風呂の出来事 最終話
シリーズでお伝えしてきた風呂。今回で最終話です。(本当に?)
昭和38年水道標識アパートの前に契約寸前までいったアパートがある。そのお話。
これまたボロいけど一人暮らしの気持ち高ぶる若人は不動産からの連絡を待っていた。
そして電話は鳴った。
「誠に申し訳ございませんが今回の話はなかったことにしてください」
えっ?こちらにはなんの落ち度もない。契約するはずだった賃貸アパート。
そしてこう続いた。
「ご入居頂くはずの部屋に、いま隣にお住いの方をその部屋に移っていただく事になったのです」
ほうほう。
話は続く。
「その方の上の階のお風呂場の床が腐り、床が抜けかけていて危険なのです」
いろいろな気持ちが混ざったが
わかりましたと電話を切った。
そんなにボロい物件だったのか、と
胸をなでおろしたのは
言うまでもない。
自分の入るはずだった部屋もどうなるか
わからないもんね。
それでは、また。
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