否定しない指導


生徒が間違ったことをしている時、正しい方向へ導くのも指導です。

大切なことは、〝導く〟という姿勢です。

子供達だと特に、否定系で注意したりすることもあると思いますが、指導者としても注意したくてしてるわけではないと思います。

褒めれるなら褒めたい。

わざわざ人を否定したくないのが本心だと思います。

(まれに気に入らないと否定したがる方がいますが、そんな方は是非素直になって、周りだけでなく自分自身のことも認めてあげてみると良いかもしれません。)


あくまでも直すべき点があるから、そこで否定したくなるものだと思います。


例えば

生徒がふざけている場合、練習はふざけてはダメだと指導します。

人の言うことを聞かない時、人の言うことを聞きなさいと指導します。

人の悪口を言う時は、悪口を言ってはいけませんと指導します。


もちろん必要なことです。

間違いないことを言っています。


しかし、

◯◯しなきゃいけない

◯◯してはいけない

これを押し付けて本当に正しく導くことになるのでしょうか?


主体的と受動的 という記事でも取り上げましたが、この二つの意識は受動的な取り組みです。

本人達の本当の意志にまだ至ってません。

やがて、「そうか!だからこれはダメな事なのか」と理解し、主体的な行動になることはあると思いますが、間違った伝え方をすると必ずしもそうなるとは限りません。


特に指導者が、攻撃的な口調で注意した場合

生徒(子供達)は攻撃的な口調も学びます。

ふざけることは悪いことだからそんな人を攻撃しても良い、と学びます。


そしてさらに

ダメなこと、悪いこと、

という答えを強く押し付けることで、

なぜダメなのか?、なぜ悪いのか?、という本質についての理解が疎かになるかもしれません。(これについてはかなり人によって個人差があります。)


否定しない指導

それはその本質と向き合わせるための指導です。


生徒と向き合ってください

「あなたはなぜそれをしてしまうのですか?

そして先生はこう思うけど、あなたはどう思いますか?

これからはどうしようと思いますか?」



生徒自らの思考で、取り組み方を選択させてください。

指導者自身が、ダメなものはダメだ!と考えていることに対して、その姿勢を見せるのは良いのですが、

それはあくまでも指導者の常識や意見として、生徒に強要すべき事ではないのです。

このやり方はたしかに時間がかかるかもしれません。

しかし生徒が今後も自分自身で考えて成長するために、長期的な視野で見ると大切なことです。

すぐに結果を求めるべきではありません。


生徒の意思を尊重しましょう。

そうすると生徒もこちらの意見を尊重します。

意見が2つあって、それらと素直に向き合うことができます。

時に間違いがあっても、きちんと向き合うことで理解できます。



さて、

ここまで読むと、子供への指導法かと思われるかもしれません。

しかし大人へ対してもも根本的なことは同じです。


例をあげます。

カットマンの生徒が試合中に、セットを競り落としました。

生徒本人としては次はもう少し変化をつけて、攻撃も増やしていこうと考えながらベンチへ向かうと

指導者から口一番

ミスが多いから競り負けた、次は攻めてはいけない!と言われるとします。

指導者から見ると対戦相手もかなりミスをしていて、守れば勝てると感じたのです。これは事実だったとします。


生徒は、攻めれる感覚があったのですが、攻めるなと言われて、とりあえず守ろうと気持ちを切り替えます。

次のセット中、

ラリーの序盤から何度も甘い球が来たとします。


生徒はここで躊躇せず攻めることができるのでしょうか?

そしてそこで守りを選択して失点を重ねるとどうなるでしょうか?


攻めてはいけないという考え方を押し付けられた結果、もはや全般に戸惑いを覚えます。

生徒本人の考えと違うので、プレーの方針がわからなくなるのです。



つまり、

指導者はあくまで選択肢を提示するべきなのです。考えるのは生徒です。

相手もミスがあるから難しい球は無理せず処理すると良いですよ。

といった具合でしょうか。


そしてもちろんこれは練習でも同様のものがあります。

ブロックは前で打ちなさい、

ストップの打点は早くないとダメ

より

ブロックの際の打球位置と体の関係について指導しましょう。

打点を下げたストップがあることも認めた上で、メリットデメリットから今必要な事を考えてもらいましょう。

もちろん、できないことに対して意見を求められたら、自分が正しいと思う答えを提示します。

それも指導です。

しかし、卓球を理解していくためには選択肢についての理解が後々必要となります。

(難しい事は嫌でゆるく楽しみたい人は無理せずそれなりで良いかと思います、あくまで試合を目指す方向けです。)


否定する指導より、

選択肢を増やして正解に導くような指導を心がけましょう。

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