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20240317 正直さと不正直さの脳のメカニズム

少し前に「なんでそんな嘘をつき続けていたんだ?」っていう話があって、最初は気にしてなかったけどなんだかモヤモヤしてきた。

その人物の評価を見誤ったのもあるし、信頼関係を築けていなかった自分が悪いと思う。

というより、なんでも話せる信頼していた人物だからかなり失望した。


で、ちょっと前に読んだ、神戸学院大学であった2019年度心理学部術講演会「正直さと不正直さの脳のメカニズム」の内容を思い出した。

https://www.psy.kobegakuin.ac.jp/~kgjpsy/2_2/pdf/05_202003.pdf

「正直さとは『自動的』なプロセスである」「正直さとは『意図的』なプロセスである」という2 種類の仮説を脳の活動から分析した研究。

自動的なプロセスは「人間は、善を行うべき本性を先天的に有している。学習したり、より高次なプロセスによって、悪い行いが生じるのだ」という性善説的な考え方。

その反対に、意図的なプロセスは「人間の本性は利己的欲望であり、善の行為は後天的習得によって可能である」つまり、「うそをついて利益を得ることができる状況であれば、むしろうそをつくことのほうが自然であって、正直に振る舞うことはより高次な学習によって初めて可能なプロセスになる」という性悪説的な考え方。

脳の報酬感受性を司る部分の活動が活発か、活発でないかで嘘つきと正直者が分類できるそうだ。

報酬に対する誘惑を感じやすい、報酬感受性が高い人間は、得できるなら嘘でもいいという考えが最初に生れ、それを抑制するために前頭葉を使わなければならない。意図的な正直者。

逆に、報酬に対する誘惑を感じにくい、報酬感受性が低い人間は、前頭葉を使わなくても、そもそも嘘をつかない。自動的な正直者。

つまり、正直者も嘘つきも、性善説も性悪説も、人間の個性として持ち合わせていて、この世にはどちらも共存しているという話。

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