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価格は引力だ。宇宙をめざそう。

価格の種類には2パターンある。

単純に見たら、高価なものと安価なもの。

これを経済学だと、需要の価格弾力性が低いとか高いとかいう。
ざっくり説明すると、

エルメスのバック   
11万円→10万8000円

トイレットペーパーセット 
3000円→1000円


この場合、2000円の値下げで、どちらの需要数の伸びが大きいかというと、当然トイレットペーパーである。
逆にどちらとも1000円値上げしたら、トイレットペーパーは需要数は落ち込む。トイレットペーパーは価格に応じて、欲しいと思う人の増減が激しいのだ。


これが需要の価格弾力性が高いということだ。
(逆にエルメスは価格弾力性が低い)

そして、ここ数年、このあらゆるモノ・サービスにおいて、「需要の価格弾力性の高さ」が猛威をふるっている。
ネットであらゆるものの最安値を探せることで、価格が、安い方安い方へと引っ張られている。

またサービスにおいても、人件費の安いアジアに業務を委託するIT企業やら、営業職の替わりにiPadが医者へ説明する製薬会社などか増えてきている。

多くのことが安価で効率良くできるようになった。
その中でわざわざ高いものを選ぶ人はいない。
地球の重力のように、値段を下げよう下げようと常に働いている。

しかし、そんな地球の重力に負けないものがいる。

例えば、一部のアート作品は投資の観点からも、値段が跳ね上がる。

スノーピークなどの高級アウトドア用品なども、やっすい海外製とは違う層をターゲットとし、高価格帯の商品を出し続けている。

これらは、むしろ価格が高いほうが欲しいと思う人が多くなる。なぜなら、ステータスや品質を価格が保証してくれるからだ。

これらはむしろ価格が上がろう上がろうとしている。おそらく作ったり売ったりしている人も、いかに価値を高めるかを念頭に置いている。

1円でも高く売るにはどうしたらいいか。を考えているのだ。

重力に逆らう努力をして、宇宙へ向かっている。けど、青天井にならないよう地球の重力がバランスをとっているといったところだ。

これから先、もし組織ではなく、個人で仕事をするなら、宇宙を目指すか、地球上で重力がないところ(ニッチ市場)を探す必要がある。
※ニッチとは隙間。大手企業が目をつけていないような小さな市場などのこと。

というより、ニッチ市場で宇宙を目指すくらいの必要がある。
それくらい地球の重力は強力で、あっという間に取り込み、価格を下げよう下げようとしてくる。

価格の安いサービス・商品では大企業に勝てません、なぜならたくさん安価に作れる大企業が、圧倒的に有利なため。
差別化して、価格を高くしないと生き残れないのです。

前置きが長くなりましたが、市役所から急に価格を安くしてほしいと言われ、あっさり安くしてしまったことで、後悔の中こんなこと考えました。

たとえ、トータル数万円の値下げでも、値下げは値下げです。

安くお得に伝統工芸品に触れた人は、他の伝統工芸品にも、安くお得を求めてしまうかもしれません。世間がどんどんそうなってしまうと、もはや伝統工芸品は生き残れないのです。

市役所にも、はっきりとこう言った考えで値下げはしませんと言うべきだったなー。とか自己嫌悪です。

あらかじめ絶対に値下げしないと強く決めておこう、宇宙を目指すのだ。反省。




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