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【昭和歌謡名曲集22】黒ネコのタンゴ 皆川おさむ

1969年、6歳の皆川おさむが歌った。日本で大ヒット。世界でも大ヒット。原曲はイタリアの童謡であるが、おさむが歌った歌詞は翻訳ではなく独自に作詞されたものである。
大学のとき、好きな歌の話になって、ある先輩が、
「俺は黒ネコのタンゴだな」
て言ったので驚いた。
「先輩、アレ子供の歌でしょ」
と言うと、その問いかけには答えず、
「俺、あの歌を水原弘に歌って欲しかったんだよな」
と先輩は言う。
水原弘は「黒い花びら」のヒットを持つ、夜の匂いのする歌手である。
「だから、アレ子供の歌ですって」
と言いながら、頭の中で水原弘に歌わせてみると、アレ、アレレ、アレレレレ。
「先輩!」
「だろ」
「いいです。めっちゃ、いいです」
そうなのだ、黒ネコとは女性のことだったのだ。
私は、このことを二十歳近くなって初めて気づいた。
「水原弘が歌ってりゃなぁ。あの歌、スタンダードになったんだけどなぁ」
先輩の慧眼に恐れ入った夜だった。てか、みなさん気づいてました?

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