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クラブの中のわたし、第2フェーズ

きのう2020 Jリーグシャレン!アウォーズで「メディア賞」を頂いた。受賞した「しばふる」にご協力・ご賛同いただいたみなさんはもちろん、これまでクラブに関わってくださったみなさんの地域への想いがなんだか証明された気がして少しホッとしている。ガイナーレ鳥取になる以前からこれまでのホームタウン活動やクラブの哲学がそこにギュッと詰まっているから。

「しばふる」とは社会課題である遊休農地で芝生をつくるガイナーレ鳥取のプロジェクト。

事業投資の必要性と現実

2017年にはじまった「しばふる」は、この2年間で生産面積が前年比600%、販売面積は前年比400%と拡大したがクラブの収益割合からすればまだまだ。生産現場では試行錯誤やパートナーの協力もあってノウハウも積みあがってきている。そして販売に関してもクラブのつながりをベースに、認知が広がり引き合いも増えてきている。ただクラブ収益へのインパクトを考えれば、販売・マーケティングの強化=投資が必要な状況だと思っていた。

ただサッカークラブの商品はチーム(選手)であり、優先順位は事業規模によって投資できる金額には天井が存在するのが現実だ。そんな中でいま自分がするべきことは何か。それを考えたのが2019年の夏だった。伸びる可能性のある事業が目の前にある、しかしこのままでは十分な投資ができないかもしれないという現実。

どんな事業でも立上げや拡大期には投資は必要になってくる。ITベンチャー時代に経験した新規事業の立ち上げやM&Aを通して苦い思い出と共に脳裏に刻み込まれている。(何に投資をするかの意思決定は言うまでもなく大事)

捕捉になるが、いまのクラブ収益の柱であるスポンサー収入・入場料収入・グッズ収入それらを積み上げていくというミッションはもちろん持っているし、チーム強化につなげていくという基本的な方向性はブレることはない。しかし、個人的に感じているのはマーケット規模や人口という収入に関わるKPIが、下げトレンドに入っている地域で収益ポートフォリオを変えずに今の5倍、10倍を目指すことは現実的ではないということを感じている。

事業は投資のタイミングと量

これまで数百のM&A案件を見てきた。持ち込まれる案件の大半は世の中的にトレンド領域のスタートアップ、最近伸び悩んでいる・競合に抜かれてしまった事業などまぁいろいろある。そしていろんな経営者がいる。企業価値のすべては経営者の意思決定だが、大切の要素のひとつがタイミングなのは間違いない。人、モノ、お金、それらのタイミングと量。料理と一緒だ。

話を戻すが「しばふる」には当初から生産の軌道が見えたタイミングで販売・マーケティングへの強化の投資が必要だと思っていた。そこで前述の現実を見て新会社を作って出資を集めて進めればいいと考え、クラブとの役割や未来図を協議・共有しながら、事業計画・出資者探し・提案を進めた。そして2020年2月に株式会社GTベンチャーズを立ち上げた。(ちなみにクラブの子会社ではない)

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これからのわたしとクラブ

新会社のミッションは「事業を通じて地域の魅力を証明する」こと。当面は「しばふる」のオンライン販売機能を持ち収益をつくりにいく。ただそれだけで終わらせるつもりはなく、ITを軸に地域を主語にした事業会社にするつもりだ。機会や地域資産はたくさんある。それは実際に住んで働いて色んな人との出会いがあったから言えることだと思う。将来的にはこの会社で生まれた利益でクラブをサポートしたいと思っている。

ちなみに「しばふる」で生産した芝生のオンラインストア『(公式)しばふる直売所』の運営は新会社で行っている。

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もちろんクラブスタッフとしての業務も引き続きおこなう。事業面・組織面とまだまだミッションはもちろん伸びしろがあるし、このコロナ禍の先にクラブとしてJ2復帰をみんなでつかみ取りたい。2足のわらじにはなるが、最近自分に向き合う時間が増え、こうしてチャレンジができていることは改めて幸せなことなんだと思う。成功する・しないは今の段階では分からないがこのタイミングでジャッジに後悔はない。

いよいよJクラブで働く前から考えていた仮説のうち、残り2つにこれから向き合う。クラブの中のわたし、第2フェーズのはじまり。

✓クラブの責任企業になり得る事業会社をクラブ自ら作ることができるのではないか。

✓地域を主語にした事業や活動が、サッカーというタグ付けでないサポーター形成につながるんではないか。

いまから長期インターンシップを募集します

地方スタートアップ(GTベンチャーズ)での長期インターンシップ(マーケティング・デザイン)に興味がある・したい方はぜひご連絡ください。一緒に地方の魅力を証明しましょう。

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