見出し画像

主体的と受動的


もし卓球をうまくなりたいと感じたら、

卓球を好きだったとしたら、

卓球が楽しかったとしたら

きっと言わずとも努力をするでしょう。(ダメと言われてもやるかもしれません。)

その努力は主体的な努力です。

もちろん程度は様々ですが、四六時中卓球のこと考えることが全く苦にならなかったり、キツい多球練習でさえ前向きに取り組める、

この場合ストレスが少ないので、練習時間もあっと言う間に過ぎていく感覚があり、

さらに指導者が必要と感じれば指導者を求める行動をも起こします。

結果としてどんどん上達し続けます。

卓球を始めてから、卓球教室に通いたい!と言った学生や大人の方もまさにその状態でしょう。

これは上達する理想的な状態です。


逆に、受動的な努力について

こちらは何かしらの理由が存在して、やらなきゃいけない という考えから努力するケースです。

怒られるからやらなきゃいけない

怠けてはいけない

勝たなくてはいけない

これら全て受動的な努力です。

こちらは、ストレスがかかります。

やっていても疲労を感じやすく、努力をしていること自体にエネルギーを消費するイメージです。

特に真面目な子供は、あまり圧力をかけなくてもこのように卓球をしてしまう事がよくあります。

それでも正しい行動を続ければたしかに上達はします。

しかし、圧力からやらされると卓球自体を嫌いになる可能性も存在します。

また、自分で考える力も主体的な努力と比べて身につきません。

周りの圧力や雑念が入ると、素直に卓球と向き合いにくいのです。

大人だったら趣味で自ら行う卓球にそんなことはないと思いますが、この状態の学生はいるかと思います。




主体的な努力と、受動的な努力

こうして並べてみると、理想は主体的な努力をする状態であることがわかると思います。

生徒の主体的な努力を尊重し、それをサポートするのが指導者だと私は考えます。


しかし受動的な努力にもメリットがないわけではありません。

基本的に指導者であれば生徒達の知らない知識や技術、また経験もあるはずです。

その観点から生徒にとって今上達に必要な最善の方法を提示することができます。

それが生徒達の苦手なフットワーク練習だったり、地味なサーブレシーブの練習だったりします。

代表的なのは筋力トレーニング。大方の生徒から特に人気のないメニューです。


それでも指導者は筋力トレーニングの重要性を知っています。球の威力に限らず、体勢が整っていない状況で安定した返球はできません。

体作りに適した年齢である中学生高校生に対しては練習メニューに組み込まれている事が多いと思います。(もちろんトレーニングにも正しい知識が必要です。トレーニングが全てという訳でもありません)


何事も主体的な努力で行えたら良いのですが、

生徒の目線でトレーニングの重要性を理解出来るかどうかは難しいポイントです。

それはトレーニングを行なって良くなった実感がないからです。

(同時に卓球の練習もするはずなので、トレーニングのおかげで良くなったと感じにくいのは仕方がない事だと思います。)

実感がないことには、口ではトレーニングは大事だと言っていても、〝やらなきゃいけない〟気持ちは残ります。

主体的努力と最善の練習の両立は、このように時々問題が生じることもあります。



解決策として、

もし必要である実感さえわけば、

受動的な努力として始まったものも

主体的な努力に切り替わる可能性があります。(好みや価値観は存在しますのであくまでも可能性です。)



ここで卓球とは関係のない例をあげます。


私達大人は子供の頃から、挨拶しなさいと大人達に言われます。

親と出掛けて親の友人に出会うときまって、挨拶しなさい!と言われ、誰だか知らない人に渋々挨拶をしてきました。

私は子供の頃、特に初対面の人は苦手だったので渋々というより嫌々挨拶してきた気がします。

きっと自分以外の方も子供の頃そうやって挨拶を覚えてきた方がいるかと思います。


しかし年を重ねると

挨拶はとっても大切なことだと知ります。

人との繋がりは人生を彩る大切な要素ですが、

そのコミニュケーションの第一歩が挨拶だったと気づきます。

挨拶しなさいと言った親、また学校の先生方もその大切さを知っていて伝えたかったのかもしれません。(きっとそうだと信じてます


大切さに気づくと

もっと元気に挨拶してみようとか、笑顔で挨拶してみようとか、目を見て挨拶してみようとか、何か一言添えてみようとか

そういうところまで考えて楽しめるようになります。


このように受動的な努力(行動)も実感さえできれば主体的な努力に変わることがあります。


そうです!

もしどうしても生徒の成長のために、受動的努力が必要な場合、出来る限りその成果を実感させてあげてください。

たとえ実感しにくいことも指導者が生徒より先に成長に気付いて伝えるのです。


トレーニング頑張ってる生徒、スイングに体のブレがなくなってないでしょうか?踏ん張りが効いて遠くのボールを返球できていないでしょうか?

攻撃ばかりするのをやめて、繋ぐプレーを始めた生徒、前より簡単に負けなくなったりしていませんか?自分が繋ぐことで相手のミスが増えたことはありませんか?

人と会話することが苦手だった生徒、前より生き生きと卓球するようになっていませんか?


頑張っていることを認めて、こんなところが変わったよと伝えてあげてください。

もちろん生徒の上達は指導者が全てコントロール出来ないことです。

生徒の性格や考え方までコントロールしようとしては絶対にいけません。

あくまでも主体的努力のサポートが理想です。

しかしもし指導者が本当に必要なことだと感じて、

誠意を持って受動的な努力を勧めることは、生徒の可能性を引き出すことになるかもしれません。

生徒とよく向き合い、時には導く存在でいましょう。







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?