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「法人成り」のタイミングって結局いつがいいの?

先日インボイス制度は個人事業主にとってメリットがあるのかということを書きました。

その後も引き続き模索している中、以前から考えていた「法人成り」についてあらためて考えることとなり…。

今回は、法人成りについて調べたことや考えたことをまとめました。

※ここではざっくりまとめているため、いざ法人成りするとなったら弁護士や税理士に相談するなどして確認をお願いします。

法人成りとは

「法人成り」とはすでに事業を行っている個人事業主が法人つまりは会社を設立し、法人として事業を引き継ぐことを意味しています。

事業を始めると同時に会社を設立するケースもありますが、「法人に成る」ということですから、すでに事業を行っているというのが特徴です。

法人成りに必要な手続き

実際に法人成りするにはどのような手続きが必要なのでしょうか。主な流れを見てみます。

会社設立の準備

このあと定款の作成がありますが、その前に社名(商号)や所在地、資本金額などを決めておかなければいけません。

個人事業主として屋号を使っていた場合にはそのまま社名としてもよいかもしれませんが、類似の商号が無いか確認が必要なことと、「〇〇会社」というのを前か後ろにつける必要があることに気を付けます。

また、オンラインで設立する場合には不要となってはいますが、今後のためにも会社の印鑑を作成して印鑑届書(印鑑登録)を提出しておくことをおすすめします。

定款の作成

中小企業診断士1次試験の経営法務では会社法を学習するのですが、よく登場する「定款」を作成する必要があります。

事前に決めている商号、所在地、出資金額以外に、事業目的や発起人の住所・氏名も必要です。

法人成りの場合は発起人=個人事業主というケースが多くなるでしょう。

定款はネットでも作成できる時代になりましたが、行政書士や司法書士に依頼すると安心です。

詳しい定款作成の流れは、こちらのサイトで確認できます。

株式会社の場合は定款が完成したら公証役場に認証してもらう必要がありますが、合同会社の場合は認証は不要です。

資本金の払い込み

出資金の払い込みと聞くとお金がかかりそうだとか難しそうというイメージがありますが、実際は出資金を口座に振り込んだ履歴を作るという作業になります。

後日会社名義の口座に振り替える必要がありますが、個人事業名義の口座でも良いので、出資金額を一度に振り込み、通帳の裏表と該当の明細が記載されているページをコピーしておきます。

出資金は1円でもOKという時代になりましたが、やはり公開されるものですから、社会的信用という面である程度まとまった額が必要になるのかなと思います。

すでに個人事業で使用していたパソコンなどを現物出資という方法もありますが、その後の所得税課税等があるため、法人成りで現物出資を考えている場合は詳細を税理士など専門家にお尋ねすることをおすすめします。

登記申請

登記申請は定款に記載した本店所在地の管轄法務局で行います。

株式会社登記申請時には資本金の1000分の7となる登録免許税が必要ですが、この金額が15万円未満であっても15万円が最少額となります。

例:出資金300万円だと1000分の7は2万1千円ですが、15万円が必要です。

一方合同会社の登録免許税は、この15万円が6万円になります。

個人事業の廃業手続き

法人成りの場合、会社を設立して忘れてしまいがちなのが、個人事業の廃業手続きです。

これまで個人で行っていた事業を法人に移した形になるため、個人事業は廃業届が必要です。

特に青色申告を行っていた場合は、今後納税方法が変わりますから、取りやめ届出書も必要です。

法人成りのメリット・デメリット

個人事業主が法人成りを考えた時、メリットとデメリットのせめぎあいになると思います。

実際にどのようなメリット・デメリットがあるのか挙げてみます。

法人成りのデメリット

上記でまとめたように、法人成りにあたってやらなければならない手続き、支払いが多くなるのはまずデメリットでしょう。

また、一人だけの法人であっても社会保険加入の義務が生じるほか、収入があろうとなかろうと年間7万円の法人住民税が課されます。

法人成りのメリット

一方で法人成りは、まず社会的信用度が増すということが大きなメリットではないでしょうか。

個人的にフリーランスで仕事をいただいていると、やはりいくらがんばっても会社とは違うなと感じることが多々ありますから、法人成りで得られる信用度は大切です。

それから、節税というメリットもありそうです。

法人成りによってかかる費用のデメリットはありますから、人によってどれくらい節税できるのかでメリットになるのかデメリットになるのか違ってくるでしょう。

法人成りのタイミング

ここでようやくタイトルにもしているタイミングの問題です。

法人成りのメリット・デメリットはわかったのだけれど、それならいつ法人成りすればよいの?ということですよね。

まずよく目安とされているのは年収1000万円です。

ですが、年収と言っても経費はそれぞれ異なるので、一概に言えないのではないかなと思います。

もう一つの目安は、それ以上は所得税率が変わるため、経費を除いた額が900万円以上になったらというものです。

しかし、ここで問題になるのが先のインボイス制度です。

先日適格請求書発行者の届けを出してから、結局インボイス制度で消費税を納めることになるなら、こうした目安となる金額抜きにしても法人成りをした方が良いのではないかという考えが生まれました。

実際インボイス制度が始まるにあたって法人成りを考える個人事業主は多いようです。

これまでは免税ということがありましたが、インボイス制度で消費税を納税することになるのであれば、法人成りの方がメリットがあるのでは?と。

むしろ課税売上高が1000万円未満の個人事業主が法人成りすると2期は消費税が免税となります(資本金1000万円未満の場合)。

はてさて結局は法人成りのタイミングは「今でしょ!」となるのか?個人的にもよく考えたいです。

今週の振り返り

学習の方ですが、GWには中小企業診断士1次の自宅模試をやろうと思っているので多少の焦りがあります。

7科目の教材はそろったものの、情報と中小はほとんど進んでおらず…。

他の科目は比較的自分なりの流れができてきたので、着実に進んではいるのですが、模試までに終わるかなというのが不安材料です。

ただ、ここで全部終わらせることに集中してしまうと頭に入らずに終わってしまう気がするので、ここはある程度割り切るしかないのかなと思っています。

いよいよ新年度が始まり、転職された方や独立された方、部署が変わった方、昇進された方などそれぞれ新しい道に進まれているんだなとTwitterから日々刺激をいただいています。

我が家の浪人生も少しはエンジンかかってきたのかな?

皆さんの新たなスタートに便乗して頑張っていきたいです。


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