見出し画像

ごくうが行く:快晴の夕焼け

画像:初瑠「黄昏時」から。

このところ快晴が続く。お陰で干し柿が順調に仕上がり、もう胃の中に入っている。次を今のうちに仕込もうかと。

ごくうも雨に降られず、意気揚々と散歩。一巡した後の散歩時間が長い。やがり、秋になり、散歩に出かける時間が早くなっている。

10月下旬、快晴が続き、雲一つない西空に向かって散歩する。西日が沈み、夕焼けが広がってきている。快晴の夕焼けは単色に近く、濃淡があるだけだ。朱色?これを朱色というのか。雲一つない西空が朱色を濃くしていく。ごくうが家路を辿っている頃は濃い朱色から薄暗くなっていく。

今でも「懐中電灯」だろうか。LEDライトを照らして散歩する。ごくうは久しぶりに団地に上がりたいという。後ろは木々があり、暗くなっている。そのまま団地に上がると、暗がりの中で剪定する若奥様がいる。ごくうは進路を変えて若奥様の方に。「あら、可愛いわね。」その言葉が欲しかったのか、もう進路を前に切っている。

2,3日後、西から雲が東に向かって広がっていた。柔らかい雲がたなびいている。絹を伸ばし、広げたような雲だ。西の方は少し厚い雲が広がっている。雨雲ではない。西の雲が朱色に染まっていく。併せて、次第に東の方の絹雲が次第に上品な朱色に染まっていく。羽衣のような雲が朱色を濃くしていく。雲が西から東に広く、薄く広がっている。朱色も薄く、広がりきる。朱色が薄いが、180度全面に広がる夕焼けだ。初めて見る光景だが、ごくうはお構いなし。

今夕も淡い朱色が西に広がっていく。「綺麗な夕焼けね」妻も相づちを打つ。コンビニの交差点で高齢の婦人が挨拶語録を増やしていたが、最近はごくうを見ながら「いつも元気ね」と単調だ。その間も夕焼けは朱色を濃くしていく。

今夕はごくうがお大師堂コースを選んだ。よく承知しているようだ。お大師堂にお参りを済ませる頃には、西の朱色は少し夕闇に近くなっている。近くの橋に帰ってきてもごくうは散歩を続けるつもりだ。妻は先に帰り、ごくうはさらにハーフコースを追加する。今夕も5キロ越えだ。体重も3キロをかなり超えている。

交差点まで帰ってきても、ごくうはまたコースをなぞろうとする。「もうダメよ」の声に、一瞬立ち止まり、踵を返す。諦めるのも早い。家に帰れば、両足を洗い、口を漱ぎ、身体を濡れタオルで拭いた。さぁ、今のもうダッシュ。ガムが飛んでくる。ガムの飛んでくるのが遅いときには、急かす「わん」を連発。