わたしたちがここにいる理由|2022女子商×とびゼミコラボ授業②

今日は高大連携コラボ授業が始まった高校で、最も大規模に授業を展開している福岡女子商業高校(女子商)での授業日。2022年度後期が始まって2週間が経過しましたが、祝日の関係でゼミとしては今日が初回授業。

動画でも紹介していますように(ビュー数が伸びない)、今回の女子商での授業は2022年度2回目。前回から2ヶ月半が経過して、高校生の雰囲気が少し変わった感じがします。女子商では各学年にある進学クラス(1年生2クラスと2-3年生それぞれ1クラス)と3年生全クラス(商業、情報、ビューティーそれぞれ1クラス)の合計7クラスを担当しており、ゼミ生約30名が分かれて授業を担当しています。

多くのクラスでは大学生が来ることでハイテンションになったり、真剣に授業を受けていたりするのですが、大学生が授業に来るからって受け入れる高校生ばかりではありません。中には立て直すのが難しいクラスもあります。そうした高校生にどう向き合うべきか。前回も当該クラスでは授業する大学生が困惑していましたが、今回も何かが決壊しそうな気がしたので手を打ちました。

「大学生がなぜここにいるのか、その理由を示そう。授業を受けないという権利を提示して良い。感情に訴えるのではなく、最後まで論理的に行こう」

2コマ目が始まる前、わたしたちは遊びにきたわけではなく、高校の授業の一環としてこの取り組みを真剣にやっていることを伝えようとクラスリーダーに言いました。

生徒が自分で自分のありようを決められるように支援すること、何か目標を定めて組織的にそれを実現できるように導くこと、その結果として一歩踏み出す勇気を持てるようになること、自分にできるという感覚を持ってもらうこと。

わたしたちが今年度高校生と向き合うときに決めたゼミとしての目標。なぜこんなことやろうとしているのか、その先にどういう姿を期待しているのかを大学生が自分の言葉で語ることを通して、高校生の可能性に賭けてみることにしました。

すると…。

クラスの雰囲気が変わりました。2コマ目は何事もなかったかのように授業が進み、無事終了。

が、本当にこれで良かったのでしょうか。無視して淡々と進めても良いけれども、学生たちが状況に対して困惑しているのは明らかだし、かと言って小言を言って向き合うのも違う。彼女らをコントロール下に置きたいわけでも、一方的な授業をやりたい訳ではない。とりあえずは今日は収拾できたけど、再来週の授業ではどうなるかがわからない。また1つ勉強しなければいけないことが増えました。

一方で、こんなこともありました。

この授業は4年前からスタートしていますが、その時に1年生だった学生が後期開講の科目を履修していて、今日授業だということを伝えると一緒に授業に入ってくれました。4年目にして女子商OGがついに大学生側として参加してくれるようになりました。授業前には先輩たちの前で堂々と自己紹介をし、授業中は先輩たちのサポートに、そして授業後も高校生当時に見えていた世界と今授業をする立場になって見えたことの感想を話してくれました。

わたしたちがここにいる理由。

今年に入って5つの高校で授業を始めていますが、やはり起点となった女子商での授業は少し違います。他の高校で行ってきた授業を取り入れながら授業はできるようになっているものの、学年跨ぎで授業を行っているから必ず新作を取り入れないといけない。3年間15コマを見据えて授業を作らねばなりません。が、関わる学生は2年で入れ替わっていきます。

また、担当クラスによってはここでだけ授業をする、全く初めて生徒の前で話すという学生もいます。そうした学生にもすぐに授業ができるように、基本的な内容、フォーマットがゼミ内で共有されている必要がある。そのため、前年度授業を担当した経験がある4年生が3年生の指導役になっています。この準備のために学生たちは自主的にミーティングをしています。こうした上下が学ぶことを通じて繋がる関係が構築できている。これがこのプロジェクトを続けている大きな理由の1つです。

そういう意味でも女子商はこのプロジェクトのポイントになる場所だし、常に試行錯誤をさせて頂ける場所。

そうこうしているうちに、次回授業は再来週です。全てのクラス共通のテーマが「組織と個人の関わり方」。どんな授業を学生が作って臨むのか、今から楽しみでなりません。

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