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Waldeinsamkeit あるいは 森の中の孤独 あるいは 森閑

画像:蓼科高原(長野県茅野市にある高原)
*Waldeinsamkeit:無理に発音すれば、「バルト アイン ザームカイト」か。

*ドイツで、こんな背景があったとは。※この点は直接表現していません。

木は、二酸化炭素を吸収し、酸素や食物、木材などを与えてくれる。森は、水や土壌を保全し、生物多様性に応えてくれ、気候などを保護してくれる。

木は集合して、森林を形成する。森林に一歩足を踏み入れると、独特の空気感が支配している。森、閑(しずか)にして、自然と調和するがごとく、心が閑さに溶け込んでいく。

18世紀末のドイツのロマン主義は、ドイツの文化や精神に深く浸透していった。やがて、ドイツの森林は、公有・私有を問わず、森林に立ち入ることが許され、人々は森を歩くことを趣味とし、休息場所とするようになった。

森が醸し出す空気感を何に譬えよう。

ドイツの森林は自然林ではなく、人工林が多い。その理由は。

ドイツの森は村・まちの隣に平坦に存在し、アクセスしやすく、19世紀初め頃(産業革命)、過剰利用(建築物などに伐採、放牧)されてきたため、荒廃してしまった。

ドイツでは。19世紀半ばに「森林法」が制定され、森林では、伐採や放牧が禁止され、造林活動が行われた。森を管理する「Förster」(森林官)も制定され、長い歴史を持ち、活動を行っている。

ツム・ヴィーブッシュ(Zum Wiebush)




・エラ・フランシス・サンダース著/前田まゆみ訳(2016年)『翻訳できない世界の言葉』創元社。