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小売業界のトレンドをキャッチアップする 記事まとめ

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海外動向を中心に、小売業界のトレンドや注目のスタートアップ企業の取り組みを紹介。情報のキャッチアップにご活用ください!
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#サステナビリティ

Web3.0の時代、ブロックチェーンは小売業界に何をもたらすのか?

社会やビジネスに大きな変化をもたらす可能性があるとして、国内外でさらなる発展が期待されている「Web3.0(ウェブスリー)」。日本でも2022年に経済産業省が大臣官房に「Web3.0政策推進室」を設置し、事業環境整備に向けた検討体制を強化しています。今回は経産省の資料を参考に Web3.0の概念をお伝えするとともに、小売業界の課題解決にWeb3.0がどのように貢献しうるのか?Web3.0の基盤技術の一つとされるブロックチェーンの活用にチャレンジしている海外事例を交えながらご紹

サステナブルな国の小売系スタートアップ。~北欧のイノベーション事情(後編)

前回、ユニコーン企業を続々と輩出する北欧について、特に欧州のイノベーションリーダーとして有名なスウェーデンの取り組みを参考に、北欧ならではの文化や歴史がイノベーションを後押ししていることを紹介しました。 今回は引き続きスウェーデンに着目し、イノベーションとサステナビリティの関係性や、サステナビリティ×小売領域に挑戦するスタートアップ企業について調べてみました。 そして、競争力のある国へスウェーデンは「イノベーション大国」というだけではなく「福祉の国」「ノーベル賞の国」「サ

マインクラフトやSpotifyを生み出した文化とは?~北欧のイノベーション事情(前編)

スタートアップ企業と言えばシリコンバレーが有名ですが、他にもユニコーン企業が多数輩出しているエリアが存在します。 今回は前編、後編の2回に分けて「Unicorn Factory」と表現されることもある北欧に注目。次々とユニコーン企業が輩出される背景にある歴史や文化、そして“サステナビリティとイノベーションの関係性“、“サステナビリティ×リテール領域”で活躍するスタートアップについても紹介したいと思います。 評価額10億ドル以上のユニコーン企業を続々と輩出する北欧北欧のユニ

小売企業とSDGs17の目標。関係性が深いのは?

SDGs達成に向けた取り組みがグローバル規模で拡大・加速していく中、小売業界でも大手・中小にかかわらず持続可能な社会の実現に貢献するアクションに注力する企業が増えています。そこで今回は、SDGsで2030年までに達成することを目指している17の目標のうち、小売企業と関係性が深い目標は何なのかを調べてみたいと思います。 SDGs達成度ランキング上位はヨーロッパが独占。日本は19位2022年6月、国際的な研究組織である「持続可能な開発ソリューション・ネットワーク(SDSN)」は

アパレル業界で急速に進むリユース文化

近年、「サーキュラーエコノミー(循環経済)」の活動が世界規模で活発になる中、リセール(再販)市場が大きな盛り上がりを見せています。特にアパレル業界では古着や消費者同士の再販などを通してリユース(再利用)する文化が定着しています。今回は海外のアパレル業界におけるリユースの潮流や、それに伴うスタートアップの動きを調べてみました。 2030年に向けて急成長が期待される、アパレルのリユース市場米国Mercari,Inc.が2021年に発表したレポートによると、全米のリセール市場の2

海外動向から探る、電子レシート普及の可能性

DXやサステナビリティの観点から、レシートのペーパーレス化を実現する「電子レシート」に注目が集まっています。 国内では経済産業省が「IoT等を活用したサプライチェーンのスマート化」の取り組みの一つとして、電子レシートの活用について積極的に推進し、仕様の標準化や実証実験が進んでいます。 今回は、電子レシートが浸透した社会をよりイメージするために、日本よりも電子レシートの普及が進んでいるアメリカの動向を見てみましょう。 環境団体をはじめ、電子レシート推進に積極的なアメリカア

廃棄ロス問題を解決するダイナミックプライシングの可能性

小売の利益向上に貢献する「ダイナミックプライシング」商品・サービスの価格を需要と供給に応じて変動する「ダイナミックプライシング」が注目されています。 古くから航空業界やホテル業界では大型連休などの繁忙期に価格を上げ、逆に閑散期は価格を下げるダイナミックプライシングを取り入れたり、昼と深夜帯で変わる高速料金もダイナミックプライシングの一種です。 このようにダイナミックプライシング自体は目新しい仕組みではないのですが、近年、データやテクノロジーを活用することで、より柔軟で高精