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ライカのレンズで見る写真の立体感

1. 写真の立体感

 最近の高級レンズは軒並みボケが綺麗ですね。ただしその代償として馬鹿でかく重く高価になっています。それと写真の立体感に明暗法が用いられるとなると。Carl Zeissなどはコントラストが高い描写になっています。ライカもコントラストの高さで立体感を出していますが、それ以外にZeissと違う方法で立体感を出しているようです。

2. ライカ Mレンズの宿命

 2.1 小型軽量

 ライカのカメラは一時一眼レフ化しようとして上手くいかず、レンジファインダーで撮影する事で、伝統を守ることが歴史の流れでいわれています。で、オスカー・パルナックが、ライカのプロトタイプを作ったときに「小さくて軽くて持ち運びしやすく綺麗に写る」ために開発されたようです(彼は喘息を抱えていたそうで大型のカメラを担いで山に写真を撮りに行っていたそうな)。

 つまり、ライカのMマウントは原則小型軽量である事が宿命なのです。まあノクチルクスなどの例外もあるんですけどねw。で、勘のいいかたはこれでわかるかと思うのですが、一番分かりやすい立体感の出し方は被写界深度を浅くすること、すなわちレンズの大口径化なんですが(実はこれ、Carl Zeissがやってきました)、この小型軽量が原則にあると安易に出来ません。

 2.2  MFであること

 もうひとつ、大口径化すると問題になるのがピントの精度です。確かにM型のレンジファインダーはみやすいのですが、MFですので現在のAFのような精度はなかなかでにくい。となると大口径で被写界深度を浅くするやり方はMFではそこそこ技術のいる撮影になってしまいます。まあ、ライカ買う年代は老眼も多いでしょうしw。ですのでカミソリレンズのAPO-SUMICRON 50mmはF2になっています。これ、F1.4にしたらピント位置が厳しそうですし、ライカのユーザーから文句が出そうですw

3.ライカレンズとして3D化

 随分ながく引っ張りましたが、ここからは推測ですw

 じゃあライカの立体感はどうやってつくっているか? どうもライカのレンズは、ピント位置と過焦点距離で解像感(ひょっとすると解像度も)を変えているのではないかってことです。まったく分かりにくい説明ですがw、被写体にピントが合う、すなわちレンズが合焦したときに被写体の距離の前後でもピントが合います。いわゆる被写界深度ですね。このときの合焦の中心から合焦しているまでの距離が過焦点距離です。原則この位置はピントがあってはっきり見えますが、どーもライカのレンズはピントの中心で解像度がピークにきておりその後割と急に解像感がおちるようです。ほら、「ライカって独特の写らなさがあるよね」っていわれるのはピントの中心をはずしているときかと。これはライカのレンズ以外でもおこりますし、写真の講評なんかでもかかれてますね。

 で、このメリットはボケが綺麗に見えるんです。被写界深度内で解像度があんまり変わらないと独特のべたーっとした写真になってしまう感じですね。昔の廉価な広角単焦点はこういう写りだったかと。

 ですのでライカのレンズは被写界深度と解像感を同時に見る必要がありますし、その変化の面白さがわかると(多分他のメーカーの大口径レンズをいろいろ使った後で)その描写が面白いと思えるのかなっておもいます。

 とまあ、推測で書いていたのですが、割とあたっているみたいですw。2019年10月にライカのレンズ開発責任者であるピーター・カルベ氏が来日公演で、「ボケの立ち上がりが通常のレンズと違うためボケ味が綺麗」という説明をされているみたいです。詳しくはこちらで、2:18秒くらいの説明をどーぞ

4. ライカの小口径レンズでも空気が写る?

 これも感覚的によく言われる言葉なんですが、もしも被写界深度と解像感がパラレルに変化しないとなるとF値の暗いレンズでは、ピントは着てるんだけどすこし解像感が落ちたような描写になって、これが他のメーカーではできない独特の描写になっている気がします。解像度重視のライカならこういうことやってそうな気がするなぁwww

 

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