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変動費と固定費、どっちが有利?

変動費とは、売上に比例して発生する経費で、売上高が0になれば発生しなくなる経費のことです。固定費とは、変動費以外の経費のことです。

変動費は売上に応じて発生するから、売上がなければ負担する必要がありません。対して、固定費は売上に関係なく発生し支払が必要なので、会社にとって負担が大きいような気がします。

実際のところはどうなのでしょう?もし、発生する経費について、変動費と固定費を選べるならどちらを選択するべきなのでしょうか?

変動費が有利なとき

ビジネスを始めたばかりの頃など、売上高が少なく、金額も安定しないときには変動費の比率が高い方が有利になります。なぜなら、変動費は売上高に対して一定の割合で発生するものであるため、仮に売上高が少なくても赤字になることがありません(もちろん、変動費が売上高を超えていては駄目です)。

したがって、理論上は、変動費しかかからなければ、そのビジネスが継続できなくなることはない、ということを意味します

固定費だとこうはいきません。売上に関係なく毎月一定の額が費用として発生するので、それ以上の粗利益を出さない限り、その月は赤字になってしまいます。また、ある月は黒字でも、次の月も黒字にできるかどうかはわかりません。赤字が続けばいずれ事業はできなくなってしまいます。

そうすると、かかる費用はなるべく変動費の方が良いのでしょうか?

固定費が有利なときもある

実は、費用が固定費の方が良い時もあるのです。それはビジネスが軌道に乗り、売上高が増えてきた場合です。変動費の場合には、売上高が増えた分だけ費用も必ず増えます。どんなに売上高が増えても、発生する費用の割合は一緒なのです。つまり、粗利益率は常に一定です。

固定費だとどうでしょうか?確かに、毎月の固定費額を超えるだけの粗利益は稼ぎ続ける必要がありますが、ひとたびその粗利益額を超えることになったら、その先の粗利益はすべて手元に残る利益になります。なぜなら、固定費は売上が増えても増えることがないからです。粗利益が増えていけば、粗利益率がどんどん上がっていくのです。

変動費と固定費を切り替える

ここまでは変動費と固定費が自由に選べる前提で説明をしてきました。しかし、実際のビジネスにおいても変動費と固定費はある程度選択することが可能です。

例えば、固定費の代表である人件費。正社員として雇っていれば固定費ですが、成果に応じて歩合で支払う業務委託の形式にすれば変動費となります。固定費を変動費に変える方法は、他にも、内製していた製品を外注に出して受注分だけ生産する、必要なときにだけ使えるレンタルサービスを活用するなどいろいろ考えられます。

利益を増やそうとするときには、売上を増やすか費用を減らすことを中心に考えますが、変動費と固定費を切り替えることでも利益を増やすことができるのです。

終わりに

変動費と固定費の特徴を一言でまとめると、ローリスク・ローリターンが変動費、ハイリスク・ハイリターンが固定費です。変動費が多いと経営は安定しますが、利益の増え方は緩やかです。固定費が多いと固定費負担をカバーするのは大変ですが、利益の増え方は大きいです。どちらを選択するかは戦略しだいですが、そのような視点もあることを覚えておきましょう。

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