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【自己紹介】場所としてのTSUTAYAが好きで(樋口渚)

樋口さん

お初にお目にかかります。この度、TCP学生応援団の一員として活動させていただくことになりました樋口 渚(ひぐち なぎさ)です。

早稲田大学文化構想学部に在籍しています。去年大学に入学してから、コロナのこともあり、サークル活動や学習などが満足にできない時間が続いてきました。なので、今回はこのような興味深い企画に参加できたことをとても嬉しく思っています。まだまだ未熟者ですが、私の文章を皆様にお楽しみいただければ幸いです。

1. TSUTAYAと私

まず、TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM(TCP)での活動に加わろうとしたきっかけを述べたいと思います。それは言わずもがな、「TSUTAYA(以下ツタヤ)と私の思い出」です。私の両親はとても映画が好きです。例えばリド島まで赴いて『ベニスに死す』のラストシーンを再現したり、子供に映画監督の名前を付けたりするほどに。

その影響もあってか、私自身も映画が好きです。そんな私にとって憩いの場がそう、ツタヤです。最近ではサブスクの配信サービスが人気で、中には実店舗のレンタル屋さんの将来を危ぶむ方もいます。しかしながら、『グレイヴ・エンカウンターズ』のパッケージに貼られた「自主規制」シールがあまりにも怖くて忘れられなくなったり、『アポロ18』が気になってついつい借りてしまったり、色とりどりの棚をくぐって見つけた『イヴの時間』を見終えてしんみりとした感傷に浸ったり…。「様々な作品が集う場所」としてのツタヤが私にくれた思い出は決して配信サービスだけではできなかったものだと思っています。

そんな中、TCP 学生応援団の応募を発見し、私の思い出のツタヤに関する活動ができると知ってからは、もう迷いはありませんでした。

2. 今でも見返してしまう映画

『アルファヴィル(1965)』
…内容はジョージ・オーウェル氏の『1984年』のような、近未来ディストピアを舞台にしたSF。この作品が巧みなのは背景や小道具が全て「当時のもの」であるにも関わらず、劇中で扱われる台詞やそれを通して伝えられる哲学の先鋭さ、被写体の写し方といった概念的なものによってあたかもそこが「未来」であるかのように見る手に錯覚させるところです。このような見せ方の工夫でローテクをハイテクに演出する映画は『不思議惑星キン・ザ・ザ(1986)』や『ブレードランナー(1982)』が挙げられますが、私はこうした表現の究極形が『アルファヴィル』ではないかと考えています。

『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊(1995)』
…こちらも内容は近未来を舞台にしたSF。ただし、コンピューターが普及し始めた頃に制作されている分、『アルファヴィル』で描かれた人工知能に対する漠然とした恐怖感の中身をより現実的に分析しています。哲学的考察の味わい深さはもちろん、押井守監督渾身の兵器描写が輝く傑作。音楽も素晴らしく、『AKIRA(1988)』と並んでお気に入りです。また、映画ではありませんがTVゲーム『メタルギアソリッド2 サンズ・オブ・リバティ(2001)』で描かれる世界観や哲学と合わせて考えてみるとさらに楽しめます。


3. 最後に

私は、今回がTCP 学生応援団として初めての経験になります。なので、全く的外れなことや稚拙なことを書いてしまうこともあるかもしれません。ですが、この世の素晴らしい作品への恋慕は確かに私の中にあります。私が作った記事から少しでもそうした作品への気持ちが伝わり、より多くの方にまだ見ぬ映画の世界に触れるきっかけを与えていくことができれば何よりです。

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