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新天地・天草苓北で種を蒔く準備を整える|2024スプラウト苓北中学校①

今日ようやく九州北部の梅雨入りが発表された。ここから約1ヶ月,雲行きが怪しい日々が続く,憂鬱な時期。このタイミングで今年度から当座3年間の計画で始まる熊本県天草郡苓北町とのアントレプレナーシップ教育プログラム『スプラウト』。その準備,打ち合わせのため,今日は学生2名,行政との間を取り持ってくださった経営者と合わせて4名で苓北町へ向かった。

今,苓北と呼ばれているのは,かつて天草全体が苓州と呼ばれ,その北部に位置することに因む。天草には熊本都市部に近い順から上天草市,天草市,苓北町とあるが,天草下島と呼ばれる島を領域とする天草市を構成する旧市町の中で唯一平成の大合併を選択しなかった自治体でもある。

これまで苓北町へは数回訪問している。特にこの1-2年はこの苓北町で『スプラウト』の種を蒔きたいと友人経営者の熱い思いもあり,昨年はゼミ合宿で訪問したり,今年はそのつながりで学生が農産物を使ってプロジェクトを興したいと言って,その代理でさつまいもの苗を植えに来た。まさか,こんなに天草との関わりが増えることになるとは。不思議なものでもある。

天草エアラインみぞか号。午前はまだ視界が良かったが最終便は欠航に。

朝8:00に福岡空港集合,8:50のフライトで約35分。天草空港に到着。レンタカーで市内へ移動し,パララボ天草にて打ち合わせ。苓北のスケジュール,概要確認に合わせて,人吉や壱岐での活動に関する目線合わせ。それぞれのプログラムではすり合わせを行っているが,全体の構成やイメージが合っているかと言われれば不安を感じていたようなのでプロジェクトリーダーとのミーティングをしばし。

秀寿司のランチ。マグロうに丼。1,500円。破格。

昼食は市内の寿司処「秀寿司」。これまでも数回訪ねているが,格安で美味しいネタと手の込んだおかずを食べて1,000円から1,500円程度のランチを頂ける。今日はマグロウニ丼が1,500円とのことで,すかさずこれを注文。また,同席していた学生もそれぞれ頼んだランチがあまりにも美味しかった模様。私は別途握りでカンパチも食べたが,贅沢にウニが挟まっていて美味。幸せな時間を過ごす。

5月に植えたさつまいも。

食事後はいよいよ苓北に移動。途中,中山間地域の鶴地区を通過。先日,ここにさつまいもを植えに来たので,その様子を覗きに来た。

ここのさつまいもは昨年の創業体験プログラムにおいて現在の3年生(12期)が商品化した「さつまいもチップス」のさつまいもを作ってくださっていた農家さん。今年はその勢いでこれをプロジェクトとして各地で販売する計画を立てており,どうせやるならとさつまいもの苗植えからスタート。ただし,その当日は学生の都合が悪く,私と家族で弾丸ツアーを作って作業を行った。残念ながらうまく土に根付かなかったものもあるが,多くは青々と葉を広げていた。

そうこうしているうちに13:30。苓北中学校に到着。すぐに苓北町役場職員2名を加えて打ち合わせがスタート。先方は校長先生と3年次の担当の先生が同席。プログラムの概要と実施スケジュールについてミーティング。

苓北中学校を共に訪ねた女子学生2人。

先生方からはいくつかわからない点の説明を求められたが,これまでの講義実績や大学生との受け答えを通じて,わたしたちのことを信頼してくださっていることが伝わった。大変恐縮。

そこで,10月27日(日)に開催される富岡城お城まつりに中学生とともに出店し,そのための基本知識や経営計画を策定するための講義を4回実施することが決定。9月の初旬にスタートし,お祭り当日まで4回,販売実習1回,そしてふりかえり1回の講義カリキュラムになりそうである。

ただし,3年次生50人を対象にオンライン講義をするのはこちらも初めて。慎重に慎重を期して講義を設計したいところ。特に中学生が理解できる,少し難しいかな,けど勉強してみようというレベル感の講義を設計するとして,どういうカリキュラムになるだろう。現時点では学生に目安を示しているものの,人数,オンライン環境,学生の力量,生徒の理解度,たくさんの変数のある方程式を解かねばならない。

メンバーの選抜が問題になりそう。いずれにせよ,1時間半ほど身のあるミーティングができた。

続いて苓北町役場に。

続いて苓北町役場に移動し,商工担当者との打ち合わせ。こちらではまつりで中学生に販売してもらう商品の選定について。約6,000人の小さな町に2,000人が来るイベント。今回のプログラムでは1クラス25名を3チームに分け,合計6チーム=6アイテムを販売する予定。農業,漁業が盛んな土地柄とは言え,地元商店や町内にある唯一の高校である天草拓心高校マリン校舎とも商品被りをうまく避けたいので,これから慎重に決めていく予定。

話の中では,町内にある九州電力火力発電所がある関係で,その燃料をオーストラリアからの輸入に頼っており,姉妹都市があるとのこと。それに因んだ商品はどうだとご提案頂き,まちの歩んできた歴史を学ぶ機会にもなった。

とても愉快な教育庁にご挨拶。

さらに,町の教育長にもご挨拶をする時間を頂いた。10分程度の時間,和やかに話が進んだ。

その後,役場を離れて友人社長の新オフィスを見学。さらに役場近くのコンビニでメロン、オクラ、トマト、インゲンを購入。安かった。学生はさつまいもを購入し、「安い、安い」と主婦のような動きで野菜を選別。みな満足(笑)

夜も天草の海の幸に舌鼓を打つ。これで2人前。

夜は天草市内に戻り,海の幸に舌鼓を打つ。当初は別のお店を狙っていたのだが,あんまりついて欲しくない嘘をつかれてげんなり。代わりにホテルの近くにある瀟洒な飲食店で食事。4人で他愛のない話をしたり,ある学生の悩みを聞くような時間に。なかなかじっくり話す機会もないので,良い時間になったと思っているのは私だけ?

今回も中身の薄い文章をダラダラと書き記してきたが,何が言いたいかって,コツコツ積み上げてきたら,多くの他者が興味関心を示さないようなことでも,わずかな人間でもこの価値を理解しようとしてくださる。そのことが尊い。『スプラウト』がメジャーになることはないだろうが,大学生と地域に暮らす中高生がともに学び会う関係を構築することが持つ可能性を新ためて確認できたのは望外の喜びでもある。

次回の訪問は7月17日(水)に決定。今年から3年間ということは,来年,再来年と続くので現在の1年生までは少なくともスプラウトの実施が決まったということ。2年生,4年生がうまく関わってくれると面白いことになりそうなだけどなぁ。授業もあるわけなので,あまり無理強いはできない。限られた資源でいかに最大・最高のパフォーマンスを発揮できるか。この困難さにワクワクがある。

スプラウト展開図

2024年度は9プログラムの実施が決定。現時点では,ひとよし球磨と壱岐商業高校が先行して始まっているが,あと7つがまだ動いていない。中には1日限りのスポット講義があるし,生成型AIを活用した講義カリキュラムの開発もある。明後日からはタイ・バンコクで開催されるGCEC New Frontier: Bangkok Summit 2024が開催される。こうした取り組みを紹介することにしているので,世界の研究者たちがどんな反応を示すのかが今から楽しみであり,心配である。

今から明日の熊本学園大学での非常勤に向けて講義資料を作ります(22:55現在)。そして,明日は6:30のバスで天草→熊本に移動。起きれるかしら(笑)。

(追記)
どうでも良いことだが,ショックな出来事がひとつ。GWに気に入って購入して今日履いていったもんぺズボンが裂けるように敗れてしまった。もう修復は不可能かもしれないと嘆き悲しんでいる。幸い別のもんぺズボンを持ち込んでいて事なきを得たが,お気に入りがワードローブから無くなる悲しさよ…。ボーナス出たらもう1本買いたいなぁ。買えるかなぁ。

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