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会計がわからなければ経営はできない、会計がわかっただけでは経営はできない~その1~

以前に読んだことのある本に載っていた言葉です。これはまさにそのとおりなので、経営者の方は意識してもらいたいポイントです。また、我々のような会計の専門家も経営者の方とどのように連携していくかを教えてくれる言葉だと思います。

会計がわからなければ経営はできない

まずは、前段の部分です。会計とは過去の記録です。この過去の記録を作る方法が簿記と呼ばれる記帳方法ですが、経営者の方はこの部分については深く知る必要はありません。自社の経理でも記帳代行会社でも税理士の先生でも簿記を委託できる先はいくらでもあるからです。

しかし、簿記によって作られた会計記録の見方については知っていなければなりません。会計は地図のようなものです。会社がこれまで歩んできた道が地図に描かれています。経営者は地図が読めなければ、自分がどこにいるのか、目的地はどこにあるのか、そこへ至る道のりがどれほど険しいのかということが一切わかりません。

会計は過去のこと、経営は未来(これから)のことだから、過去を振り返ったって何も参考にはならない、と言われる方もいますが、過去を振り返ることなく経営している人はいません。必ず、自分の経験に照らし合わせて次はどうしようかということを判断しているはずです。

しかし、その判断を自分の頭の中だけで行うのか、会計という客観的な記録を用いて行うのか、という点については経営者によって違います。前者の経営者は勘と経験(ときには度胸)で経営を行っています。これらの要素は大事ではありますが、会計を使えばその裏付けが客観的に確かめられるので、判断の制度をより高めることができます。

会計を使うために知っておくべきこと

見るべき決算書は損益計算書と貸借対照表の2つです。損益計算書は売上だけではなく、変動費、固定費、利益といった損益構造も見るようにしてください。損益構造を変えるだけで、利益が倍になるということもよくあります。

貸借対照表については、自己資本比率、資産とそれを取得するための調達源泉である借入金には確認すべきです。

また、損益計算書と貸借対照表の組み合わせとして、ROA、債務償還年数、キャッシュ・フローの3つの重要な項目があります。

過去に私の記事で解説したものばかりであるのと、これらの基本的な指標の見方は顧問税理士の先生に確認すれば良いのでここでは詳しくは述べません。もし、税理士の方が教えてくれない、よくわかっていそうもないということなら、別途財務の専門家にアドバイスをもらった方が良いです。

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