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ボンデージ撮影⑦

いつものようにカメラマン募集掲示板を見る
緊縛画像をサンプルに出しているモデルさんがいた
猿轡で口元は隠れているが目元は見えている

ん?
このモデルさん見た事がある

緊縛動画を出しているメーカーの作品に出演していた女性だ
サイトを見て確認する
間違いない
出演作品は1作だけだがとても印象に残っている
メールを送らないという選択肢はありえない


メールのやり取りをしている間にもUは今までに撮影してきた様々な画像を添付してくれている
おかげで会う前から撮影イメージを作る事ができた
メーカーでの動画撮影はその1作だけで最近撮影したもの
あとはたまに個人撮影しているだけという事だった
自前の衣装を持っているというので用意してもらう
初めて拘束具とカメラだけを持っての撮影となった


都内でいつも待ち合わせに使っている駅
その時は駅前ではなく目印になるような店舗の前で待ち合わせた
Uも土地勘があるという場所だったので、人の多い駅前での待ち合わせより良い

約束の時間少し前に大きなバッグを担いでUはやって来た
画像や動画で見るより小柄な印象
ただし胸は大きい
今まで撮影してきたモデルさんたちの中で一番大きかった

残念な事に私は胸の大きさに反応する事はない
大きかろうが小さかろうがどちらでもかまわない
ただ胸が大きいと衣装を用意する時に困ると思うだけ

「初めましてUです」

わりときつめの顔立ちをしているが言葉遣いは丁寧で話している時の印象も柔らかい
撮影場所のホテルに着いてからも会話は続く

「緊縛の経験はこの前の動画であるけど、ちゃんとした拘束具を使う撮影は初めてなんです」

衣装を持ってきていないので持っている拘束具は全部キャリーケースに入れてきていた

「すごーい!
こんなにたくさんあるんですか!」

楽しそうである
拘束具をたくさん持っていて感心されたのも初めてである


報酬を渡して早速自前の衣装に着替えてもらう
Uが用意したのは黒いキャットスーツ
コルセット、ロンググローブ、厚底の編み上げブーツ
それと首輪に手枷とウエストベルト

「私のは安い首輪と手枷なんです」

そう言いながら慣れた手つきで着替えていく
大き過ぎる胸のせいでフロントファスナーが締まらない
余計に大きな胸が強調されている
メール添付されていた画像でもこの衣装で撮影されたものが多かった
Uのお気に入りなのだろう

準備できたところでシンプルなボールギャグを取り出す
布を使った猿轡は動画で経験していたが、ボールギャグなどの口枷は初めてなので楽しみと言っていた

ボールギャグを付けるとそれまでの表情が消えた
なるほど
商業用の撮影を経験しているからか
自分の見せ方を知っている
被虐感溢れる表情を作る

Uの心理まではまだ分からない
その表情が作ったものなのか
それとも本当に被虐感で満たされているのか


ハーネスボールギャグやオーラルマスクなどに替えながら撮影は進んでいく

「次はこれを使うよ」

そう言って見せたのは鼻フック

「うわー!
鼻フックは初めてなので楽しみだったんですよ」

事前にメールで使うと伝えてあった
が、楽しみにされているとは思いもしなかった

「鏡で見てもいいですか?」

そう言って鏡の前へ立つ

「うわー!
これヤバい」

とても楽しそうである
楽しそうなUを見ていると私も楽しくなる

それまではソファに座っていたが床に降りて四つん這いになる
Uにはポーズの指示を出さなかった
出す必要がないくらい様々なポーズをしてくれる
私は目の前の被写体を撮る事と次の拘束をどうするかだけ考える
とても楽なモデルさんだった


鼻フックとオーラルマスクを付けたまま手の拘束をアームバインダーに替える
立ち姿のまま足は左右を繋いだり拘束棒を使ったり
思いのままに拘束して撮影していく

購入してあったが初めて撮影で使う拘束具もあった
ハードコアポニーという商品名の額と顎下に拘束ベルトがあるバイトギャグ
手綱も付属している
ポニープレイ用のギャグだという事はUも知っていた

私が拘束具や口枷を取り出す度にUは興味津々といった様子で見ている
見た事はあるが使われるのはどれも初めてだと言っていた
休憩しながら会話する

「こんなにたくさん拘束具を持ってる人初めて見ました
マニアなんですね」

「そうなんですか?
私より持ってる人はたくさんいると思いますよ
口枷マニアには違いないですけどね」

その後も各種口枷と拘束を楽しみながら撮影していく
3時間があっという間に感じるほど楽しい撮影だった

「最後に気に入った口枷があれば、それを使ってもう一度撮りましょう」

Uが選んだのはフェイスクラッチマスクというハーネス式の開口ギャグ
何の目的があって設置してあるのかは分からないが
窓際に太腿くらいの高さの水平のバーがある
そこに簡易拘束してUを撮影する


「あの…」

「胸のこと何も言わなかったの○○さんが初めてでした…」

大きい胸をコンプレックスに思っている女性もいるというのは知っていた
それ以前に胸の大小には関心がないんですけどね

「あぁ…そういえばそうだね」

「また撮影してくれますか?
○○さんとの撮影はとても楽しかったです」

「いいですよ
私もUさんと撮影できて楽しかったです
空きそうな時間が取れたら連絡します」


Uとは撮影後も何度かメールのやり取りをしていた
とても忙しい様子だったので返信は遅れ気味だったが

そんな中で友人にSMクラブで女王様をしている人がいると教えられた
しかも私に会ってみたいと言ってるという

女王様という仕事をしている女性には会った事がなかったので
都合をつけて3人で会う約束をする
女王様が勤務しているというクラブはいつも撮影で使っているホテルのすぐ近くだった
待ち合わせ場所は前回と同じにする

「少し遅れます」

と連絡があってから数十分後
Uと一緒に歩いてくる女性が目に入った
この人が女王様?

Uとあまり変わらないくらいの身長で細身の身体
Uはショートヘアだが女王様はストレートのロングヘア
見た目でいえばUのほうがきつめの顔立ちをしているせいか
女王様に見える

「初めまして○○さん
Uから色々聞いてますよ」

どんな話を聞いているんだろう
というか女性2人をどうやってエスコートすればいいのか
そのような経験は今までない
S女性とM女性が同時に目の前にいる

その状況にワクワクドキドキしていた…