見出し画像

【イベントレポ】『哀愁しんでれら』に見るオリジナル作品のアイデア術

こんばんは!TCP公式note編集員のHikaruです。
今回は12月15日(水)に開催された『哀愁しんでれら』に見るオリジナル作品のアイデア術イベントをざっくりと体験レポート!

ご登壇者はシナリオ・センターからMC・田中和次朗氏、解説・吉﨑崇ニ氏。そして『哀愁しんでれら』脚本・監督である渡部亮平氏の3名。

イベント当日の会場の様子

シナリオのプロが気になる魅力的な3つのポイント

田中和次朗氏(左) 吉﨑崇ニ氏(右)

イベント開始と同時に、シナリオのプロであるシナリオ・センター講師吉﨑氏が気になるポイントを列挙!

  1. キャラクターの作り方

  2. 構成

  3. ト書き

吉﨑氏は『哀愁しんでれら』に関して、特にキャラクターの性格が一貫して変わっていないにも関わらず、受けての印象が場面を経て、徐々に変わっていくことを絶賛。また、ストーリー内で主人公・小春が身に付けていた赤いドレス赤い靴等がト書きでどのように描かれていたのかという疑問も提示した。

日常生活の点をつなげて線にする

渡部亮平氏


渡部監督は、ご登壇時『哀愁しんでれら』誕生秘話に言及。制作のポイントとして、日常生活の点をつなげて線にしていくと例えながら、執筆当時について振り返った。監督は『哀愁しんでれら』執筆時、最初に「家族」をテーマにした「行き過ぎた愛情や思い」を描きたかったと述べ、そんな中、モンスターペアレントのニュースや当時片想いしていた女の子が2、3ヶ月で結婚したという身の回りの事象も取り上げることで肉付けを行い、完成まで至ったと語った。

更に監督が作品作りで意識していることは「自分の高校時代に観に行きたい」と思える作品を作ることであり、とりわけ映画好きではない方々も含めた多くの人々に作品を届けたいとご自身の哲学を語った。

Q & Aコーナー(抜粋)

Q1. 物語をアウトプットするお仕事は、その分インプットが重要かと思います。視野を広げるために、普段どのようなことを心がけていらっしゃいますか?

A. 映画を見ることは普段からなるべくしようと思っています。それに加えて、やはり人と話すことが重要だと思います。自分だけの経験では、どうしても知り得ないことは多いです。なので、人と話すことに興味を持って、目の前にいる人がどう生きてきたのか、何を考えて日常過ごしているのか、いろんなことについてお話をしてみるといいと思います。コミュニケーションの基本は、「人に質問すること」です。なので、気になったことをなんでも聞いてみましょう。すると、思わぬ話を聞けたりします。

あとは、仕事(脚本や監督)以外の日常を意識的に作ろうとしています。ゴルフを始めたり、冬になったらスキーにいったり、気になる国に一人旅してみたり。経験してみないとわからないことは多いです。

Q 2. シーンを細かく割って作るというお話、参考になりました。質問ですが、タイトルはどのように決めていますか?(最初から使う言葉をある程度決めているのか、ある程度形になってから考えるのか、等)

タイトルは、とても重要です。タイトルは、ずっと物語を頭の中で考えていると、なんとなくキーワードとして降ってくるものを書き出し続けながら、自分の中でしっくりとくるタイトルを見つけ出します。どのように決めるか、というのを教えづらいのですが。でも、自分が描きたい映画の、キーワードや断片を何度も反芻していると、しっくりとくるタイトルが浮かんでくるはずです。また、そのタイトルが、世の中に発表されて、だれかに見てもらうという未来を想像します。そのタイトルは、ちゃんとみんなに届いて、愛されるタイトルになるうるものだろうか。そんなことも意識しながら、考えます。あとは、語呂、音の響きも重要だと思います。

イベント当日プチ展示の様子

『哀愁しんでれら』貴重なグッズ展示コーナー

当日は、劇中で実際に使用された油絵(写真左)や、泉澤ファミリーの思い出が詰まったスケッチブック(写真中央)も展示。プロジェクターでは『哀愁しんでれら』予告編、TCPコンセプトムービーの放映が行われた。


(主催)TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM(TCP)とは?

プロ・アマ・年齢問わず募集

「本当に観たい映画作品企画」を募集から映画化までバックアップを行う「コンペティション」を中心に、映像クリエイターと作品企画を発掘する、TSUTAYA発のプログラム。現在までに9作品が映像化。本年9月には映画『先生、私の隣に座っていただけませんか?』と映画『マイ・ダディ』が劇場公開を果たす。