言葉


指導者にとって、言葉はなくてはならないものだと思います。

何かを伝える時、もちろんジェスチャーは有効です。

前回の記事でお話した目ももちろん重要です。


それでも言葉はなくてはならない存在なのは簡単に理解できると思います。


きっと指導の際は誰しも

言葉を必ず使っていると思います。


そのくらい何かを伝える手っ取り早くわかりやすい道具なのです。

挨拶から練習メニュー、指示、

全て言葉を使います。

口に出す言葉には文字とは違った力があると思います。

目と同様に、気持ちがこもります。


言葉が丁寧であれば受け取る側も丁寧です。

言葉がフランクであれば受け取る側もフランクになります。

言葉が冷たいと受け取る側も冷たい。


上手に使い分けると、伝えたい事がうまく伝わります。


それでは具体的な例をあげてみましょう。

ミスをしてしまった生徒には、必ず原因があります。

その指摘についてです。


下回転を持ち上げるドライブの練習で、弾いてしまうミスをした生徒へ回転をかけるよう指導するとき

(回転をかける指導法やかけれるようになる伝え方については今回置いておきます。少し雑な指導ですが回転をかけるよう言うケースです。)


ダメだよ、ちゃんと回転かけて!

と伝えるか


大丈夫だよ、次は回転かけて!

と伝えるか。

生徒側の受け取り方が変わってきます。


回転をかけて欲しいことは同じですが、

ダメだよ、大丈夫だよ

の違いは非常に大きいのです。


前者はミスへの否定が入ります。

否定されると、まずは自信をなくします。

自信をなくすと、意欲が低下します。

練習の質が下がります。


それに対して後者は

ミスしたこと(過去)を肯定してます。

素直に次の言葉が意識に入ってきます。


指導者側としても、わざわざ生徒の意欲をさげたくはないですよね。

そしてまたミスしたことよりも、次は回転かけるよう意識してもらった方が結果もでて絶対良いのです。


ちなみに

大丈夫というと、ミスして大丈夫なの?

という疑問がわきそうですが、

ミスがそのままで大丈夫じゃないことは生徒もわかってますので、そう受け取る心配はあまりないです。

ここでの大丈夫というのは、

あなたの頑張った結果を認めますよ、といったニュアンスです。

もっと言うと、大丈夫だよ、(今はミスをしましたが、あなたは頑張ってます。なので) 次は回転をかけて!


という感じでしょうか。


また、


次は回転をかけて!


の部分も他のパターンを見ていきましょう。


1.回転をかけなきゃダメだよ!

2.回転をかけなさい!

3.回転をかけると良さそうだよ!

4.回転をかけてほしいなあ


それぞれ意味は同じですが、

受け取り方はかわりますよね。


1.2は しなきゃいけない

3.4は やってみよう


生徒は一瞬でもそんな心理状況になります。


1.2を続けると生徒は受動的に

3.4を続けると生徒は主体的に

これは練習に対する姿勢だったり、長期に及べば性格面も変化が現れるはずです。(子供の場合、本来の性格からどんどん離されていくと多分ストレスからグレます)



そしてさらに

これはかなり応用が効きます。

実は3.4のような、言葉は

i言葉(アイことば、またアイメッセージと呼ぶこともあります)と呼ばれる言葉で

主語が私で始まる言葉です。

私は 回転かけると良い(と思う)よ

私は (あなたに)回転をかけてほしい


主語が私になると

私の気持ちをオープンに伝える スタンスです。

この場合相手はその気持ち自体を否定することが出来ません。

相手を尊重した上で、自分の気持ちを伝える言葉になります。

叱ったり注意したり相手と意見が対立している時も、これは聞く耳を持ってもらえる有効な言葉なのです。


他にもたくさんありますが、、

このように

言葉には表面上だけじゃなく非常に深い意味があります。

生徒の受け取り方にも気を配り

気持ちを込めた言葉を使っていくと、信頼関係もより深まっていきます。

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