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変化は辺境から始まる。|2024スプラウト苓北中学校②
少し時間が開きましたが、先週水曜日にアントレプレナーシップ教育プログラム『スプラウト』の新たな進出先として熊本県天草郡苓北町に行ってきました。
前回訪問したのは6月。あれからもう1ヶ月が経過しました。この間にバンコクで学会報告をしていたようですが、すっかりそんなことも忘れてしまったよう。時が過ぎるのは残酷だ…。その時の様子はこちらに。
ここでも記しているように、プログラムの中核を成す大学生による授業は9月からスタートしますが、今回はそのキックオフとして私1人で行ってきました。今回はその模様をお伝えします。
梅雨明け間近の移動リスク
7月中旬と言えば梅雨明け間近で、ここ数年北部九州では毎年のように大雨に降られている。
実際、この前の週末は釜山での研究会だったが空模様は微妙。美味しいものを食べては来たが、カフェ、温泉、食事をするだけで、やってることは福岡と変わらず(笑)。釜山からひとよし球磨起業体験プログラムの講義を観つつ、諸々仕事。
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月曜日に帰国して、苓北での講義前日は熊本で授業からバスで天草に移動。そして、夕食は本渡の居酒屋である丸高で砂肝の刺身とこのしろ寿司を頂いた。エネルギーチャージ。
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が、この日も天気は不安定。なにせ帰りは水曜日夕方であり、19:40から講義も残っていたので意地でも戻らねばならない。天草から福岡まで空路を予定しているが、不安でならない。実際、天草に移動したその日は欠航していたし、ここ数日は遅れも頻発。この時期の移動には不安がつきもの。
授業前に地元経営者とミーティング
授業当日。前日までと打って変わっての快晴。真夏の青空が広がる。苓北中学校での授業開始は11:35。そのための準備、打ち合わせで11:00集合となっていた。
そこで時間に余裕があったので、某社の紹介により、朝9:00から地元の中核企業経営者とのミーティングをセッティングして頂いた。1時間というお約束だったが、共通の知り合いが多くいたこと、なぜそこと繋がってるのかを説明したこと、そしてなぜスプラウトが今天草で展開しようとしているのかというここまでのお話。諸々話をしていたら10:20になろうとしていた。
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そうして話をしていると、やはり地方都市において高校とどうネットワークを構築するか、一旦都市部に行くにしても近い将来に地元に戻って仕事を創るにはどうするかが議論になる。今回は時間が無く核心的な話までは至らなかったが、やろうとしている仕掛けには十分ご理解頂けただろうし、何かの機会で連携を模索しましょうと。
だんだんこうした取り組みへ理解が広がってきた実感がある。
いよいよ苓北中学校へ!
11:00に苓北中学校に到着し、校長先生や担当の先生と打ち合わせ。今回のプログラムでは4回の授業+富岡城お城まつりでの出店+1回の振り返りの構成になっていて、3年生2クラス合計50人を6つのグループに分けて模擬店を出す。何を具体的に出すかはこれから決まるが、できれば苓北のモノを苓北の中学生が売ることができると良いが…。どうなるか。
11:35になり、いよいよ授業開始。今回はキックオフということもあり、全校生徒が体育館に集まってくださった。梅雨明けを思わせる暑い体育館で扇風機を回して、50分間の授業を熱心に聞いてくれる生徒の皆さん。
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というのも、このプロジェクトは向こう3年間実施する予定で、毎年3年生が受講対象になる。すなわち、この在学生全員がいずれはスプラウトの受講生になるわけだ。だから、こちらも力が入る。
授業内容はいつもの話。ビジネスは誰かが始めたもの。大きさ、地域は関係ない。付加価値を生み出すことだけでなく、どう分配するかも重要。その点、ナショナルブランドができることは必ずしもポジティブな面ばかりではないことを伝える。
が、苓北には私たちが知っているような企業というものはほぼない。九州電力の発電所、複数のコンビニ、ガソリンスタンドを除けば、スーパーマーケットで売られている商品、そして自動車ほどしかナショナルブランドを目にする機会はない。学生と打ち合わせをしていてもここがポイントだねという話をする。
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今回の授業では、福岡に行けば、熊本に行けば、本渡に行けばと話をしているが、(現地の人には怒られるだろうが)正真正銘の「何もない」町だとも言える。だからこそこの挑戦に意味がある。
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ここに来るまでの車中でポール・ホーケン『ビジネスを育てる』を読んできた。内容は古いものだが、私たちが仕掛けるようなマルシェにはちょうど良いレベルのテキスト。ここに書いてあることを中高生にわかるように喋るだけでも十分に成立する。
変化、意味ある変化は常に辺境、境目から生まれる
このフレーズ自体は何も新しさはないが、改めてこのスプラウトがどうして始まったのか、意図的に離島やたどり着くのが難しいところですやっているのかを思い起こすと、まさにこれだ。
残念ながらこれを目立たせて、地域や周りにいる皆さんに納得して頂けるレベルに持っていく力量が私には無いのだが、苓北は東シナ海を背にした確実な辺境であり、これまでスプラウトを展開してきた地域では人口も経済規模も最小。だから、ちゃんと仕掛ければ残せるインパクトは大きいのでは無いかと考えている。
本当の意味で辺境からの挑戦なのだ。これは。
こんなことを伝えつつ、50分の授業はあっという間に終わった。校長先生曰く、「授業の感想を中学1年生に聞いたんですが、半分くらいはよくわかった、半分くらいは微妙な顔してました」のだそう。そんな簡単な話をしているわけでは無いのに、半分もわかってくれたのだったら成功と言っても良さそうだ。少しだけ気分を良くして帰路についた。
ふりかえり
授業終了後、地元の名店であるちゃんぽんの「明月」に行きたかったが、時間も時間だったので地元の割烹料理店で定食を頂いた。そして、本渡に戻り、本学OBが営む旅館横にできたカフェpoleでラテを購入して空港へ。
しかーし。飛行機が遅延で出発遅れ。ちょっと焦ったが30分程度で済んだ…。
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帰りは低空でのフライト。雲仙、柳川、脊振山等が綺麗に見える航路でわずか23分。福岡空港到着。第二部のゼミナールに間に合って、無事お仕事終了。
さて、先月から今月にかけてこのプロジェクトを動かすのに一定数の学生が必要だということで、6人くらい集まれば良いだろうと思っていたら、なんと9/5の授業、10/27の出店のそれぞれ12名ずつが集まった。
2年生から4年生までそれぞれ4名ずつ参加してくれる。9/5の行程は翌日まで滞在し、そのまま9/7のマルシェのために壱岐へ向かう学生も含んでいる。ゼミばかりに時間を拘束させて申し訳ない気持ちもあるが、関わってくれている学生はほとんどがポジティブに考えてくれているのだろうから良しとしよう。中には壱岐のマルシェ、苓北のお城まつりへの出店を考えている学生もいて、これまで以上に意欲的な部分も見える。
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そうした学生たちは苓北中学校の生徒たちにどう映るのだろうか。実は授業前に同校の3年生がFacebookにリクエストをくれたので、繋がってインタビューしてみた。回答の解像度が低いのは仕方ないにしても、今回のこの取り組みで大学生と何かできることに期待をしてくれていることが伝わる内容だった。
いつも学生には先の地図や中高生の声を話して「私たちの周りにはこうして期待してくださる人がたくさんいる。その事実を大切にしたいし、しっかり向き合って良い成果に結びつけよう!」と言うのだが、どうも手応えがない(笑)
まあ、私の伝え方の問題もあるだろうが、このチャレンジの意味はなかなか理解しづらいものなのだろうか?それでもチャレンジを一緒に続けてくれているだけでもありがたいんだよね。ただ、成果はすぐに出ないのでわかりにくいかもしれないが、こうした取り組みの意義をもっと知らしめる努力を私ももっとしなければいけませんね。
とにかく苓北町では大歓迎されるはず。しっかり準備して臨みましょう!
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