屋根

 こどもの頃屋根に上がりたい症候群がある。行ってはいけないところの憧れだ。
窓以外の景色を屋根は持っている。
素晴らしい眺望だ。家は丘陵地に建っている。割と眺めが良く遠くまで見える。どうしても遠くが見たい(屋根に上がりたい)

 ベランダの柵を越えて屋根へと踏み出す。
そこは得も言われぬ禁忌の世界。
そして落ちれば大怪我や死へ繋がる。

 眺めを手に入れて、うれしかった。そして今もこうやって文字を打っている。
落ちることはなかった。

 運が良かったとしか思えないね。

それでは、また。

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