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林業とテコ。追い口切りとひのきのぼうの場合。

4期生の大賀です。

木を切り倒すとき、丸太を動かすとき、重機を操作するときなど、「どこを支点にするか」をよく考えます。

支点があるとなにができるか。テコが使えます。

支点・力点・作用点...小学生のときに習ったような習わなかったような、あのなつかしきテコの原理です。

テコを使うと小さな力で大きな力を生み出せる。林業の現場はいわば重量物の移動の繰り返しなので、テコはとても役に立つ。もうテコなしでは仕事にならない!

じゃあどんな場合にテコを使うか、2つ書きます。

追い口切りでテコの原理

木を切り倒す方法として基本になる切り方「追い口切り」にもテコが使われています。

追い口切りはまず「受け口」をつくりますが、この受け口の会合線が支点になります。

そして追い口にクサビを打ち込む(=力点)ことで上に持ち上がる力がツル(切り残しの部分)に働き(=作用点)、木の重心を徐々に受け口側に移動させていくことで倒します。

追い口切りは木を切る技術として当然のように習いますが、実によく考えられた方法だなと思います。

ほかにもクサビでなくロープやフェリングレバーを使って倒す場合。そこにも支点は必ず発生するので、テコの考え方は大切だと思います。

ひのきのぼうでテコの原理

追い口切りよりもっとシンプルかつわかりやすくテコを使う場合もあります。

「ひのきのぼう」です。

人工林だとドラクエのように武器屋で買うまでもなく、切り倒したヒノキの先端で無限につくれます。

どこで使うかというと、かかり木になったとき。

樹冠を抜かせるのがもうどうにもならねぇ的な状況のとき、根本を切り離してテコで根本をずらし、そして倒します。

押してもだめなら引いてみな的な感じで、ここぞとばかりにひのきのぼうが活躍します。

↑こんな感じで木と地面の間に先端を差し(=支点)、もう一方から力を加えることで(=力点)、テコにより少ない力で木の根本(=作用点)がずらせます。

ドラクエだと攻撃力+2とかですが、林業だとそれ以上の使用感です。

ちなみに「すぎのぼう」ではダメなのか?というと、もうまったくダメです。柔らかすぎて折れやすく使い物になりません。

「ひのきのぼう」にはそれなりの理由(強度+調達の容易さ)があるのです。


・・・

例えば、目の前でどうにもこうにも倒れてくれない木を前にすると、かるく絶望的な気持ちになります。

けれどよくよく観察すると方法が見えてくることもあるので、ゴリ押しせずに「どこに力を加えようかな〜」とゆっくり落ち着いて考えるのが近道だったりもします。


おしまい。


書いた人:大賀

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島根県の西端に位置する津和野町で、自伐型林業に取り組む地域おこし協力隊のアカウントです。隊員6人がそれぞれの視点から、自伐型林業のことはもちろん日々の田舎暮らしのことなども含め更新していきます。https://tsuwano-yamories.com/
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