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【好きだから、思い出にしよう】

[Intro]

こんばんは。ひょんなことから離婚と再婚をコミカルタッチに書くことになったアラフォーの私。ぜひ、隙間時間にエピソード1からお読みいただけたら嬉しいです。

[ざっくりあらすじ]

とはいえ時間がなくて、本編から読んでいただける方へ:
離婚を決意し、東京から大阪へ出戻ったアラフォーのバツイチ子持ちが10歳下の彼に出会って運命を感じ、数々の障壁を乗り越えて再婚するまでのありそうでなさそうな大冒険のお話です。

前回、完全に彼が運命の人だと確信しながらももどかしい距離感のまま再び遠距離になった私たち。

でも今回、大きくこの運命が動こうとしている!!
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ひょんなことから、私は彼の家に泊めてもらうことになった。

いつも執拗に「ひょん」が起こる私たち。
今回は、私の高校時代のわんぱくな夏の過ごし方を話したところ、
なんだかよくわからないけどお泊まり会をすることになった。

高校時代、変わった友人との過ごし方。
夜の10時にTSUTAYAへ行き5本DVDを借りる。
そしてそれを当日返却に設定し、あえてリミットを課す。
翌朝の10時までに返さないと延滞料金が大変なことになる。(高校生には死活問題)

時間内で全てを見終わって、寝ずにすべて見切った人の勝ちという誰も得しないゲーム。(アホすぎる。)

 DVDのジャンルも被らぬように入念にチョイスする。
(入念な奴はそもそもこんなことせん。)
チョイス例はこう。
1、岩井俊二的な普通に面白い映画枠
2、ジャッキーチェン的な格闘系
3、バラエティ系
4、ホラー系
5、フランダースの犬的な感動系

最後のフランダースが天に召される頃には眠気でほとんどの友人が眠気で天に召されていく。
(そして大体私が勝つ)

勝った勲章に、寝た奴全員に油性ペンで恥ずかしい落書きをする。
(アホがすぎる)

その状態で翌朝、TSUTAYAに返却に行かせるのだ。
(楽しかったなぁ。あの頃。)


そんな高校生の過ごし方を彼にシェアした際、それを僕らもやろう!ということに。

NETFLIXで夜通し好きな映画を流す会withノンアルでも飲みながら。

歯がゆいよね。
楽しいよね。
こういう計画を立ててる時間が一番楽しんだよね。

私は、東京出張にかませて、テンション上がりすぎたのか仕事を入れまくり、気づいたら3泊4日の計画で彼の家にお世話になることになっていた。
(わざとじゃないよ?)


彼は、ちょくちょくLINEで、

私にゴワゴワのタオル使わせられないのでふわふわのタオルを買ったとか、
どんな料理を振る舞うか、とか

こちらの心拍数を上げることばかり言ってくる。

今考えたら、お互いだいぶ気になっているのは明確だけど、
でもその頃はまだ先が見えなかった。

自分達の未来は自分達だけのものではないのはわかっているから。

バツイチ子持ちが新たに恋愛すること
シングル20代がいきなりバツイチ子持ちを受け入れること

それは容易なことじゃない。
でも、どんな関係であっても、私たちは集えば一番楽しいのは明確だった。


仕事を終え、やっぱり会社の人にバレないように少し離れた場所で待ち合わせをして彼の家へ向かった。

楽しみで仕方ない。
長時間、彼と一緒にすごせる初めての日。

彼は、パルミジャーノ・レッジャーノを用いたレモンクリームパスタを作ってくれた。
おしゃれか。

カナダに留学していた時に、しこたま料理をして腕をあげたんだそう。

味は、目からドンペリが出るほど美味かった(どういうこと)。
こんなに美味いパスタは食べたことない。

私が、「ううううううううんんまぁぁぁぁ!!!!!こんなうまいことこの世にある?!!!!!」

と大声を出しながら半泣きで食べるもんだから(可愛くないw)

すごく、すごく喜んでくれていた。

料理ができる男性は国宝にしたらいいと思います。

夜は、ずっとおしゃべりして、彼の好きなラッパーの動画を見たり、おすすめの音楽を教えてもらったり話が尽きない。

翌朝、秩父に遠足に行くことが決まっていたので早々に寝ることにした。

絶妙な距離感で眠るから逆にドキドキする。
眠りはお互い激浅だった。

翌朝、起きて秩父へ。
バスで眠る彼と、初めて手を繋いだ。

なんだか、この遠足が最後になる気がして、切なくて涙が出てきた。


話さないといけないこと、たくさん、ある。


そしてその夜、

その時が来た。

これからの関係について、
友情でとどまるのか、その先に行くのか。


彼は言った。

「正直、このまま行くと、もう後戻りできない気がする。

きっと、このまま付き合っても、

俺はあなたに依存してしまう。

何も考えずにいうと、

俺はあなたのことが好き。

この関係が特別すぎて、壊れるのがすごく怖かった。

こんな人、二度と会えない。
絶対にどこにもいない。

シングル同士なら、きっとめちゃくちゃ上手く行くと思う。

でも、俺はいつか結婚したい。
正直、瀬菜さんの子どもを、受け入れられるのかわからない。

お互いのために、今は付き合うべきじゃないと思う。

最高の思い出として、
胸にしまっておいていいかな…。」


泣きながら、彼は言った。


私も、続けた。


「何にも考えずいうと、

私も、あなたが大好き。
でも、きっと付き合っても、子供がいること、会いたい時に会えないこと、今はあなたの"癒し"になれてるかもしれないけど、

いつか喧嘩して私があなたを"傷つける対象"になるかもしれない。
それだけは避けたい。

私にとって、あなたが幸せになるのが最優先。
だから、あなたにいつかすごく好きな人ができて、付き合って家族ができること、全力で応援する。

付き合ったら終わりが来るかもしれないけど、あなたとは一生の縁だと確信してるから


今まで通り、友達として仲良くしよう。

恋愛相談だって聞いてあげる。
私だって彼氏ができるかもしれないし。

明日の朝目覚めたら、
ちゃんと友達するから。

だから、今はまだ言わせて。

大好き。」


いい大人ふたりして、ティッシュが空になるまで泣いた。


私たちは、どこに向かってたんだろう。

そして、これからどこに向かっていくんだろう。


私「あなたは、可愛い奥さんもらって、家族作って。


私は娘がちゃんと自立するように育てる。

その先にまた、何かの縁が交差することがあったら、その時付き合おう。

心配しないで、


私はあなたの人生からいなくならないから。」


やっぱり彼はたくさん泣いてた。


この三日、

「俺のミッションは、子育てと仕事に疲れたあなたを全力で癒すことです!」

そう言って、コーヒーを淹れてくれたり、家事を全てこなしてくれたり、料理を振る舞ってくれたり。

本当に愛を感じた3日間だった。


新幹線に乗り込んだ瞬間、


私は泣き崩れてしまった。


大きなツバつきの帽子で顔を多い隠し、


2時間半泣き続けた。 
 

人生で、こんなこと初めてだった。


深夜に実家につき、
布団に入ってからも枕を彼に見立ててぎゅーっと抱きしめ眠りについた。


彼の家で洗濯した寝巻きが、まだ彼の匂いがする。


さっきまでそばにいたのに。


だめだ。

前へ進まないと。

離婚して、こんなに早く、思いっきり泣ける恋をできたなんて幸せじゃないか。

こんなに愛している人に、この短い人生で出会えるなんて、奇跡じゃないか。

会えなくなるわけじゃない、
死んだわけじゃない、
いつでも会える。


ただ今は、「友達」という道を選んだだけ。


完全に浮かれていた数ヶ月、


バツイチ子持ちの恋愛という大きな壁を目の当たりにした。


こうやって、


これからも少しずつ何かを諦めてメンタルを鋼にし、


私は立派なおばさんになっていくのだろうな。


私「私たち、


何も失ってないよね…。」


彼「失って、ないのかな…。」


彼「本当はもっと、色々考えないといけないんだろうけど、

今は、勉強や掃除をして

何も考えなくしてる。


何が幸せかわからなくなる。


また、あなたに会えるかな。」


私「会えるよ。」


彼「ずっと涙が止まらないけど、

寝不足だからだって信じてる。笑」


私「私も、新幹線でずっと泣いてたけど、


寝不足だからだって信じてる笑」


私「今日はもう寝よう。おやすみ。」


そうLINEして、


長く、短い、燃えるような3日間が終わった。


次回、私たちは新たな道に進み始める。


To be continued…



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