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常識をぶっこわす。 "現代アウトサイダーアート リアル"の破壊力。

人の顔、なのか?
胡蝶蘭、なのか?
時間、なのか?
お城、なのか?

その展示の前に立つと、誰もが目を疑い、動揺する。
これは一体全体、何を描いているのだろう? 
見たことの無い現実の切り取り方に、言葉を失う...

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「現代 アウトサイダーアート リアル」

ネットサーフィンで偶然見つけたこのタイトルに、なぜか一瞬で心がえぐられた。理由はわからない。でも心の中の自分が、目の前の一期一会を逃すまいと、叫んでいる。

「これは行くしかない!! 」

やって来たのは、明治神宮に漂う静謐な雰囲気と、活気あふれる街並みが隣り合わせに共存する街、神宮は、GYRE(ジャイル)。ウィンドウショッピングを楽しむマダム達を尻目に、会場にたどり着く。

エントランスを抜け、展示の説明の開口一番は、岡本太郎の言葉だった。

「生命感をパッと、平気で世界に開く、型破りの純粋さ。」岡本太郎にこう言わしめた、障がいのある人々の表現....

障がい者?アート??

正直、「アウトサイダーアート」という展示が何を意味するのかを調べずに、直感的に訪れた自分は、まだそれが何を指すのかを理解できていなかった。

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しかし、岡本太郎の放った言葉がようやく腹落ちしたのは、作品と対峙した時であった。

まずはこの作品、あえて名前をつけるとしたら、あなたは何と名付ける?

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(出典 : ACM Gallary 吉田幸敏 ) 

正解は...「顔」だ。

目の位置も鼻の位置も、色使いも、常人の肉眼で見た「顔」とはかけはなれた絵であることは確かだ。しかし、色鉛筆と蛍光ペン、ボールペンで丁寧に描かれたその顔には、肉眼では見えないような、その人の暖かさや雰囲気が伝わってくる。

続いての作品は、こちら。

「金髪のおねえちゃん」

いかにもな作品名だ。

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(岩本義夫 金髪のおねえちゃん)

パッと絵を見ただけでも、「金髪のおねえちゃん」が発している雰囲気や、オーラがわかるのだが、驚いたのは...

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ねえちゃんのエベレストのような鼻の高さを、カンバスを飛び越えて、3次元で表現しているッッッ!! 

彼の創造性は、アクリル絵の具は「塗るため」にあるという常識を壊し、「積み上げる」表現を生み出したのだった...

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ひとつひとつの作品に動揺を覚えるのは、おそらく彼らの認識する世界が、自分のものと異なるからだろう。

彼らの見ている世界の鮮やかさ、ねばりけ、質感、感触、それらと初めて出会った時に、わくわくするような「動揺」を感じる。新たな地域に足を運んで眺める景色や、人の営みに感動を覚えるのと同じような感覚だった。

感性の鋭さと同時に、それを表現する力を持ち合わせているのが本当にすごい。岡本太郎が絶賛するわけだ。

最後に、今回の展示で、心を打たれた言葉で締めたいと思う。

ぜんざいをつくるには砂糖がいる。しかし砂糖だけではほんとうにうまいぜんざいはできない。・・・塩がぜんざいの味をうまくするように、障害者は又社会を本物の味にするためには欠くべからざる必要な存在である。

障がい者も、難民も、ゲイも、アスペルガー症候群の人も、ひとりひとりが他にはない異才を持っている。彼らが社会課題と捉えられているのは、社会が彼らの持つ異才を活かせる場所を見つけられていないだけなんだ。そんなことを思わされた。

表参道にお越しの方は、ぜひ足を運んでみてくだされ!! 

現代アウトサイダーリアルについて:

会期 : 2019年9月7日(土) - 10月27日(日)
会場期間 : 11時 - 20時
会場 : GYRE GALLERY GYRE 3F 東京都渋谷区神宮前5-10-1
主催 : 一般社団法人 Arts and Creative Mind


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