『さぼり』

2021.7.13

「6時だよ」
声を掛けられて目覚める

12時間も眠った身体は
エアコンの風に冷えて痛かった
加湿器をつけているのに
いつも喉が渇く

濡らしたままの髪の毛が
グシャグシャだった

今日は10時に家を出なければならない
英語の授業をとっていたはずだ

重い身体を起こす気になれず
頭が痛いと勘違いしてみる
段々とそれは現実になってきて
頭が痛いと布団に潜り込んだ

結局授業はサボった
自分で受ける授業を決めているから
別にサボったという程のことでは無いのだけれど

音が聞きたくないから
ブイログを流す

所謂「丁寧な暮らし」をしたいとは思わない
でも
好きなものに囲まれて
自分の落ち着く空間で
生きていたい

動画内で紹介された
小豆かぼちゃ

よく冬至の時に食べる
山形の郷土料理らしい
しかもいとこ煮という名前だそう
普通に食べるものすぎて知らなかった

はちみつレモンと
梅酒を作りたい

思いつつ行動に移せていないのが
憧れられるあの人との違いだろう

見ている側と
してい側は
平行線だから

14時過ぎに
読む小説がなくなったので
母から借りた『リボルバー』を開く

ラジオを流しながら
内容は聴かず読み進める

ひとの声や
クラシックの音楽だとか
そういうものがあると
落ち着いた気分になる

平日に一人部屋にこもっていることの
罪悪感が薄れてゆく

『リボルバー』は
短い時間の中のお話だった
過去の内容を謎解いていくから
プラマイゼロになるのかもしれない

『medium』のほうでは
知らぬ間に長期間が経っているから
ギャップをより強く感じたのだろうか

一日ぶりの夕飯を食べる
あったかくて美味しい

布団に潜り込む
長い配信とぬるいお風呂で身体が冷える
なんとなく
いい日だった



おわり



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