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第一印象が劇的に変わる!? 失敗しない名刺づくりのコツ

お客様からのご相談で、いざ名刺を作ろうとしたとき、限られたスペースの中にどのようにロゴや文字を配置したらよいか分からないという声を耳にします。

デザイナーの方であれば、ある程度の知識や感覚の中でバランスよくレイアウトすることができると思いますが、一般の方でいちからデザインするのはなかなか難しいかもしれません。

そこで今回は、名刺のレイアウトを作成する際のコツや考え方の基本を、山櫻の名刺作成サービス「TSUTAFU(ツタウ)」を使いながらご紹介したいと思います。


名刺に使う紙の選び方

まずは名刺の器となるの選び方です。
名刺交換の際に、「紙」が話題づくりのきっかけにもなるので、名刺交換の場面を思い浮かべながらお選びいただくと良いと思います。

清潔感やすっきりとしたイメージを出したい場合は白い紙を、あたたかみや、やわらかな印象を与えたい場合はクリーム系の紙を選ぶとよいでしょう。また、スムースな手触りか、凹凸のあるラフな手触りかなどでも印象を変えることができます。手触りに加え、紙によって印刷の発色具合も変わります。スムースな紙は印刷の発色がよくはっきりとした印象になり、ラフな紙は凹凸がある分、やわらかさがでます。

(左)スムースで白い紙  (右)ラフでクリーム系の紙

最近はSDGsへの関心の高まりによって、環配に配慮された紙フェアトレードの紙、日本の伝統技術が用いられた手漉き和紙を選ぶことで、紙を通して社会貢献につなげることができるため、エシカルペーパーの需要も高まっています。

(左)手漉き和紙  (右)フェアトレードペーパー


名刺サイズの選び方

紙が決まったら、名刺のサイズを決めましょう。
日本で使われている名刺は、「55×91mm」が標準サイズとなっています。名刺の寸法は明治時代以来、尺貫法に基づいて10種類以上の独自規格がありましたが、1959年1月のメートル法施行以降は寸分からcm・mmに換算されて現在の寸法になりました。現在、一般に使用されている名刺のサイズを規格化した人物の1人が、株式会社 山櫻の創業者、市瀬邦一氏だといわれています。

海外では日本サイズと近いものの、地域によって少しずつ異なるサイズの名刺が使われています。また、最近は正方形miniサイズの名刺などで今までとは少し違った印象を与える名刺も人気です。

TSUTAFUでは、以下のサイズを取り扱っています。

■ スタンダード(JP)サイズ 91×55mm
■ 欧米(US)サイズ 89×51mm
■ スクエアサイズ 60×60mm
■ miniサイズ 70×28mm

いつもと少し雰囲気を変えたい場合は、サイズで変化を加えるのも一つの手かもしれません。


名刺レイアウトの考え方

名刺に何を掲載する?

名刺のレイアウトを考えるうえで、まずは何を掲載するかを考えましょう。
法人名刺の場合、一般的には以下のような情報を載せています。

■ 姓名
■ 会社名
■ 部署名
■ 肩書き(役職名)
■ 住所
■ 電話番号
■ FAX番号
■ 携帯電話番号
■ メールアドレス
■ ホームページURL

また、最近はフリーランスの方の名刺や副業用の名刺などで、文字情報を削ぎ落してシンプルなデザインにし、代わりにSNSのアカウント名やQRコードを入れて、デジタル情報につなげる方も増えています。

上記以外に掲載したい情報がある場合は、裏面を活用するようにしましょう。
また、名刺サイズをスクエアやminiサイズにした場合は、紙のスペースが小さいので、掲載情報が多すぎると、文字が小さくなったり、読みづらくなるので注意が必要です。

失敗しない名刺デザインは?

掲載する情報が決まったら次にデザインを考えます。文字を並べるだけなので一見すると簡単そうですが、意外と奥が深い名刺デザイン。

ビジネス名刺の定番であるシンプルな黒(墨文字)1色のデザインは、名刺のデザインに迷ったときでも失敗が少なく、ちゃんとしたビジネス名刺を作りたい人におすすめです。

縦型であれば、右側に会社名、中央に名前と役職、左側に住所や電話番号を配置したフォーマルなレイアウトは、現在でも役員向けの名刺としてよく使用されており、信頼感や風格ある印象を与える縦型の名刺として、弁護士や大学教授など「先生」と呼ばれる職業の方にも人気のデザインのひとつです。

横型であれば、上部に会社名、中央に名前と役職、そして下部に住所や電話番号という配置で、名刺の情報を中央揃えにまとめたこのレイアウトは、まさに横型名刺の王道ともいえるデザインです。

見やすい名刺の文字の大きさは?

文字の大きさを最初に決めると、全体のイメージがつかみやすくなります。
しかし編集画面では大きく見えていても、実際に仕上がった名刺を見たら文字が小さすぎて読めないということにならないように、文字の大きさは一般的に読めるサイズとして、6pt以下にしないことをおすすめしています。

TSUTAFUでは、定番デザインの最小フォントサイズを下記のサイズとしていますので、ぜひ参考にしてください。

■ 姓名 17pt
■ 会社名 11pt  
■ 部署名・肩書き 9pt
■ 住所・電話番号・Emailなど 7pt

ご年配の方に名刺を渡す機会が多い場合は、上記よりも文字を大きめにするなど、相手のことを考えるとより見やすいデザインになります。

書体はどれを選べばよい?

書体によって相手に与える印象が変わりますので、フォントの選択は名刺作成の中でも重要です。ポイントとしては、名刺の中ではいろいろな書体は使わず、なるべく1種類もしくは2種類に統一させることです。

いろいろな書体を使った名刺デザイン
書体を1種類に統一した名刺デザイン

いろいろな書体を使った名刺デザインは、全体的にまとまりがなく、ごちゃごちゃとした印象なのに対し、書体を1種類に統一した名刺デザインは、全体的にバランスがよくなり、相手に対しても安心感を与えてくれます。

プライベートの名刺であれば、特殊なかわいらしい書体を使うのもいいかもしれませんが、ビジネス名刺を作るのであれば、ゴシック体明朝体のベーシックなものを使うことをおすすめします。

TSUTAFUでは、ビジネス名刺で多く使用され、文字そのものが「わかりやすく」、「読みやすく」、「読み間違えることがない」というユニバーサルデザインの基本コンセプトをもとに作られたUDフォント(ユニバーサルデザインフォント)UD新ゴ」と「UD黎ミン」の2書体を推奨しています。

ゴシック体「UD新ゴ」を使った名刺デザイン
明朝体「UD黎ミン」を使った名刺デザイン

デザインのコツは適度な余白

掲載情報やレイアウト、書体や文字の大きさなど名刺デザインを考えるうえで色々な要素がありますが、失敗しないデザインのコツとして、「適度な余白」を設けるとよいでしょう。

余白はデザインの重要な要素のひとつですが、名刺という限られたスペースの中ではさらに重要度が高くなります。そのため、余白の使い方に名刺デザインのセンスが出ます。余白が余っているからといって、名刺の情報を詰め込みすぎないように注意しましょう。

名刺の端ギリギリまで配置した名刺デザイン

名刺の情報を配置する際、名刺の端ギリギリに配置してしまうとバランスが悪くなるだけでなく、印刷や断裁の際に切れてしまう可能性があるので、通常サイズ(91×55mm)の名刺であれば、四方5mm程度の余白を空けることをおすすめします。

余白を大胆に使ったシンプルな 名刺デザイン

上記のように、表面は大胆に名前だけにして、住所や電話番号、メールアドレスなど情報量が多くなる項目を裏面に移すことで、余白を活かしたセンスが光る名刺デザインがつくれます。

まとめ

名刺デザインは小さなサイズの中でも、意外にも決めていくことがたくさんあります。名刺を渡す相手に、ご自身、または法人として何を伝えたいか、どのような印象を与えたいか、デジタルとは違う紙の名刺だからこそ、紙や印刷、デザインなどでも自分らしさを表現していただきたいと思います。

TSUTAFUでは「ビジネスで使えるちゃんとした名刺」をコンセプトに、文字を入力するだけでスタイリッシュなデザインが完成するテンプレートを用意していますので、ご自身のイメージに合うものを選んでみてくださいね。


written by Kyoko Ai.