keep dreaming様 「夢-DREAM-」

 さてさて感想初投稿でございます、蔦見です。
 演劇っていいですよね。演劇って小さなコミュニティで完結してしまうじゃないですか。映画やドラマや小説にも個人出版だったり一部映画館のみの放映だったり小さなコミュニティはあって、逆に大きな舞台は全国巡業したりもしますけど、それでもやっぱり普通の演劇って一個の劇場で数回だけの公演ってことがザラにあります。だからこその特別感が劇場から演者さんから溢れていて最高なんですよ!

 さて、前書きが長くなりましたが、今回ご紹介するのはkeep dreaming様による旗揚げ公演「夢-DREAM-」でございます。keep dreaming様はほぼ未成年だけで構成された劇団でございまして、実は私の友人も参加しているんです(ちょっぴりえっへん)
 若い力をヒシヒシと感じるこの公演を今回はご紹介させていただきます♪

あらすじ

 主人公・シンサクはある日家族で見たドラマの俳優に憧れ、俳優の道を目指すようになる。同じく俳優に憧れた友達のケンゴと共に劇団に入団し、個性豊かなメンバーとの俳優生活が始まる。さて、舞台の時は流れて5年後。彼らの劇団員として最後の舞台。各々の夢に向けて、歩み出さなくてはならない時期。苦難、葛藤、挫折…。絶対に忘れることのできない最後の公演の先に、劇団員たちは夢を掴めるのか。ほぼ未成年の少年少女で構成された青春群像劇、ここに開演!

若い世代の劇団、ここに誕生!!

 先ほどもご紹介しました通り、この劇団はほぼ未成年で構成された若い世代の劇団なんですよね。ほとんどが高校生、中学生でもうみんなキラキラしてました笑
 さて、そんな彼らの初公演「夢-DREAM-」は劇団が物語の舞台です。演者さんも自分とキャラクターを重ねやすく演じやすかったのではないでしょうか、自然な演技が多くて世界観に入りやすかったです。

※ここからは本公演のネタバレが含まれます。
keep dreaming様のYoutubeチャンネルで公演がアップロードされてますので気になった方はこちらからどうぞ!!

+ポイント

まずはこの作品の高評価な点を紹介したいと思います!

・演者さんの演技力が高い!!


 先ほども言いましたがキャラクターと演者さんのシンクロ率が高かったですね!経験は力なり、感情移入もしやすかったのだと思います!
 劇団の発足から三年ということで、本作への思い入れもだいぶ大きいのではないでしょうか。もしかすると演者さんをそれぞれ当て書きしたのかもしれませんね。

・キャラクターが良い!!

 本作は後半に、というか最後の公演編(Youtubeだと4場くらいから)からはだいぶ重い展開が続きます。対立するシンサクとケンゴ、それに戸惑いながらなんとか仲直りさせようとするアオイ、ショウヘイ、イツキという構成になるんですが、この三人が重い空気をいい感じに柔らかくしてくれるんですよね。最高の清涼剤です笑
 ショウヘイとイツキの吉幾三ネタだったりアオイのぼったくりボケだったり、この3人のノリが最後まで変わんなかったのでだいぶストーリーが支えられていた感がありました。そのせいか、メインの2人よりこの3人のほうが好きだったり…笑


-ポイント

 続いては本作の「うーん」と思ったところの紹介をさせていただきます。

・ストーリーの展開にモヤモヤ

 本作の-ポイントの大部分がここですね。物申したいのはいくつかあって、1番納得いかないのは、本作は最後の公演が中心に展開されるのに、全く『劇』しないんですよ!!劇に関するシーンって、

・オーディションに向けてキャストがほぼアドリブのセリフを言う
・劇団練習のシーンもシンサクとケンゴの共演するシーンを3人が不安に思ってシンサクが絶交を宣言
・本番でイツキが怪我してそのまま公演後の挨拶

これだけでした。いやこれ舞台設定劇団じゃなくていいだろ!!とツッコまざるを得ません…。2人の和解のきっかけが劇の中に隠れててそのシーンやるだけでも違うと思うんですよ!何探偵物やってんだよ犯人と探偵ならともかく死んだ被害者と探偵が話すシーンがどこにあるんだよ!!

 えー、ちょっと熱くなりすぎましたがこういうモヤモヤが本作意外と多くてですね、他にも2人の和解が急すぎる、その直後にケンゴは事故に遭ってそのままフェードアウト、結局シンサクに主役が回ってくるとかご都合展開やなんとなく予想がつく展開が多くてちょっぴり残念でした。

・キャラクターの魅力が弱い

 +ポイントでキャラ褒めときながら何言ってだ、って思われると思うんですが、今回言いたいのは「キャラクター全員の個性を強めようとして逆にキャラが薄くなってしまっている」ってことなんですよ!
 例えば、メインキャラのショウヘイは同じくメインキャラのアオイに好意を持っていて、ケンゴがアオイにシンサクを送るように頼んだ時は「いいなぁ」と溢すシーンがありましたが、これ必要でしたかね?!このシーン以外にこのことが言及されることはないんですよ。脚本家の方はおそらく群像劇としてキャラが全員並ぶようにしたかったんのかもですけど、観客は地味に一回言及されるせいで今後の伏線かと思って頭の片隅に入れざるを得ない、ノイズを抱えて観劇することになるんですよね。ならいっそ、この設定をなくすか、シンサクにこの設定を移して自分よりアオイと仲のいいケンゴへの劣等感の火種にして2人の決別に説得力を持たせるとかの方がいいと思うんです。群像劇とはいえ、主軸は2人の関係性だったのでそれ以外のノイズになる部分は削って2人に回した方が良かったかもですね。


総合評価(10段階)

・ストーリー;4.2点
・キャラクター;6.8点
・演技;8点
・意外性;4.7点
・今後の期待度;9点

総合評価;6.5点!!
講評;今後の活躍に期待が爆発!!

 色々と申してきましたが、本作めちゃめちゃ面白かったんですよ!!わりかし演劇にハマったきっかけでもありますし!また見に行きたいと思います!


あとがき

えー、ここまでご覧いただきありがとうございました。Youtubeも見てくれた方はもうお分かりかと思うんですが、この公演、めっちゃ前のやつなんですよね…(恥)。
 5ヶ月も前で何なら今日はkeep  dreaming様の新公演「宮沢賢治は多分こう描きたかった」千秋楽の日でございます。何やってんねん俺…。前々からやってみたかったんですが何や感やグダグダ先延ばしにしてまして…。そちらの感想もやってみたいので、ぜひお待ちください!!


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