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長崎県対馬で海洋プラスチックのモノづくり活動を始めます!

初めまして、長崎県対馬在住の阿比留です。

今回、長崎県対馬という場所にて、
「AHORA(アオーラ)」という名前で、海洋プラスチックを使ったモノづくり活動を始めました。
AHORAのHPも公開しました!ECサイトはこれからオープン予定です(2024年2月現在)

なぜ、そのような活動を始めるのか、具体的にどういう活動をして、何を目指しているのか、ここに綴っていきたいと思います。

1.自己紹介

僕は「阿比留大貴」と言います。大阪府出身で、現在は長崎県対馬に住んでいます。

本業は東京の小さな会社でWebエンジニア(フロントエンドエンジニア)をしていて、WebサイトやWebアプリの開発をしつつ、他の時間を使って海洋プラスチックを使ったモノづくりを行っています。

僕は小さい頃から海が大好きで、大学生になってから一人でダイビングスクールに行き、周りは大人たちが多いお客さんと一緒に日本の海や海外の海に潜りに行っていました。
※大学時代は、勉強もせずバイトとダイビングをずっとしていました…

もちろん、一人で海外の海を求めて旅をし、社会人になってからも時間があれば国内外の海に行く日々を送っていました。
ここ数年は、スキューバダイビングでは海の生き物たちと距離が空いてしまうと感じ、スキューバダイビングよりも、フリーダイビングにハマって空気ゴンベなしで海に潜るようになっています。

また、直近で約2年以上、「アドレスホッパー」として居住地を持たず全国各地を転々としながら仕事をするという生活を送ってきました。その過程で、長崎県対馬を訪れ、紆余曲折あり対馬に住むことになりました(詳細は後ほど書きます)。

海に潜ったり旅をすることで、自分をオープンにすることができ、まだ知らない世界を知る好奇心を満たしてくれています。僕にとっては今でもやめられない心の底から「好き」と言える趣味です。
インスタも始めたのでぜひフォローいただけると嬉しいです!

2.なぜ海洋プラスチックを使ったモノづくりをするのか?

そもそも海洋プラスチックに興味を持ったきっかけは、趣味のスキューバダイビング/フリーダイビングです。
全国の海を潜る中で、海に浮かぶ(もしくは沈んでいる)プラスチックを多く目にしてきました。

プラスチックで遊ぶイルカや、プラスチックを食べる魚など。

ダイビング中に海面を見ると海洋プラスチックのゴミだらけだった海もありました。

海洋ゴミは対馬に関わらず、世界各地で問題になっており、正直一人の力ではどうすることもできない問題だと思います。
ただ、一人の力は小さいかもしれませんが、海が好きだからこそ、海洋ゴミの現状に対して何ができて何をすべきかを行動に移さないと、絶対に後悔すると感じました。

なぜなら、海に行くたびに、必ず海洋ゴミを目にし、自分の心のどこかでずっと引っかかっていたためです。

そこで、たまたま海洋プラスチックを拾って、アップサイクルしてモノを作っている方にお会いする機会があり、体験申し込みすることにしました。

その際、海洋プラスチックからペンを作ったのですが、創作意欲が湧いてきて小学生の時に好奇心でモノを作っていた時のように、あっという間に時間が経っていきました。

「モノづくり」ってこんなにも面白かったのか?と改めて感じさせられました。

多くの人が海洋プラスチックを使ってモノづくりをすることができれば、自然とゴミ(素材)を拾って使えるモノに変えていけるのでは?と考えるようになりました。

実際に、モノづくりを始めて、色々失敗したり、プラスチックの性質を理解しなければ思うような結果に繋がらなかったりすることがたくさんありました。
今もまだ実験段階で、研究中ではありますが。。。

でも、自分の納得のいくモノが出来上がった時、元々「海洋ゴミ」と呼ばれ使われなくなったモノが、必要とされる輝くモノに生まれ変わる、そんな瞬間に出会うことになります。

その時に、モノに命が宿った感が出て、とても嬉しくなりました。

流木と海プラの色合いがいい感じ。
リングも作ってみたり。。。
レジンと組み合わせてみたり。。。

一般的な海洋ゴミ拾いだけだと、ゴミを拾うだけでただのゴミのままのように感じていましたが、
「海洋ゴミ」が「素材」に意識が変わり、実際に使えるモノに変わる瞬間は意外と感動します。

「海洋ゴミ問題を解決しよう!」と呼びかけるだけでは人の意識の限界がありますが、そこに楽しさや嬉しさがあれば、もっと多くの人が楽しく海洋ゴミ問題に取り組めるのではないか?

海洋ゴミを使ってモノづくりをはじめ、それを多くの人と共有していきたい、そう思うようになりました。

3.なぜ、長崎県対馬で行うのか?

なぜ、長崎県対馬で行うのか?
その理由は二つあります。

一つ目は、父が対馬出身という点です。

※僕の苗字も対馬から来ています。
実は対馬には「阿比留」という苗字の方が多いです。
歴史的には、元々対馬が「対馬国」と呼ばれていた時代に対馬国を支配した氏族だったそうで、対馬には阿比留という方が多くいらっしゃいます。

昔、父に連れられて今までも何回か対馬を訪れたことがあります。
自然も豊かで海も綺麗で魚もおいしく、毎日ボートを出してよく釣りに行っていました。
釣りの餌も岩場に潜むエビを手で捕まえて釣りの針に引っ掛けて魚を釣っていました。

そんな思い入れのある場所で、対馬は僕にとって好きな島の一つでした。

二つ目は対馬が日本一海洋ゴミが流れ着く島だと気づき、その光景を実際に目撃したためです。

アドレスホッパーで全国を放浪していたときに、対馬に訪れる機会がありました。父に連れられて対馬を訪れたことはありますが、自分一人で訪れたのは初めてでした。
その時は自分の感じるままに対馬の各地を巡ったのですが、現地のNPO団体のスタディツアーに参加したときに、対馬には多くの海洋ゴミが漂着していることに気づかされました。

地元の方からは、

「昔はこんなもの(海洋ゴミ)はなかった」

とおっしゃっていました。

実際に目にした対馬のとある海岸。特に海洋ゴミは人があまり立ち入らないところに多い。

この現状を見た時に、今までダイビング等で見てきたプラスチックの光景が再度脳裏をよぎり、

「自分の好きな島でこのようなことが起きているのか…」

と言葉を失ったのをはっきり覚えています。

自分でもできることをやらないと、「このまま見てみぬふりはできない」と改めて考えさせられました。
それから、思い入れのある場所であり好きな場所でもあり、
自分の血筋にも縁があるこの対馬でこの問題と向き合い、
行動に移していこうと決意しました。

4.モノづくりを通じて何を目指しているのか?

対馬・佐護の風景(元滑走路だった場所だそうです)

結論から申し上げると、

「海洋プラスチックを使ってモノづくりができる人を増やす」

です。

モノづくりをする理由は先ほども述べた通り、単純に創作意欲が湧いて楽しいからです。
実際にワークショップを開いたり、海洋ゴミで作った作品を他の人に見てもらうと、「やってみたい!」という声をいただいたり、僕からは何も求めていないのに「こういうのあったら面白そうだよね?」という会話がよくよく起きます。
大人になると忘れがちなのかもしれませんが、この創作意欲って結構今の大人も子供に戻ったような感じで純粋に楽しいんですよね。

話を戻すと、なぜ海洋プラスチックを使ってモノづくりができる人を増やすのか?についてです。

僕はビーチのゴミ拾いに参加したり、海ゴミの現状を多くの人に伝えたい!という方々の発信を多く目にしてきました。

確かに、ゴミ拾いする人は必要です。

海ゴミの現状を伝えることも必要です。

どれも海ゴミの解決を目指す上で欠かせない役割だと思います。

ただ、ゴミ拾いに関して、ゴミ拾いしたゴミがどこに運ばれるか知っている人は少ないのではないでしょうか?

対馬では、ボランティア等で拾ってきた海洋ゴミはクリーンセンターに運ばれ、分別・洗浄・裁断され、その後焼却等の処理が行われます。
クリーンセンターはその仕事だけやっているわけではなく、通常の家庭ゴミ等の仕事に加えて、ボランティア等が拾ってきたゴミの処理も行うことになります。

つまり、単純にクリーンセンターで働く方の仕事が増えているわけです。
これは対馬だけではなく、他の地域も同じだと思います。

この状況を知らずに、ボランティアとしてゴミ拾いして、拾ったゴミをゴミ処理場に持っていっても、ゴミ処理場の従業員からすると迷惑と思われること多いのではないか?と思っています。

ただ、この処理部分は個人では到底行えないと思いますし、リサイクルという分野においても同じだと思います。

理由は単純で、設備(お金)が必要だからです。

拾った後のゴミをどうするかを個人でも取り組もうにも、ハードルが高いのが1番の理由なのではないか?と思っています。

だからこそ、個人でもできるアップサイクルという形で海洋プラスチックを使ったモノづくりをすることで、実際に拾った海洋ゴミが個人の手でも価値あるモノに変えることができ、企業でなくても海洋ゴミの処理部分を行うことができると考えています。

他にも、「海ゴミの現状を多くの人に伝えたい!」について、今は社会問題を発信するメディアや個人でも海洋ゴミの現状を伝えるメディアが増えてきています。

そこで僕は思うのです。

そろそろ、行動しない?

と。

海ゴミの情報発信する媒体はすでに色々存在していて、「さらにもっと多くの人に伝えたい!」という行動に移すよりも、実際に海ゴミを減らしていきませんか?と伝えていきたいと思っています。

伝える人が増えたところで、海ゴミを実際に減らす人を増やさないと、もしくは海ゴミを出さないような仕組みを作らないと、この環境問題は解決されないと思います。
(伝える人は必要ないと言っているのではありません)

最初、実際に海ゴミを減らす取り組みとしてゴミ拾いのボランティアから始めるでも良いと思います。僕が行っているモノづくりを行うのでも良いです。
実際に海ゴミを減らす行動に移すことが大切であると思っています。

そのような理由と個人的にモノづくりが好きだからという点で、「海洋プラスチックを使ってモノづくりができる人を増やす」ことで、多くの人が海洋ゴミ(素材)を拾って使えるモノに変えていくと、少しでも海洋ゴミを減らしていけるのではないか?そう思って活動をしています。

5.モノづくりをする上での軸

僕が海洋プラスチックを使ってモノづくりをする上で、一つ軸として持っていることがあります。

それは、

「長く使えるモノを作る」

であることです。

海洋ゴミを減らす活動としてモノづくりという手段を使っているわけですが、海洋ゴミが多く生まれてしまった根本的な原因は、「人間の欲求」とそれを助長する「資本主義」にあると僕は考えています。

有名な大統領スピーチで、ウルグアイの第40代大統領であるホセ・ムヒカ氏による地球サミットのスピーチがあります。

その中で

「・・・人類がこの消費社会にコントロールされているのです。・・・根本的な問題は、私たちが実行した社会モデルなのです。そして改めて見直さなければならないのは、私たちの生活スタイルだということ。」

という言葉があります。

まさしく、無限に生まれる人の欲求を満たそうと(もしくはさらなる欲求を出そうと)する過度の資本主義によって、消費にコントロールされている人間社会。そんな消費の過程で生まれた使い捨てプラスチックやそれは必要?と疑問に思うプラスチックの廃棄まで、必要・不必要関係なく大量生産・大量消費を繰り返してきた人々の生活に根本的な問題があると感じています。

それに対して、僕の中で答えはまだ見つかっていませんが、
今できることとしては

「どうやったら自分の作品やワークショップ等でお客様自身が作られた作品を長く使ってもらえるか?」

を常に考えて作品・サービスを作るようにしています。

これが正しいのかどうかは今の僕にはわかりません。

これから、人の生活のあり方がどうあるべきか、モノづくりを通じて多くの人と一緒に考えていきたいと思っています。


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