夢〜社会の擬人像〜

家に怖い兵隊のような女性が来た。
ドアの隙間に帽子を置いて、「忘れ物があったので届けに来ました」と言う。
身なりはどうやら警察官のようで、家にいた別の人がドアを開ける。

ドアを開けるとその人はなにか紙をかざしながら
「この家がうるさかったので言いに来ました、静かにしてくださいね」
と言う。

威圧感がすごかった。
従わなければこの世から抹殺される気がした。

目が覚めた今思えばあの女性は「社会」を擬人化した存在だったんだろうと思う。
こちらの話には耳を貸さず紙(おそらくルール)を誇らしげにかざして、したがえと圧力をかける。
そこに抗おうとする人は受け入れないとその姿勢が物語っていた。

身長が高くて、ショートカットで、細身で、姿勢がとてもよかった。
警官に似た服を着ていて長めのブーツを履いていた。

怖かった、ぜったいにドアは開けないほうがいいと思ったが開けざるをえなかった。
玄関の曇りガラス越しに見えただけでおそろしかったのに、開けたら簡単に心をぐしゃぐしゃにされた感覚だった。

私と一緒にはしゃいでいた二人はその女の人を前に黙り込んだ。
私はその場から逃げようとした。
どう逃げたかわからないが、夢の中で私は新しい家に住んでいた。

ボロくて、大きな桶みたいなものに蛇口から捻った水をためただけで「風呂」といっているような汚く、狭い家。

でもその方が安心だった。
追いかけられていない気がした。

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