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令和のウグイス張り

我が家はフローリングだ。
だが猫のために、大判のジョイントマットを敷き詰めてある。
亡くなった長兄の膝がもともと弱かったため、
高低差のあるところから飛び降りる際の衝撃を少しでも和らげようというねらいである。
集合住宅のため、階下へ衝撃音が響かないようにというねらいもある。

爪を立てて走り回るので、よく通る所ほど早く傷が増えていく。
そのため、年に1回程度は敷き替えを行っている。

以前は厚さ約1cmのものだったが、この度厚さ2cmのものになった。
従来品の改良があったようだ。
裏側もポコポコとした凹凸があり、なかった頃よりも弾力性に富むのかもしれない。

そう思いながら家具やキャットタワーを動かし、リビングに敷き詰め終わったところ、
「ムキュ」
足元から音がした。

馴染めばそのうち音がしなくなるだろうと思っていたが、2か月経っても「ムキュ、キュ、キュ」と歩くたびに音がする。
ついに猫たちは狩りごっこの時だけジョイントマットを避けて歩き始めた。

「ムキュ」

猫の昼寝中にそっと動きたくても、音が消えない。

「ムキュ」

だがもう耳も動かさない。猫とはかくも柔軟性に富む生き物だったのか。

「ムキュ」

来年はどうしたものか。


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