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「生きる意味」をくれた人 番外編 その7
意味なく生きる人って、僕はうらやましいとも思わないけど、「不思議」。
僕は、生きる意味がないなら、生きていたくないから。
そもそも、生まれたくて生まれたわけではない。
これが僕の原点。
その証拠に、僕の身体は未成熟のまま母親の胎内から出てきた。
いわゆる「未熟児」とは違う。
専門家の言う話だと「発生障害」というらしい。
僕の場合は、腸を固定する膜組織が発達しきれないままに生まれてしまい、腸がブラブラしている状態で一生を過ごさなければならない身体。
だからと言って、障害者として認定されるわけでも、社会保障の対象になるわけでもなく、難病の指定もされない。
何だか不公平だな。
治療方法はないそうだ。
頻繁に腸のトラブルは起こすし、何年かに1度は、激痛で病院に運び込まれるレベルになる。
医者からは「腸ねん転になりやすいから注意しろ」と言われるけど、具体的にどう注意すればいい?と聞いたが、そう言われても特にはないけどね・・・と言われる始末。
ただ厄介なだけ。
まして、大人になってから知らされたのだが、生まれてすぐに手術もしたそうだ。
なぜ言わなかった!
母は看護婦だったのに!
そんなこともあって、「生まれてきたこと自体、間違っていたのでは?」とかなり小さい頃から思っていた。
まして、2歳年上の兄はいじめられっ子で、僕は「いじめられっ子の弟」という理由で上級生からいじめられるという理不尽な毎日。
「誰が生まれたいって言ったんだ!」と思うのも当然だろ?
虐めは、僕が頭が良い上に(自分で言うのは嫌だけど、客観的に見てもずっと学年でトップだったから仕方がない)、身体もなぜか大きくて、上級生からいじめられているうちにやり返すようになったら、喧嘩も強くなって、逆に上級生虐めの常習者になっていた。
だって、学校の先生は、上級生をいじめても怒らないから。
同級生や下級生は絶対にいじめなかったし。
でも、そんな粗暴な自分の嫌だったから、10歳くらいからは「どうやって死のうか?」ばかり考えていたんだよ。
生きる理由なんかまるでなかったから。
両親は立派な人だったし、僕は僕で可愛がってくれたけど、やっぱり、いじめられる愚図な兄に目は行きがちでしょ。
長男重視だったからね。
だから、僕なんかいない方がいいだろうとずっと思ってた。
父親の影響で、勉強よりも読書ばかりしていて、(父は勉強していたのかもしれないけどね)作家ってさ、かなり自死した人が多いでしょ?
川端康成さん、太宰治さん(心中だけど)、芥川龍之介さんもそうかな、三島由紀夫さんも自死と言えば自死(自決というべき?)だよね。
子供心にも影響は受けたね。
それに僕は音楽中毒だったから、ジミヘンがドラッグ中毒で死んだとか、そういう影響も受けた。
だから、自分はどんな死に方をするのか、そんなことばかり妄想していたなあ。10才からずっと。
生きることには興味がなかったんだよ。
<続く>
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