アメリカ英語の発音の原理とは?(第1弾)
アメリカ英語には、アメリカ英語独特の発音の原理というものがあります。
ところが、日本の英語学習者は、この“アメリカ英語の発音の原理”というものを知らない、というよりも学習していないのです。つまり、これまで、この原理を学習する機会がなかったのです。
なぜなら、発音を指導する立場の人でさえ、
この”発音の原理“の存在に気づいていなかったからです。
この“発音の原理”を認識し、この原理に沿って学習すれば、アメリカ英語の発音は、あっけないくらい簡単に習得できるのです。習得できる、というよりも習得できてしまうのです。
ここから、”アメリカ英語の発音の原理“について説明していきます。
私たち日本人の母語は日本語です。日本語は、一切 舌に力を込めることなく話す言語です。従って、私たち日本人の発声時の舌は、一部を除いて盛り上がることなく低い位置に留まっています。英語を話すときも、日本語を話すときと同じように話します。従って、舌の後部と上アゴの奥の部分の空間は広くなっています。(下図参照)
ところが、英語、特にアメリカ英語は、発声時には、舌の付け根(=根っこ)の部分に力を込める、または、舌の奥部を喉の奥に引き込むような感じにする、もしくは、下の奥歯を下げて上の奥歯との間を広くする、あるいは、下の前歯を上の前歯よりも前に出すといったことのどれかを行って舌の後部を盛り上げ、舌の後部と上アゴの奥部の柔らかい部分(=軟口蓋)の間を狭くしておいて発声する言語なのです。
(下図参照)
さらに、アメリカ英語を話すネイティブの人たちは、音声を鼻音化して発音します。音声の鼻音化とは、口蓋垂(いわゆるノドチンコ)を下げておいて発音することが常態化しているということです。
つまり、アメリカ英語を話すネイティブの人たちは、最も良い響きになる音声を出すために、上の図のような状態を、発声時の”舌のホームポジション“としているということです。
英語の発音を苦手にしている英語学習者でも、舌を上の図のようにしておいて発音することで、口腔の奥部を通過する呼気の勢いが、英語ネイティブのように強くなります。
次に、狭い空間を通過する音声は、狭い空間の中で舌や軟口蓋、それに口蓋垂等(=下図ピンクの部分)を強く振動させながら通過します。この振動が、日本語にはない英語ネイティブの心地よい音声の響きとなって口から出て行くのです。
(下図参照)
呼気が強くなったり、音声がよく響くようになるだけでなく、舌の後部を盛り上げておいて発声することにより、英語の発音を苦手にしている私たち日本人にとって最も嬉しい変化が発生します。
この変化がどのようなものかと言いますと、私たちが話している日本語の発音の調音位置が、自動的にアメリカ英語の発音の調音位置に移動するというものです。
もっと具体的に言えば、これまでは日本語の[イ]と[エ]の中間の音だと言われていた英語の
/ɪ/の発音が、日本語の感覚で[イ]と発音しても英語の/ɪ/の発音になっていたり、[ア]としか発音できない、あるいは[ア]のようにしか聞こえなかった英語の/ə//ʌ//a//æ//ɑ//ɚ/の発音が、口の開け方や音声に強弱等をつけて発音することで、明確に区別して発音できるようになるということです。
つまり、もう個々の発音の仕方を、発音時にいちいち意識しなくても、アメリカ英語の発音を日本語を発音する感覚で、容易に身に付けることができるということなのです。
第1弾は以上です。
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