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料理は低温で。というよりも、高温で調理するにはリスクがある

※表現を砕ききってはいないが、一般的な説明を試みたもの。

肉などが炒められるとき、メイラ-ド反応が起こることがよく知られている。メイラード反応の過程で、料理に美味しい焦げ目ができる。(言い換え)メイラードMaillard反応は、褐色物質(メラノイジン、柔らかい焦げ)を生み出す反応であり、タンパク質などを加熱したときに見られる。

これはこれで良いが、脂肪分の多い食物や、タンパク質の高い食物を、高い温度で調理すれば、AGE(Advanced Glycation End Products;終末糖化産物、後期糖化生成物)が生成される。

Glycation(グライケーション)が、糖化あるいは糖化反応と言われるものであり、脂肪やタンパク質を含む食物を炒めるときに見られる反応である。酵素による調節はない。言い換えれば、酵素による調整が行われず、糖分子がタンパク質または脂質分子と結合することによって起こる反応である。反応の結果、生まれる最終的な物質を「Glycation End Products」(無理に訳せば、糖化最終物質。ここの物質が「生成物」である)という。いわゆる肉などの「焦げ」である。肉の黒焦げまでにはいかない程度までなめらかな段階がある。

問題は、AGEが体内で引き起こす影響である。AGEは体内にもある。それ以外の(メイラード反応によって生み出された)AGEが体内で濃度を増す可能性が出てくる。いいかえれば、炒められる加工食品を食べれば、AGEの濃度が上昇する。

濃度が上昇したAGEは、細胞受容体と結びつき、身体のなかのタンパク質の形態や機能を変化させる。酸化によって、細胞組織に損傷や炎症を引き起こす。(体内組織に損傷や炎症が起こり、健康へ影響が出る)

AGEの健康への影響は、「動脈硬化」「貧血症」「アルツハイマー病」「白内障」「肝硬変」「骨粗鬆症」「筋肉硬直」「握力低下」「歩行スピードの低下」「腎臓病」「糖尿病」など多岐に亘る。

当然、期待寿命も短くなる。

AGEの濃度は調理法によって大きく変わる。
1 生食が一番少ない。
2 低温調理法(茹でたり、蒸したり、炊いたりする方法)が次に少ない。
3 高温による調理法(直火焼き、オーブン焼き、油で揚げる、グリル焼き)がもっとも高い。

高温で調理し、過ぎれば、健康に大きな影響を与え、期待寿命は短くなる。

どんな食品にAGEが含まれるか(例)。
・ハンバーガー
・ソフトドリンク
・クラッカー
・クッキー
・ドーナッツ
・パイ
・パルメザンチーズ
・パンケーキ
・ワッフル
・その他の加工食品

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*食べて肥え、ダイエットするよりは、はじめから過食しないことの方が悪い影響を受けない。
*健全な生活様式が崩壊している人は運動不足に陥っている。食事法を変え、運動する方が効果を期待できる。

参考本
・スティーブン・レ著/大沢章子『食と健康の一億年史』亜紀書房、320-321頁。