そこにはいつだって漏洩のリスクが介在する:(お子様が、起きるのだ!)
調子にのって牛乳をたくさん飲んだ僕はトイレと友達だった。トイレットペーパーを使い切りそうだ。時刻は深夜0時59分、聞こえるのは鹿の鳴き声だけという静寂だ。
そこに唐突な「お呼び」がかかる。そうだ、授乳時間が近づいているのだ。僕は拭くものも拭きあえず、一流のサウスポーの牽制(たとえば、横浜ディーエヌエーの今永投手)みたいに素早くトイレを出て、お子様のもとへ向かった。
泣いている声で家人を起こすわけにはいかない。僕が仕事をしているあいだ、家人は一人でお子様を世話してくれたのだ。