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隠れ自転車操業に要注意

自転車操業という言葉は聞いたことがあると思います。デジタル大辞泉では自転車操業は次のように説明されています。

資金の借り入れと返済を繰り返しながらかろうじて操業を続けること。また、そのような経営状態。

自社がこのような自転車操業に陥っている状態であるかどうかは、経営者であればわかると思います。もちろん、この状態は非常にまずいので対策を早急に打たないといけません。

しかし、経営者が気が付かずに自転車操業になっているという困った状態の会社もあります。今回は、隠れ自転車操業について説明したいと思います。

隠れ自転車操業とは

自転車操業の言葉の由来は、走るのを止めれば倒れてしまうことから来ています。借金と返済を繰り返すのも、まさにこの状態ではありますが、借金がなくても自転車操業になることがあります。

それは、売上代金の回収と、仕入代金の支払を繰り返している状態です。先月の売上代金を回収して、仕入代金の支払に充て、また翌月も翌々月も同じことを繰り返す…一見すると普通の経営のようですが、このサイクルを繰り返しても資金が増えていないのであれば、それは自転車操業です。

しかも質の悪いことに、この自転車操業は経営者が気が付かないことがたびたびあります。なぜなら、会社が順調な間は借金をしなくても資金が回っているからです。そこで、このような自転車操業のことをこの記事では「隠れ自転車操業」と呼ぶことにします。

隠れ自転車操業の危険性

経営者が気が付かなくても自転車操業は自転車操業です。つまり、止まってしまうと倒れてしまうのです。この止まってしまうという状態は、売上代金の回収ができなくなる事態を指します。あるいはコロナウィルスによる営業自粛のように、売上自体がなくなってしまう事態もそうです。売上代金をあてにして、仕入代金の支払を行っている状態なので、売上代金がなくなれば支払は別のところから持ってこなければなりません。

会社に資金があれば何の問題もないのですが、そうでなければ資金を借りてくるか、支払を待ってもらうかするしかなくなります。ひどい状態だと、会社を止めざるを得なくなるかもしれません。

このように隠れ自転車操業は経営者に自覚がないだけに危険な状態です。しかも自覚症状がでるのは、経営が上手くいかなったときなので、すでに手遅れであることが多いのです。

隠れ自転車操業を防ぐには

経営者が自転車操業になっているかどうかに気が付けるかどうかがまずは重要です。簡単に調べる方法としては、1ヶ月間売上代金の回収がなかったと仮定して、すべての支払ができるかどうかで判断する方法があります。もし、支払えないものがあるなら、隠れ自転車操業になっています。

隠れ自転車操業を脱するには、資金を増やすしかありません。利益率の改善、コストの削減、借入金の返済スケジュールの見直しなど、打つ手はたくさんあります。

終わりに

今回は経営者が気が付いていない、隠れ自転車操業について説明しました。この対策は、経営者自身が会社の資金に興味を持って、動きを見ることが第一なのです。

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