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積み立て方法から考える退職金制度~その3~

前回解説したように、退職金の内部積立は積立額より多くの金額を必要となりますが、いざというときに使える資金です。一方、外部積立は積立額より少ない金額で済むものの、そのお金を使うことはできないという特徴があります。

では、両方の良いとこどりができる方法はないのでしょうか?つまり、積立額が経費になるけど、いざというときには会社でもそのお金が使えるという方法です。そんな都合の良い方法も実はあるのです。

内部積立に生命保険を活用する

生命保険を使うと、経費にしつつも会社で使えるお金を準備することができます。どのような保険を用いれば良いかですが、退職金の支払準備のためのものであることから次の条件を満たす必要があります。
①返戻率は100%以上であること
②保険料が経費になること

①については返戻率100%では積み立てたお金がまったく増えないので、なるべく高いものが理想です。できれば年間利回りが2%程度になって欲しいところですが、そのような保険は見つからないかもしれません。

さて、現在のルールでこの条件を満たすものは、養老保険になります。死亡保険金は従業員の遺族が受取人、生存保険金は会社が受取人とすることで、保険料の1/2を経費とすることができます。また、保険料は保険会社という外部機関に積み立てを行ってはいるのですが、いざというときには契約者貸付を利用することで解約返戻金の範囲内で資金を使用することができます。

養老保険の注意点

保険料の1/2を経費とするためには、従業員が全員が平等な条件で加入するようにする必要があります。これは従業員全員を加入させるという意味ではなく、条件が平等であれば良いので、例えば、入社3年以上の従業員だけを対象に加入させるということは可能です。

また、死亡保険金は遺族に直接支払われてしまうことから、その場合には積み立てていた退職金原資がなくなってしまうことになります。早期退職者がいる場合には、解約返戻率が100%を下回ることもあるのでその場合も退職金原資が目減りします。

まとめ

積立方法の観点から退職金制度を解説してきました。どの方法にも長所・短所があるので、上手く制度を組み合わせることが、退職金制度を有利に運用するポイントとなります。


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