水の中の悪魔

 夏休みは田舎に送られて過ごした。
それはそれはほぼ楽しい思い出。
そしてそうでないことも・・・
そんなお話

 田舎には川がある。入ってザブザブ遊べる川だ。そんなに綺麗ではないけれど、魚もカニもいる。
田舎の友達たちとガンガン遊び倒すのだ。
日が暮れるまでね。

 友達が泳ぐ小魚の大群を見つけた
田舎の学校にはかぶる帽子がある。メッシュのやつだ。それが魚を捕る網にもなる。

 「向こうにある帽子取ってきて!」

小魚を大漁ゲットするためにザバザバ岸に戻り、帽子を取って友達のもとへ。
近くに寄ったとき、足の裏に小さな
突起を感じた。川なので川底には色々ある。
帽子を渡して魚を捕る友達。
魚を捕りおえて、おいらの足元をみて動きが止まる友達。
ふと自分の足をみると
赤い水がユラユラと川下に流れる・・・・

「えっ!?」

そう思ったときには時すでに遅し。
足を上げて確認すると、割れた瓶の欠片を踏んだらしい。さっき足裏に感じたのはこれだったのか!
不思議と痛くはない。

「出血多量で死んじゃう!」

友達も真っ青だ。

慌てて岸に上がりサンダルを履き、自転車に乗っておじいちゃんちまで帰る。
足は血だらけ。

おばさん、おじさん、じいちゃんたちに
怪我しちゃった!と言っても
すぐに取り合ってくれない。
いたずらをしてペンキでもつけてふざけていたのか、と後で聞いた。

本当に怪我をした事がわかると、みんなはすぐに慌てて治療に入った。
傷口を洗って、消毒液でジウジウ洗う。
これが痛かった。

そしてすぐに病院へ。

数針足の裏を縫って、安静な生活に。
ああ、楽しい夏休みなのに
海もプールも川も
入れないや。

ちょっとさみしい
怪我をした夏休みでした。

それでは、また。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?