しさを持ち合わせている筋骨隆々で強面の先輩と話している時はクソみたいな仕事の嫌さが少しだけ緩和される時間でもあった。


そんな先輩との別れが少しずつ近づいているのに勘太郎自身は少しずつ感じ始めるのであった。



、、、、次回に続く。

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