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好き、苦しい、覚悟

好きになることって苦しいことだと思う。
恋愛的な好きでも友達としての好きでも憧れの好きでも家族愛的な好きでもなんでも。

私はアイドルが好き。性別も、存在するかしないかも関係なくアイドルが好き。アイドルっていう文化が好き。ステージで輝く姿もステージから降りた気取らない姿も、「ファン」っていう得体の知れない集合体に対して愛していると感謝を伝えてくれる彼等、彼女達が好き。でもこの好きって行き場のない好きだなあと思ってしまうことがある。


お金を払えば直接言葉をかわせるアイドルだって、限られた時間で本心を全て話すことなんてできないし、親しい中でもないからこの気持ちが、この言葉が端から端まで本心だってことは、伝わっていないかもしれない。そもそも彼女達は一日に何人ものオタクを相手にしているのであって、一人一人の言葉一つ一つに本当かどうかなんて考えていないんだろう。だから、気持ちをちゃんと伝えて褒めて肯定して、画面の中の彼女は喜んでくれているけど時間になって、画面に映った彼女は消えて、また1人自分の部屋に戻された時には行き場の無い愛と虚しさだけが残る。かわいかった、楽しかった、話せて幸せになったという感情と一緒に残る虚しさを無視するのは難しくて、焦るように目の前のスマホを握ってSNSに感想を書く。虚しさから逃げるように、伝わらない愛を忘れないように。


この前、ライブが終わったあとの感情が「本気じゃなくて良かった〜」だった。ずっと好きだったけど、他にも好きなものが多すぎてしばらくちゃんと追えてなかったしお金も大してかけてないし正直優先順位もそんなに高くないグループのライブだった。でも、好きなのは全く嘘じゃないし、凄い好きだし、本当にライブが見たくて心から楽しみにして行った。終わった直後、いやライブの最中もかな、「このグループに本気になってたら、このグループしか好きじゃなかったら、好きすぎて苦しくなってたかもな」って思ってた。届かない場所にいる彼らとの距離に苦しくなる気持ちと、もし彼らの未来が自分の考える理想の未来にならなかった時の苦しさと彼らを理由もなく信頼できずに勝手に未来を心配してしまう自分への苦しさ。いや、本気じゃないとか言っといて今でも十分苦しいんだけどね。逃げの感情、苦しさからの逃避。ライブが本当に最高だったからこそ思っちゃったんだよね。

届かない距離へのもどかしさから来る苦しみと、信頼しきれずに疑ってしまう自分への苦しみ。好きって苦しいことだらけだな〜。恋愛のことはよくわかんないけど、世の中恋愛に限らず身近な人との人間関係で、負の苦しみだけじゃなくて正と正の感情どうしで苦しみあってる人間ばっかりだから、好きってやっぱりどんなときも苦しみが伴うんだと思う、たぶん。

私は、個人的な意見でしかいんだけど、好きって覚悟がいる感情だってずっと思ってて、理由がちゃんとあって誰に何を言われても簡単なことではゆらがなくて、好きから派生するどんな感情も受け止める覚悟があるべきだと思ってる。だから、アイドルっていう遠い存在のことを勝手に好きになって勝手に苦しんでる今の状況を受け止めた上で応援するし信じるし愛し続けていきたいよ。

普通の人から見たら自分から遠い存在に給料のほとんどを捧げて生活しているなんて馬鹿みたいだと思うかもしれないし、自分だって冷静に考えて私何してんだろって思う時もあるけど、こうしていないと生きていけないし、自分の好きを大事にして突き進まないと今の私は多分このままここに立っていられないんだと思う。

っていう、宛もないラブレターでした。おしまい。

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