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無意識と対話する

トップ画像、別注の染め和紙。
お客様より 以前求めた染め和紙が気に入ったので 同じような染めの和紙を大きなサイズで作ってくださいというオーダーが入った。
墨染めだし できるだろう と安易に受けてしまったけど・・・
百歩譲って 色目の濃さが 見本と違っちゃったのは目をつぶるとして、全体の出来上がりが よくない。納得いかない。
なんでだろう?

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こちらの写真は昨夜の月。
一期一会だよね、自然の風景。
染め和紙も 一期一会、同じものが二度とできない。
と いうのも ボクは白い紙を前にして和紙を染めるとき、
どこに赤色を置くか 黒い墨色はどのくらいの分量で赤色との境はぼかすのか カスレを入れるのか・・・などは 一切考えず(意識せず)その時のひらめきで 刷毛を(筆を)動かしていく。

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今回の別注の失敗は 「紙の大きさ 63cmを 三等分して グレーと 赤色の墨を 21cmずつ 分けて染めてください。」というオーダーを 忠実に守って 意識して 染めたことにある と感じている。
別注なので言われたとおりに染めるのが当たり前なんだけど、見本に持ってきてくれた染め和紙は 染めた時の 無意識との対話で その瞬間に感じる一番いい色、一番いいバランスで 刷毛を動かして 出来上がったもの。

ひとことで言うと   「勢いが違う」

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もちろん 箱や壁掛けを作るときは 無意識との対話で生まれた染め和紙の どの部分を生かすか 意識して考えて作る。

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志村ふくみさんが 「草木染は 水を通して染める作業なので 半分は水の神さまに ゆだねて 生まれる偶然の美」というような意味のことを著書の中で書いていたように 記憶している(自分なりの曲解があるかも)。
和紙の染めの仕事は やり方だけは 伝えることができるけど 美のセンス、色の使い方のバランスは 作り手の失敗を恐れずに、数をこなすという努力以外に 習得の道はない。

今回 意識して 別注の染めに 挑んだことで いろいろな気づきがあった。  日々勉強。

           最後まで読んでくれてありがとう。
           ハッピーな一日を~   チャオ(^^♪

                      梅田剛嗣






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