猫を抱えていた

飼っている猫を重いなあと思いながら抱えて、地元の商店街を歩いていた。
商店街ではたくさんの野菜が並ぶ市場が開かれていて、私の猫はいつもは家の中でしか自分を出せないのに、なぜか物怖じしない様子であちらへ行ったりこちらへ行ったりして散策を楽しんでいた。

猫が私から20mくらい離れて曲がり角を曲がろうとした時、私は大声を出して猫の名前を呼んだ。
二匹いるうちの一匹は家で寛いでいる、大丈夫だと思えるのに、もう一匹は一緒にいても僅かに離れるだけでも不安だった。

猫は八百屋の、地面にたくさん置かれた野菜の山の中で、ナスを舐めていた。
「売り物だからダメよ」と言って猫を拾いあげるけれども、体を捩らせる猫はいつもより重く、抱くのが大変だった。
猫を抱いたあと、ここはいつも住んでいる場所ではないと途方に暮れた。

リードを買わなくては、そうしたら自分の力で歩けるから散歩を楽しめるかもしれない。
でもペットショップは遠すぎてそこにいくまで抱きかかえていられない気がした。
家は商店街から1駅ほど離れていてそこまで歩いていくのも大変だと思った。
猫を抱きながら途方に暮れていた。

そんな夢をみた。

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