玄黄海

独りきりの日々を言の葉に乗せて。

玄黄海

独りきりの日々を言の葉に乗せて。

最近の記事

絶望の崖

朝日と出会うたびに、なにかがあるようにも、なにもないようにも思える。 そして一日が終わる頃には、なにもなかったと呟いて窓を閉める。 きょうも長い夜が始まる。 怯えながら耐え忍ぶ時間が続く。 あまりにも微細な、残酷なほど透明な希望をそっと握りしめ、朝日を待ちわびる。 悪魔がささやく。誰よりも優しく私を抱きしめる。 また一歩、絶望の崖に近づいていく。

    • キミを想う

      昼夜を問わずキミを想う。 1日も欠かさずにキミを想う。 それでも断絶は続く。 キミは手が届かぬほど遠く離れ、影さえも感じることができない。 それでもなお、 昼夜を問わずキミを想う。 一生をかけてキミを想う。 この想いがいつか届く、そのことだけを信じて。

      • 掴んだあの手は幻影。 抱きしめた温もりは錯覚。 それならこの世に未練はない。 我が胸をえぐり、灰となって消えよう。

        • 枯葉

          樹が枯葉を切り捨てるのか? 枯葉が樹を見限るのか? それはどちらでもいい。 枯葉はただ風に乗る。 樹を置き去りにして高く舞う。 さらばとだけ言い残して、振り返ることもなく。