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褒めて伸ばす


褒めて伸ばす。

現代はそうらしいですね。

私も褒め上手ですねと褒められることはあり、

その言葉のおかげで褒め方が上達しているのかもしれません。


ちなみに昔の私は

人を褒めることに対して難しさを感じることがありました。(指導者以外でも)

褒めることは良いことだ

そんな事は理解はしていても、

いざ褒めようとするとぎこちなくなるのです。

ぎこちない言葉はなかなか出てこないものです。


そしてそれは逆の立場からも、

無理して褒めてくださる方の言葉はなんだか心に響かないという経験もあります。

もっと言うと第三者として、人の会話が聞こえてきた時も、心にない褒め言葉にモヤモヤすることがあります。


言う側も言われる側も、もっと言うと第三者も

素直な言葉だけが心地よいものです。

心にないことは言わない方がいいかと思います。


さて、話を戻します。

私は

褒め上手と言っていただくことはあるのですが、

実は私自身にはあまり褒めてる感覚はありません。


感覚的に近いのは

相手を認めている


という感覚です。


ありのままの相手を見て、ありのままの相手を認める


相手をよく知ろうとすると

相手のことがよく見えてきます

あえてわかりやすく言うと〝良い面、悪い面〟が見えます。

それを認めて、相手に伝えます。

それだけです。


え?悪い面も伝えるの?と驚かれるかもしれませんが、

そもそも悪いって何でしょうか?

そして良いって何でしょうか?



負けが悪いことですか?

強いことが良いことですか?

ミスは悪いことですか?



例として、試合で負けた生徒と向き合いましょう。

以前と比べてミスは減ったかもしれない

以前より動けているかもしれない

本人は頑張っているかもしれません

そして、勝ちたかったと思えたのも事実としてあると思います。


負けは負けでそれは事実です。

悔しい気持ちがあります。うまくいかなかった技術もあると思います。

無理矢理にポジティブにしようと捻じ曲げてはいけません。


しかし

負けたことにより勝ちたい気持ちを刺激をした可能性はあります。

勝ちたかったねって気持ちを認めてあげましょう。

課題が見えた可能性もあります。

それをクリアすれば勝てる可能性があることを認めましょう。


良くなっている技術があれば、それも認めて伝えましょう。


そして伝える時は

受け手の気持ちに寄り添うこと。

自分の価値観だけでなく、

相手の価値観を考慮するということです


私達だけではなく生徒も、

良い悪いで物事を判断するものです。

真面目な方は特に、

悪いことに敏感になりがちです。

悪いと思っている部分を伝えると嫌味言われた気分になりやすい

しかも心にないフォローは響かない。


しかし本当は、

結果については仕方ない のです。

良い悪い関係なしに、起きたことは認める他ないということ、

ベスト8で悔しがる生徒に

ベスト8はすごいことだよと伝えても

本人はそれで褒められた気はしません。


結果は結果です。

本人はベスト8では嫌であることを認めましょう。


結果にフォーカスしても嫌なのです。

指導者の価値観をむやみに押し付けられるのも嫌なのです。

ここでフォローすべきなのはその間の努力など改善された部分です。


本人の成長や頑張りを認めることを伝えましょう。(ただし美化はしないように)

(頑張ったんだね、優勝したかったんだね、試合中ここが良くなってるよ、次はもっとうまくなるよなど)




認めた先には必ず成長があります。


ちなみに

良い面と悪い面はいつもセットです。

ほぼ全てのことに両面があります。

これは良いこれは悪いという、勝手に作った概念で、短絡的に解釈してはもったいないです。

そしてこれは、なかなか小手先では難しい感覚かもしれません。

自分自身と向き合って自分自身を認める作業は私もよく行います。

良い悪いのフィルターを外す感覚は日々磨くと良さそうです。

短絡的に感じた良い悪いなんて

本当はどうでも良いことに気づいて

もっと深い所まで向き合うことができる

結果的にはそれで褒め上手になっていくかと感じます。



最後に実例をあげて終わります。


私は中学から卓球を始めて

当時は井の中の蛙で

目標は全中と公言して努力しました。

私の家庭は小学校卒業と同時に神奈川から宮城県へ引越しをしましたが、

神奈川の友達と

卓球部に入るから全国大会で会おうと言って別れたのがきっかけで

中学入学の時から本気で全中を考えていました。


しかし私の入学した中学は全然卓球部が盛んな学校ではなくて

指導者も練習相手もいない中、

雑誌や本を買って勉強して、新聞で見つけた卓球教室に電話してお願いしてみたり、ひたすら一人でランニングしたり、近くの体育館へ行って壁打ちしたり、知らない大人に声かけてよく相手してもらいました。

3年生で卓球指導が出来る先生が来ましたが、骨折をして卓球から離れる期間もあり、


結果的には県出場の決定戦で負けました。


本当に全中にでたい一心だった自分が

ついにそれが叶わなくなって

頭の中が真っ白になっていました。


ぼーっとしながら本部へ紙を持っていった時

先生は私の目を見て


「ほんとうによく頑張ったな」


と言ってくださりました。

この時、初めて人前でまともに泣いたと思います。

本気で3年間頑張った自分が救われたのです。


本当にたった一言なのですが、

私にとって特別記憶に残る褒め言葉でした。

片桐先生に感謝します。










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