続けてブレイディみかこさんのレビューをアップ その②(アナキズム・イン・ザ・UK)【読書レビュ】

こんにちは、オオハシです。 週末も本を買ったり読んだりしているのですが、オトナ買いして読んだブレイディみかこさんの本を続けてアップしたくて、今回の投稿になりました。しかしながらこの本は読み終わった後、知り合いに貸してしまったので、ジャケット写真がつくれないので本日の投稿は、はじめての「みんなのフォトギャラリー」から選ばせてもらいました。

それでは本日の読書レビュ、ブレイディみかこさんの本シリーズその②です。※順番は自分的に歴史順で並べるつもりでおります。

アナキズム・イン・ザ・UK
 ―壊れた英国とパンク保育士奮闘記

2013年10月の本

※2020年7月18日にブクログに載せた記事再掲です。
ぼくはイエローで…(略)」から始まってすっかりブレイディみかこさんの虜になってしまい三冊目です。(三冊目以降はオトナ買いしてしまいました。。)
帯には「すべてはこの一冊から。大人気コラムニストの原点!」と書かれておりナルホド、ということで読み進めました。 これまで二冊読んできた中の登場人物が10年前ぐらいになってリアーナとか出てきたり、なるほど、そうつながってくるのね、と思ったり複数冊読んできたからこそナルホド感もありまして、時々は高らかに声を出して笑ったりしながらも読みました。 正直ゲキレツな表現は三冊目でちょっともういいかなとも思ったりもしたところあるけど、なんだかんだ二回目読み返してメッセージ性確認してみたりもした。

ということで、今回は抜粋多めとして、オオハシレビューを見てくださる人に届いたらうれしいな。
(抜粋なんで前後がつながんないとかは気にしないでください)
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P228
目の前で展開されたシーンに軽く圧倒されているわたしに、アニーが言った。
「わたしたち、リアーナに“あれはいけません”、“これはいけません”、といつも言うわよね。つまりNoばかり言ってるんだわ。でも本当に彼女に必要なのは、たった今アレックスがやって見せてくれたように、YESなのかもしれないわね。言い方を変えれば、愛。っていうか

幼児たちに囲まれて働いていると、たまに物凄いシーンに出くわすことがある。
「汝の敵を愛せよ」というのはジーザス・クライストが人間に課した無理難題のひとつだが、自分の尻さえ自分ではまともに拭けない猿同然の年齢の幼児にこの難題がクリアできるのは、これは人間が猿に劣る生き物だからであり、「愛せよ」ということは即ち「猿になれ」ということなのかもしれない。
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P264
身体的&精神的能力がどうであろうと、人種が何であろうと、性的オリエンテーションがどうであろうと、宗教や信条、思想がどうであろうと、ソシオエコノミック的階級が何であろうと、全ての人びとを同等に受け入れ、社会のシステムの中にIncludeしましょう。というSocial Inclusionの理念が教育にも反映されているわけである。
この考え方の基盤にあるのは、「ノーマルの基準は人によって違うのであり、“こうでなくてはいけない”ということはない。だからすべての人間に社会参加の権利がある」ということだ。
(中略)
「なんでボーイズ・デイはサムライ人形を飾るのに、ガールズ・デイはプリンスとプリンセスの結婚式の人形飾るの? ひょっとして日本のガールズは、結婚することがハッピーになることだと思っているの? …ジャパニーズ・ガールズってドリーマーズだね」とメイは言った。こんな言葉を吐く五歳児は日本の保育施設にはいないだろう。
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P289
英国の保育園などという場所は、はっきり言って人種の坩堝である。
白、黒、茶色、黄色、あらゆる色の尻をわたしは日々拭いている。面白いことに、一歳や二歳ぐらいの年齢でも、その肌色グループ特有の行動体系というものがすでにあり、DNAの記憶というやつはすごいものだなと思う。
さらに、その民族特有の行動体系を決定的にするのが、教育だろう。
思えば、前述のW杯の話にしても、日本の学校は清掃の時間というものがあって、自分たちの教室は自分たちで清掃させられる。つまり「自分が散らかしたものは、自分で片づけるのが当然である」と脳に刷り込まれるわけだ。一方、学校生活の中で清掃の時間や掃除当番などというものは一切なく、汚れ仕事はクリーナのおっさんやおばさんの仕事だと理解して育つ英国の子供の脳には、「クラス(階級)」の刷り込みが入る。
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P317 あとがき
ブリッド・グリット(Brit Grit)という私の好きな言葉がある。
ネットで見つけたある写真にこのタイトルがついていて、それは野外でピクニック・コンサートを楽しんでいる英国人の群れを背後から撮ったものなのだが、全員が傘をさしていて足元はびしょ濡れ。という構図に思わず笑ったが、「英国人の逆境を生き抜く気概」を意味する言葉は、UKの真骨頂である。
どんなに状況がひどくとも、腐っていようと、救いがなかろうとも、彼らは生きている。クソのような逆境をクソと罵りながらたくましく生き抜いている。

(中略)
アナーキーな社会というのが、ロマンティックな革命家が夢見たような世界ではなく、全てのコンセプトや枠組みが風化した後の無秩序&無方向なカオスだったとすれば、そのアナーキーを生き抜く人間に必要なのはグリットだ。
ファッキン・ノー・フューチャーと罵りながら、先に踏み出せるグリットだ。
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ということで、ブクログはこちら(ジャケットも素敵でしょ!)


ブレイディみかこさんの本シリーズで始めてますので、こちらも読んでもらえると嬉しいです。

読んでくれてありがとうございます!!


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